うさぎの病気の一つ「尿結石」。カルシウムを過剰摂取することで形成される原因とされる場合が多いですが、実はその他にも要因はあるのです。今回はこの尿結石の症状についてと、尿結石にならないためにはどうすべきかを調べてみました。

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うさぎに多く見られる「尿結石」

うさぎに多く見られる病気の一つに「尿結石」という病気があります。この尿結石という症状、人間でも聞いたことがあると思いますが、その名の通り尿中等に石(結石)が出来てしまい、尿道を塞いでしまったり、激痛を伴ったりする病気です。

うさぎが尿結石を発症してしまう、主な要因にあげられるのが「カルシウム」の過剰摂取によるものと言われています。後述しますが、この過剰に摂取したカルシウムが尿中で結石となってしまい、尿結石を発症するというものです。

また、このカルシウムの過剰摂取に関しては、うさぎが食べる牧草に関係していると考えられており、牧草の一種「アルファルファ」に多く含まれるカルシウムが、過剰摂取を引き起こす要因の一つと考えられています。では、具体的に尿結石について調べてみましょう。

様々な尿結石

一言で尿結石と言っても、実はいくつかの種類が存在します。結石が出来る場所によっても呼び方が変わり、「膀胱結石」や「尿道結石」「腎結石」「尿管結石」が挙げられ、さらに結石の種類に関しては、「シュウ酸カルシウム結石」や「リン酸マグネシウムアンモニウム結石(ストルバイト結石)」といったように、尿結石の成分によってもその呼び名が変わります。

尿結石を引き起こす要因はいくつかありますが、一つの要因として、骨を形成するために必要なカルシウム、リン、マグネシウム、これらを過剰に摂取することで、尿結石が形成されるリスクが高まるとされています。そしてこの内、うさぎに多く見られる結石が「シュウ酸カルシウム結石」です。

シュウ酸カルシウム結石は、前項でも挙げたように「カルシウム」の過剰摂取で起きると言われている結石ですが、何故カルシウムの過剰摂取で、シュウ酸カルシウム結石が生成されるのかを調べてみましょう。

腎臓の働きと尿


尿結石を理解するには、うさぎの栄養バランスと尿が排泄されるプロセスを理解する必要があります。

うさぎが食事を接種することで腸へと集められ、腸から吸収された栄養素などは血液中へと流れていきます。その後、血液は腎臓を通過しますが、腎臓が血液を「ろ過」する形で「血液中へと再利用する成分」と「尿」に分ける働きを行います。

こうして体で使われなくなった成分は腎臓がろ過することで、尿中へと排出しているわけです。

腎臓でろ過された尿は「尿管」を通って「膀胱」へと集められます。膀胱に集まっている尿は「原尿」と呼ばれ、体内の水分を維持する働きを持っています。

膀胱に集まった尿は、やがて押し出される形で「尿道」を通過して外へと排出されていくのです。

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「シュウ酸カルシウム結石」

腎臓の働きと、尿が排泄されるまでのプロセスは以上の通りとなりますが、カルシウムに限らず、過剰に摂取した成分は腎臓を通り、体に不要な成分として尿中へと排出されていきます。

尿中に含まれるこれらの成分は、そのまま尿として排泄されていく場合もあれば、膀胱内で分解されていく事もあるのですが、尿のph値が安定していないとこれらの成分を分解することができず、結果として他の成分と結びついてしまい、結石を生成していきます。

尿のph値は「アルカリ性」もしくは「酸性」のどちらかに常に偏り続けていますが、草食動物であるうさぎの尿はph8前後の「アルカリ性」が正常な数値です。

ところが、「カルシウム」はアルカリ性で分解されにくい成分であるため、尿中に含まれる「シュウ酸」とカルシウムが結合してしまいます。その結果、尿結石の一種「シュウ酸カルシウム結石」を形成してしまうのです。

尿結石の症状について

うさぎが尿結石を発症してしまうと、結石が詰まって膀胱を塞いでしまい、尿がでにくくなるといった症状から尿結石を発症しはじめます。

この結石は膀胱内や尿道も傷つけてしまうことがあり、傷ついてしまった場所はやがて炎症を起こす原因となります。

尿結石を引き起こすと、血尿がでてくるなどの症状も見られ、さらには強い痛みを伴うために、丸まって動かなくなったり、活動的でなくなるといった様子も見られるようになります。

痛みも強く、動くことが出来ないことで食欲も大きく低下してしはじめ、さらに尿結石の症状が悪化してくると「腎不全」や「尿毒症」といった病気も併発することとなり、命の危険も伴う事となるのです。

尿毒症とは

うさぎの尿毒症は命にも関わる、大変危険な病気の一つ。この尿毒症は、尿結石などが原因となり引き起こされる場合があります。

尿結石を引き起こすと、結石が尿道をつまらせたり、痛みによって思うように尿を排泄できなくなってしまいます。こうして膀胱内には尿がたまり続けてしまうことになるのですが、尿が膀胱内に溜まることによって老廃物が毒素へと変わっていってしまいます。

