スーパー等でも見かけることの多い「ネスレ ピュリナ ワン」。国内産のキャットフードのイメージも強いピュリナブランドのキャットフードですが、実はアメリカ原産のキャットフードだという事をご存知でしょうか。今回はその内容に迫ってみたいと思います。

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ネスレ ピュリナ ワン

アメリカ原産のキャットフード「ネスレ ピュリナ ワン」。なんとなく日本産のイメージも強いこのピュリナ ワンですが、元々は「ピュリナ」という会社名でアメリカで展開していたブランドで、2001年にネスレに買収される形となり、「ネスレ ピュリナ」が誕生しました。

日本国内では専門店だけでなく、ドラッグストアやスーパーでも見かけることのあるキャットフードとしても知られるようになりましたが、あえて国内産・海外産の説明をしたのには、日本とペット先進国である海外諸国のペットフードに対する考え方が違う事があるためです。

「AAFCO」の基準値とは?

AAFCOという名称をご存知でしょうか。

AAFCO(アフコ)とは「AAFCO(米国飼料検査官協会)」の略称で、ペットや牧畜動物などが健康を維持するために必要な栄養素を数値化し、公表している機関です。さらに、AAFCOが公表しているデータは、フードメーカー各社がペットフードを研究・開発する際にその数値を参考にしているわけです。

法律とまではいきませんが、アメリカやその他の「ペット先進国」と呼ばれるような国々で販売されるペットフードに関しては、AAFCOの数値を基準にしている流れがありますが、日本国内においてはAAFCOの基準値を参考にしているメーカーもまだまだ少ないのが現状です。

実際にはAAFCOの基準値を参考にしなくとも、ペットフードを販売することが出来ますので、あくまで自社研究という内容で製造している製品が多いのです。

日本とペット先進国の差


一昔前までは人間の残り物で作られた「ねこまんま」も当たり前であった日本。しかし、実際には人間の食べ物や味付けは塩分が高く、猫にとっては「美味しい」だけで、あまり体に良いとは言えない食事です。

正直なところ、日本のペットに関する食事や栄養管理のレベルまだまだ低く、また、その成分や原材料に関してもグレーな部分が多いように思えます。しかし、昨今では海外のキャットフードが多く輸入・販売されていることもあり、AAFCOの存在も広く知られるようになりました。

必ずAAFCOの基準値をクリアしていなければならない訳ではありませんが、同じキャットフードでも栄養基準をクリアしているか、していないかは大きな安心感に繋がるのです。

猫の食性について

猫の健康管理や栄養管理を理解する上で、まずは猫の食性について理解する必要があります。

猫は完全な肉食性の哺乳類として知られていますが、もちろん飼い猫も同様に肉食のご飯が求められます。そもそも、猫は穀類等の消化には不向きな消化器官を持っており、肉を消化するのに特化したような消化器官を持ちます。

そのため、猫には食物繊維や穀類は不要と言われておりますが、実は僅かながらの食物繊維は必要としているようです。

野生化においては、獲物を捕食し、肉を食べているわけですが、捕食した動物の胃や腸には僅かな食物繊維が残されています。

猫はこうして、捕食した動物が食べていた食物繊維などを取り入れているわけですが、さらに、捕食した動物が食べていた食物繊維は、すでに消化しはじめているために、スムーズに猫に取り入れられることが出来るのです。

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穀物ベースのキャットフード

このように、猫にとっての主食はあくまでも「肉」や「魚」の動物性タンパク質になりますが、かなり微量に食物繊維も必要とはしているのです。一方で、飼育されている猫達はどうでしょうか。

キャットフードには肉類や穀物類、食物繊維が含まれていますが、これは栄養バランスを考えて作られているものではあります。

しかしながら、一部のキャットフードに関しては、本来猫が主食としている肉を第一原材料に取り入れず、穀物類等を第一原材料に採用しているキャットフードも存在しています。

前述の通り、猫は穀物類を多くは必要としていません。栄養バランスを考えているとは言え、第一原材料に猫が最も必要とする動物性タンパク質が入っていないのには疑問が残りますね。

第一原材料には肉などの動物性タンパク質を採用

ネスレ ピュリナ ワンに関しては、第一原材料にチキン等の動物性タンパク質を採用されています。

上記でも解説した「穀物ベース」であるキャットフードとは違い、動物性蛋白質を多く取り入れているため、猫にとっては最低限の条件をクリアしていると言えます。

ネスレのピュリナワンに関してはハイグレードなキャットフードとまでは言えませんが、スーパーやドラッグストアで購入できる「コスト重視」のキャットフードの中では、質の良いキャットフードに入るでしょう。

【ピュリナ ワン「室内飼い猫用 インドアキャット ターキー&チキン」の原材料】
ターキー、米、コーングルテンミール、チキンミール、卵、油脂類(牛脂、大豆油)、大豆たんぱく、フィッシュミール、小麦粉、セルロース、大豆外皮、酵母、イヌリン、ポークゼラチン、たんぱく加水分解物、ミネラル類(リン、カリウム、ナトリウム、クロライド、鉄、銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素、セレン)、アミノ酸類(リジン、タウリン)、ピロリン酸ナトリウム、ビタミン類(A、D、E、K、B1、B2、パントテン酸、ナイアシン、B6、葉酸、ビオチン、B12、コリン、C)、酸化防止剤(ミックストコフェロール)

