ラブラドール・レトリバーを飼っている方もこれから飼いたいと思っている方もいると思いますが、ラブラドール・レトリバーを飼う上でどのようなことに気をつけなければいけないのでしょうか?今回は「ラブラドール・レトリバー」の特徴や性質についてチェックしてみましょう。
ラブラドール・レトリバーとは
ラブラドール・レトリバーといえば、
- 盲導犬
- 災害救助犬
- 警察犬
- 使役犬
として活躍していることは、ご周知の通りだと思います。
その他、このレトリバー犬種は、水に落ちた獲物をハンターのところまで回収する(Retrive)という鳥猟犬としての能力も発揮していました。
こんなに訓練生が高く、使役犬としても一役も二役も買っているラブラドール・レトリバーですが、実際のところは、とてもやんちゃで子供のように甘えん坊。
とにかく人と関わり合うことが大好きな犬種です。そんなラブラドール・レトリバーだからこそ、長年愛され続けた犬種であるのでしょう。
ラブラドール・レトリバーのルーツ
ラブラドール・レトリバーのルーツは、16世紀のカナダのニューファンドランド諸島が原産の「セント・ジョンズ・ウォーター・ドッグ」がラブラドール・レトリバーの祖先と言われています。
当時のセント・ジョンズ・ウォーター・ドッグは、極寒の海中で魚網や網からこぼれた魚を回収したり、小船を牽引したり、様々な用途に使用されていました。
この犬種の忠誠心と与えられた仕事を好んでこなす性格は、漁師たちに大変重宝されていました。
ところが、その後カナダで犬を所有すると高い税を課せられるようになり、この犬種はニューファンドランド諸島から姿を消し、19世紀に数頭がイギリスへ持ち込まれ、他のレトリバーと掛け合わせることで、絶滅の危機から脱し、現在のラブラドール・レトリバーが誕生しました。
ラブラドール・レトリバーの性格
ラブラドール・レトリバーは、
- 穏和で従順
- とても人懐っこく
- 友好的で争いごとは好まない
性格です。
先述したような様々な使役犬として活躍していますが、このような性格の持ち主なので、自宅での番犬としてはあまり期待できないようです。
また、人見知りもなく、人間に警戒心も持たないので、盗難に遭うこともあります。外出の際はリードをして出掛けましょう。
そして、物覚えも早いので、躾のトレーニングも楽しんでこなしますが、0歳から3歳くらいまではとてもやんちゃ者なので、飼い主さんと愛犬との上下関係をつけながら根気よく躾しましょう。
ラブラドール・レトリバーは、興味を持った事に関しては高い集中力を発揮するので、愛犬にあったトレーニングを見つければ、きっと素晴らしい家庭犬となるでしょう。
ラブラドール・レトリバーのイングリッシュタイプとは?
ラブラドール・レトリバーには「イングリッシュタイプ」と「アメリカンタイプ」の2つのタイプが有ることをご存知でしょうか。
これは、これまでの歴史で改良されてきたために、2つのタイプが存在するようになったのですが、一般的には「アメリカ育ち」の血統を持つアメリカンタイプは主に作業犬としての能力を重視されてきたため、性格もやや活発でマズルが長め。
一方の「イギリス育ち」の血統を持つラブラドール・レトリバーは、主にドッグショーでの見栄えを重視されてきたため、アメリカンタイプと比較するとマズルが短めであったり、体格もがっしりとした印象を受けます。
しかし、かなりこだわっている方でなければ、正直なところわからないレベルかもしれませんね。こういうタイプがあるんだな程度で知っておくと、面白いかもしれません。
ラブラドール・レトリバーの運動量はどのくらい?
ラブラドール・レトリバーは、人間とともに働くことを目的として来た犬種ですので、体力があり、力もある犬種です。大型犬種は特に運動量も多く、ラブラドール・レトリバーも同じく、1日に1時間以上の散歩は欠かせません。
十分な運動量が取れなければ、ストレスが溜まってしまう要因にもなり、イライラしてしまったりといった様子が見られるようになるでしょう。もともと活発で明朗な性格の犬種ですので、運動不足になる環境での飼育には不向きな犬種と言えます。
ラブラドール・レトリバーを迎え入れる際には、十分に散歩にいく時間が取れるか、定期的にドッグランなどに行く時間を作れるかなど、十分に検討する必要があります。運動不足になってしまうと肥満体型になってしまい、さらに運動を行うのが難しくなってしまうため、寿命などにも影響してくることでしょう。
泳ぎが得意なラブラドール・レトリバー
泳ぎた得意だったセント・ジョンズ・ウォータードッグの血を引くラブラドール・レトリバーは、同じく泳ぎが得意な犬種として知られます。そして、元々鳥猟犬であったラブラドール・レトリバーの被毛は、冷たい水の中でも自分の身を守るよう密生した被毛を持ち、撥水性に富んでいます。
水中に飛び込んで物を回収するだけでなく、寒中の海でも網や魚を集めるといった作業もこなしていた犬種ですので、長時間泳ぐ能力や、寒中でも泳ぐことができたりと、漁師たちの中でも非常に重宝がられていた犬種です。
残念ながら、ペットとして飼われているラブラドール・レトリバーの中には、泳ぎが得意でない子もいますので、必ずラブラドール・レトリバーだから泳げるとは思わず、まずは浅瀬等から練習を始めるようにしましょうね。
ラブラドール・レトリバーは暑さに強い?弱い?
