国産ペットフードメーカー「ペットライン」の、プロショップ専門キャットフードとして販売されているのが「メディ・プロ」というキャットフードです。プロショップ専門ということから、その中身もしっかりしたもの。今回はメディ・プロについて解説します。

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プロショップ専門フード「メディ・プロ」

数々のペットフードを開発・販売している「ペットライン」。このペットラインのキャットフードで、ペット専門ショップ限定で販売している、プロショップ限定のキャットフードが「メディ・プロ」シリーズです。

近年では海外のキャットフードも多数輸入されており、また、外国の方がペットフードの内容や考え方も先進的であるため、国内のペットフードのレベルはどんどん置いて行かれている状況です。

それでも、ここ数年では国産ペットフードの質もどんどんと向上していっており、メディ・プロのようにプロショップ限定で販売されている物も少なくありません。

なぜ専門店のみの取扱なの?

なぜプロショップ限定なのか。そこには、キャットフードの中身の質や原材料等の違いが出てくるためです。

価格競争が激しいスーパーやドラッグストアでは、より安価なキャットフードが望まれるため、原材料等もコストを下げるために粗悪な物になってしまいます。これは、合成保存料や合成着色料等の使用にも繋がるものです。

しかし、価格競争ではなく、あくまでも質に重点が置かれるプロショップでは、こうした原材料や中身は受け入れられず、より猫の健康に配慮された物が売れていく場所であるため、中身の質を向上させる必要があるのです。そこで開発されたのが、プロショップ専用のメディ・プロです。

メディ・プロの特徴とは?


メディ・プロの「pHサポート+」は、猫に多く見られる「下部尿路疾患」への配慮、同じく猫に多く見られる「腎臓疾患」への予防、近年増加傾向にある「口腔内」の予防に着目された内容です。

特に猫の腎臓に対するケアは大事なもので、腎臓にダメージを受け、悪化してしまうと慢性腎臓病等を引き起こすことも。場合によっては命にかかわる事態になる場合もあるため、できるだけ毎日の食事管理には気を使いたいところです。

また、近年では犬の歯磨きに続き、猫の歯磨きも注目され始めています。噛むだけで歯磨き効果のあるおやつやキャットフードも登場してきておりますが、メディ・プロでは口腔内の環境を改善・維持させるのに有効とされる「グロビゲン」と呼ばれる原料を配合。

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グロビゲンとは?

グロビゲンは、卵由来の機能性原料として知られており、口臭や歯垢を抑える効果があるとして、様々なデンタルケア食品等にも採用されている成分です。

多くは「グロビゲンPG」という名称で原材料表記されていますが、ようは卵黄粉末の事のようです。グロビゲンは歯周病菌が分泌する酵素自体を抑制する働きがあるため、口腔内の環境をより良くする働きをしています。

フードに含まれる製品もメディプロ以外にもいくつかありますが、デンタル系のサプリメントに多く見られます。また、粉末状でふりかけて利用できることから、フードのトッピングとしても利用できる成分です。

ブラッシング効果とは違いますが、歯周病の元を断つという働きがあるため、効果にも期待ができそうです。

年齢別のph値設定で下部尿路ケア


下部尿路疾患への配慮では、他ではあまり見かけない年齢別に分けた最適なph値が特徴的です。

猫の尿路疾患は尿のph値がアルカリ性に傾き続けることでストルバイト結石を引き起こし、酸性に傾き続けることでシュウ酸カルシウム結石を引き起こす要因となります。そのため、適正なph値を保つ必要がありますが、このph値は1日の中でも常に前後しているものです。

猫のph値はおおよそ5.5〜7.0の間が最適とされていますが、メディ・プロでは、子猫のph値が6.3〜6.6、成猫で6.1〜6.4,高齢猫で6.2〜6.5、老齢猫で6.5〜6.8というph値にコントロールするように設計されています。

こうした明確な数値が出ているのはわかりやすく、これによってフード中のマグネシウム量やカルシウム量が変わっているようです。

泌尿器系の病気には注意

猫は泌尿器系の病気が多く、常に食事の管理をしていなければ、どんな猫も泌尿器系の病気を引き起こす可能性を秘めていると言って良いでしょう。

特に結石を発症した経験のある猫は、再度、尿路結石が再発しやすいために、食事の管理は非常に大事なものとなります。

前述の通り、猫のph値はアルカリ性と酸性の間で常に前後し、バランスを保っていますが、これがどちらかに偏ることで結石を引き起こしてしまいます。このph値を食事でコントロールすることができれば、日々の健康管理も非常に楽なものになるでしょう。