毛球症対策


猫は微量の食物繊維も必要と触れてきましたが、これには猫が抱える毛球症などの病気に対する効果が期待出来るためです。

猫はグルーミング時に毛を飲み込んでしまい、本来であれば吐き出したり糞として排出することができますが、状態が酷くなると体内で毛玉になってしまい、毛球症を発症してしまいます。

これを回避させるために、自然界の猫においては捕食する動物から微量の食物繊維を取り入れ、消化を良くして毛玉を排出させるという効果を得ているわけです。しかし、ペットとして飼育している猫は、このように思うように食物繊維を摂取する機会がありませんので、キャットフードから食物繊維を摂取する必要もあるのです。

ペットとして飼育される愛猫の健康を守るのは、飼い主さんの飼育管理によるものなのです。

セルロースやイヌリンで毛玉をケア

近年のキャットフードでは当たり前となりつつあるこうした「毛玉」に対する配慮ですが、ピュリナワンに関しては「セルロース」「イヌリン」を配合させることで、食物繊維をキャットフードに取り入れているようです。

セルロースは栄養素ではなく消化を助けるための繊維質として、毛玉対策に効果の期待できる成分として配合されており、「イヌリン」は糖の吸収をゆるやかにし、利尿作用を促す働きを持つ成分ですので、腎臓のケアや便秘の改善といった効果に期待の持てる成分です。

こうした成分をバランス良く取り入れることで、毛球症にならないような食事管理を行っているわけです。特に猫が気をつけなければならない毛球症や結石といった病気ですが、こうしてキャットフードでケアをできるのは大きいですね。

気になるポイント:チキンミール

ネスレ ピュリナワンに関して気になる点を上げるとすると「チキンミール」が採用されているところです。

一見すると「チキン」ですが、それならば第一主原料の「ターキー」と同様に「チキン」と記載されるところですが、「チキンミール」は少々勝手が変わってきます。

肉には栄養満点で食用に適した部位と、栄養化がなく食用に適さない部位に分けることが出来ます。チキンを例に上げると栄養化のない部位には、とさかや羽根、足、一部の内蔵などが挙げられますが、こうした部位は食用には適さないため、廃棄されるのが一般的ではあります。

一方で食用に適した部位は「チキン」として流通しますが、その他の部位で食用に利用できる部分は混ぜ合わされ、「ミール」として流通することとなります。

チキンミールと4Dミート

American shothair cat eating food. Isolated o white background with copy space

「チキンミール」に関しても上記のように、様々な部位を集められて作られたものとなりますが、安価なペットフードに関しては事情が異なってきます。

これは必ずしもというわけではありませんが、過去にも「チキンミール」と称し、食用には適さない部位も混ぜ合わされていたという事件がありました。残念ながらこれは珍しいことではなく、安価なペットフードでは未だにこうした事が行われていると言われます。

さらに、食用のチキンからのものであればまだしも、すでに死骸となった肉や病死してしまった鶏の肉など、いわゆる「4Dミート」と呼ばれるランクの肉を使っているケースも有るのです。

ピュリナワンの「チキンミール」に関してはわかりませんが、少なくとも、明確な記載がなければグレーゾーンである可能性も否めないわけです。

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気になるポイント:たんぱく加水分解物

「たんぱく加水分解物」は意外と多くのキャットフードやおやつにも使われている原材料です。たんぱく加水分解物はそもそも、肉に対してのアレルギーを抑制するために、肉を予め分解し、アレルギーのもととなる分子を小さくしたものです。

こうして聞くと安心な食材にも感じますが、加水分解を行う「方法」によっては話が変わってきます。安全に加水分解させるには「酵素」による分解か、「熱水」による分解が行われますが、これらはコストも掛かるため、多くは「塩酸」で加水分解を行っているようです。

コスト減のためとは言え、塩酸によって加水分解されたものですので、猫への健康被害も懸念してしまいます。各メーカー、加水分解した方法までは記載されず、ほんの一部のフードメーカーしか方法を記載していないのが事実です。

ぜひ利用したい「ヘルシープログラム 30DAYS」

「ヘルシープログラム 30DAYS」は、ネスレ ピュリナ ワンを食べ始めてからの、愛猫の健康状態の変化をチェックできるプログラムで、ピュリナ ワンを食べ始める前と食べ始めてから1ヶ月経ったビフォー・アフターを確認できるというサービス

ピュリナ ワンに切り替えてから、30日間毎日ネット上で記録を行うことで、こうした愛猫の変化をグラフ化して見える化できるもので、これまであまり健康に対して意識してこなかったという飼い主さんにも、よい気付きのきっかけにもなるサービスです。無料で利用もできますので、是非利用してみてはいかがでしょうか。

さいごに

スーパーやドラッグストア等で手に入るキャットフードが、第一原材料に穀物を使用しているキャットフードが多い中、ネスレ ピュリナワンはプレミアムフードまでとは言いませんが、専門店以外で手に入るキャットフードとしては、比較的グレードの良い方かと思いますので、まだまだハイクラスのキャットフードは存在しますが、入門編という位置づけとしてはオススメかと思います。

※内容は2017年1月時点での情報になります。商品の名称や原材料等の内容は変更している場合があります。

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