前述の通り、ラブラドール・レトリバーは寒中でも泳げるほどに、寒さには強い被毛を持っていますが、反面、暑さにはめっぽう弱い犬種です。
日本のような高温多湿の環境下では、ラブラドール・レトリバーがバテてしまうことも多く、温度の管理はもちろん、飲水の用意も欠かせません。熱中症にもなりやすいので、夏の飼育環境には十分に注意するようにしましょう。
また、定期的なブラッシングも大事なケアとなります。換毛期のブラッシングを怠っていると、毛の中が蒸れてしまい、皮膚病などを引き起こしたり、熱を逃がすことができなくなるため、病気や熱中症を引き起こす要因となります。
そのため、ラブラドール・レトリバーはブラッシングも大事なケアの一つとなりますので、しっかりと運動を行った後には、清潔な体を維持できるように、ブラッシングを行ったり、タオルで拭いてあげるなどのケアを行うようにしましょう。
ラブラドール・レトリバーの被毛
ラブラドール・レトリバーの被毛のカラーは、基本的に、
- 黒
- イエロー
- チョコレート
の3色のバリエーションがあります。
ラブラドール・レトリバーの毛色は、このいずれかの単色であることが理想とされておりますが、稀に胸部分にある小さな白い斑点がある場合も、正式なカラーとして認められています。
「セント・ジョンズ・ウォーター・ドッグ」を先祖に持つだけあって、水に強く、機能的な被毛です。
また、年に2回の換毛期があり、その間は沢山の毛が抜けるため、犬アレルギーの人がいる家での飼育はあまりお勧めできません。
定期的なブラッシングをすることが望ましいですが、換毛期を迎えた時には、よりこまめにブラッシングをするようにし、常に清潔な体を維持させるようにしましょう。
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ラブラドール・レトリバーの飼育時に気をつけるべき事とは
ラブラドール・レトリバーがかかりやすい病気とされているのが、大型犬に多い「股関節形成不全」です。
この股関節形成不全は、股関節が正常に形成されなかったり、変形されることで、歩き方に支障をきたす病気です。
肥満体型は股関節形成不全を引き起こすきっかけとなってしまいますので、子犬の頃から肥満にならないように、食事の管理は徹底するようにしましょう。
また、ラブラドール・レトリバーの耳は垂れ耳で、立ち耳の犬種に比べ通気性が良くないため、耳の中が蒸れたり、カビや雑菌などが繁殖しやすく、「外耳炎」などの原因になります。
暑い夏や湿気が多い季節は特に気を付けて、こまめな耳掃除が必要です。
そして、一番怖いのが「胃捻転」です。大型犬に多く、致死率が高い病気です。
ついさっきまで元気に走り回っていると思ったら、急にぐったりし、早急に処置をしないと、最悪の場合死に至ります。
この胃捻転とは、胃の内容物が発酵し、発生したガスで胃がパンパンになり、その胃が捻転してしまう病気です。
予防としては、食事の後しばらくは安静にさせることや、水のがぶ飲みは避けること、早食いさせない事など、十分に気を付けてあげましょう。
ラブラドール・レトリバーの寿命はどのくらい?
ラブラドール・レトリバーの平均寿命は、おおよそ10年〜13年ほどと言われています。
ラブラドール・レトリバーは、肥満体型の子が多い犬種でもあります。食欲も旺盛なため、ちょっと運動不足になるとすぐに太ってしまうためです。ラブラドール・レトリバーは多くの運動量を必要とする犬種の反面、より多くのエネルギーを必要とするために、食欲も旺盛な犬種でもあるのです。
肥満体型を放おっておくと、寿命が短くなるばかりか、様々な病気を引き起こしてしまいますので、日頃からの体調管理、体型管理は欠かせません。
ラブラドール・レトリバーにできるだけ長生きしてもらうためには、日頃からの運動と、食事の管理、健康の管理を確実に行うようにし、健康的な体型を維持できるような生活環境を整えてあげる事が重要になってきます。
ラブラドール・レトリーバーのルーツと飼い方!【性格と飼育時の注意は?】のまとめ
ラブラドール・レトリバーは、人のために働くことが喜びの犬とされていますが、これはあくまでも、飼い主さんと愛犬との信頼関係があってこそです。
若くてやんちゃ盛りの頃は、退屈するとトラブルを起こしたり、家財道具をボロボロにされたり、残飯あさりなど日常茶飯事です。
言うことを聞かない駄犬だとレッテルを貼られることも多いでしょう。
日頃から愛犬とのコミュニケーションを取り、沢山の愛情を注いであげましょう。存分に犬生活を送りたい方には最高の犬種です。
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