体外へと排泄できなくなってしまった毒素は、今度は体内へと回ってしまい尿毒症を引き起こしてしまうのです。

尿毒症を引き起こすと、食欲の低下や毛艶が落ちる、排泄の様子は見えるが尿が出ていないなどの症状が見られるようになり、やがて痙攣や昏睡状態を引き起こしてしまいます。

元となる結石症をはじめ、尿毒症は早期発見・早期治療を施さなければ命に関わってくるので、非常に危険なのです。

腎不全とは


腎不全とは腎臓の働きが低下、もしくは完全に失われてしまった場合の状態を腎不全と呼びます。

腎臓の働きは前述の通り、うさぎの健康な体を維持するためには欠かせない臓器となるのですが、尿結石を始めとした様々な要因によって引き起こされてしまいます。

先天的な場合もあれば、尿結石を原因とするような後天的な原因、もしくは年齢によって腎臓の働きが弱まってしまっている事が原因としてあげられ、主に腎不全は高齢のうさぎに多いと言われています。

腎不全を引き起こすと元気がなくなったり、食欲の低下が見られます。また、脱水症状や栄養不足の状態が続いてしまうため、うさぎの体調は常に悪い状態になります。

非常に発見のしにくい病気と言われる腎不全ですが、腎臓がダメージを受けると回復させることが出来ないため、腎不全を引き起こしてしまうと予後はあまり良いとは言えなくなります。

尿結石の治療について

うさぎの尿結石を引き起こしている結石は、砂粒ほどのサイズのものもあれば、10mm程のサイズのものもあります。この程度のサイズであれば、水分を多く取らせることで尿とともに排泄されることもあるようです。

しかし、尿結石の症状が起き始めると、何らかの治療が必要にはなってきます。まずは動物病院で検査を行う必要がありますが、すでに尿が出ていないような状態であったり、うさぎがうずくまって動けないようなレベルであれば、外科手術が必要となるでしょう。

比較的に症状が軽度である場合は内科治療が行われる場合もあり、食事療法などの対症療法が行われます。

内科治療で済むような症状では、まだ尿として排泄されるサイズである事が重要となりますが、1ヶ月ほど食事療法を行っても尿結石が無くなっていない場合には、やはり外科手術を行う必要があるでしょう。

理想的な栄養バランスのチモシー

前述でも触れましたが、うさぎが好む「アルファルファ」には高タンパクな上にカルシウムが多く含まれているため、過剰摂取は尿結石を引き起こす原因にもなります。

そのため、うさぎは成長期を終える頃にはチモシーに切り替えていく必要があります。大人のウサギには栄養バランスの取れたチモシーを与えるようにし、アルファルファを気に入っている場合には、常時食べれる牧草ではなく、おやつ代わりの牧草とするなどの配慮が必要となります。

スムーズにチモシーへと切り替えていけない場合もありますが、アルファルファの与えすぎにだけ十分に注意し、なんとかチモシーに切り替えていけるような方法を見つけてあげるようにしましょう。

いくらうさぎが喜んで食べるからと言って与えすぎていると、本当の意味でうさぎをかわいがっていることにはならなくなります。

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食べ物の管理は重要です


また、おやつとして野菜や果物を与えている際には、与えるものにも注意が必要です。特に、先程挙げた「シュウ酸カルシウム結石」の元となる「シュウ酸」を含む食べ物には注意が必要です。シュウ酸を含む食べ物には、

・ほうれん草
・レタス
・ブロッコリー
・サツマイモ
・バナナ
・パセリ

等が挙げられます。
こうした食材をおやつ等として与えている際には、適量を与えるように注意が必要です。アルファルファを主として食べており、シュウ酸を含む食べ物を日常的に摂取している状況であれば、尿結石を引き起こす可能性は高くなるでしょう。

そして大事なのが、「水」を必ず飲めるような状態であることです。水を多く飲ませ、体内の循環を上げてあげなければ、どんな病気も引き起こすこととなります。また、水を多く飲ませることは、体内のカルシウムも多く排出させる手助けにもなります。

カルシウムは適量を摂取させましょう

このようにうさぎの天敵のようにも感じるカルシウムですが、過剰摂取も良くはありませんが、不足もよくはありません。また、シュウ酸カルシウム結石に見られるように、カルシウムだけが悪者というわけではないのです。むしろ、カルシウムは健康を維持するためには必要不可欠な成分です。

気をつけるべきは「カルシウムの摂取」ではなく、日頃からの「食生活」と「水」を飲める環境下であるかということです。また、適度な運動も蠕動運動を促すため、必要なものとなります。与える食べ物に注意し、健康的な生活を送らせることで、こうした病気のリスクも軽減することができるでしょう。

日頃からこうした食事の管理を行い、うさぎの生活スタイルも注意深く見ていると、ちょっとした変化にも気が付きやすくなります。また、尿結石は突然起きる症状ではありません。日頃からの食生活と、飼い主さんの変化に気がつける目が非常に大事なのです。

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