特に結石は成猫〜老猫になるに連れて増加していく病気ですが、どの年代でも油断しないことが大切です。こうした管理を行う上でも、メディプロは管理のしやすいキャットフードと言えます。

気になる中身は

こうした独自の配合で、これまでの国産キャットフードとは一線を画する内容になっているメディ・プロ。原材料の方はどうなっているでしょうか。

【メディ・プロ pHサポート+ 10か月齢から 成猫用 原材料】
穀類(とうもろこし、コーングルテンミール)、肉類(ミートミール、チキンミール、チキンレバーパウダー)、油脂類(動物性油脂、ガンマ-リノレン酸)、魚介類(フィッシュミール、フィッシュエキス)、豆類(おから)、糖類(フラクトオリゴ糖)、卵類(ヨード卵粉末、卵黄粉末:グロビゲン)、セルロース、シャンピニオン、共棲発酵エキス(乳酸菌、納豆菌、酵母菌)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK3、ビタミンB1、ビタミンB2、パントテン酸カルシウム、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビオチン、ビタミンB12、ビタミンC、塩化コリン、イノシトール)、ミネラル類(炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸鉄、亜鉛アミノ酸複合体、炭酸亜鉛、炭酸マンガン、硫酸銅、ヨウ素酸カルシウム、硫酸コバルト)、アミノ酸類(メチオニン、タウリン)、酸化防止剤(ローズマリー抽出物、ミックストコフェロール)

以上がメディ・プロの成猫用フードの原材料。先に紹介していたグロビゲン等も配合されており、また、合成着色料・合成保存料は使用されていないのがわかります。もはやプロショップ専用フードであれば当たり前の物となってきました。

穀物類の多さがややネックか


フードの方向性や合成添加物を使用していないという点は良いキャットフードと言えますが、一方で少々残念なのが穀類が多く使用されているためアレルギー対策には不向きな点です。

猫は本来、肉食の動物ですので、穀物類を消化するのが苦手です。考え方としては腹持ちは良くなるものの、なかなか消化が追いつかない状況になりますので、肥満を招いてしまったり、消化不良を引き起こす事も考えられます。

また、消化吸収に関しても疑問が残る点もあります。肉類に関しても、「ミートミール」や「チキンミール」と言った「ミール類」やパウダーが目立つ内容。4Dミートである可能性も否めないため、出来る限りミール類ではなくしっかりと「チキン」といった原材料で勝負してほしかったところです。

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4Dミートとは?

4Dミートとは、本来、食用の肉としては利用することの出来ない、もしくは利用すべきではない食肉の事を指します。

食肉にはランク付けがされており、食用としての肉で最もランクの低い肉は缶詰やソーセージなどに利用される、すでに形のないような状態の食肉となりますが、4Dミートはそれよりも下のランクの肉になります。

この4Dミートの「4D」は、
・Dead:死んでしまっていた動物の肉
・Dying:死にかけていた動物の肉
・Diseased:病気だった動物の肉
・Disabled:障害のあった動物の肉
以上のイニシャルから、4Dと表されます。

これらの肉は本来、食肉として利用する価値はなく、廃棄に回る肉ではありますが、一部のペットフードで原材料となる「ミートミール」等に利用していたとして、一時期問題に上がったことがあります。

必ずしもミートミールが4Dミートであるわけではありませんが、明確なものがなければ疑わざるを得ないような事実もあるため、できれば避けておきたい部分なのです。

20年以上に渡る研究開発

メディプロのこだわりは独自の研究開発による臨床試験です。その期間も約20年以上に渡っており、単に栄養学について突き詰めるのではなく、実際に臨床データを得ながら開発を進めていっているので、フードとしての機能性に関してはかなりのこだわりが見えます。

実際に研究開発センターでは環境の整った空間で猫が飼育されており、給与試験が行われているようです。こうした治験の結果、年齢ごとのph値の調整や腎臓のケアという結果に結びついたと言えるでしょう。

原材料としては不安の残る部分もありますが、国産キャットフードでこうした機能性のあるフードは珍しいので、特に何のこだわりもないフードを与えるのであれば、メディプロを選んでみても良いかもしれません。

さいごに

メディ・プロはAAFCOの栄養基準値を満たしたフードでもありますので、キャットフード事態の栄養に関しては問題の無いものだと思います。また、メディ・プロ独自の特徴である部分に関しても、猫の健康維持には欠かせないものなので、ぜひとも取り入れていきたい物です。

残念ながら原材料に関してはミートファーストではない点、穀類の多さ、4Dミートの可能性も見える点がありますので、甲乙つけがたいといった内容でしょうか。少々、勿体無い内容の原材料ではあります。

※内容は2017年1月時点での情報になります。原材料、商品名等の内容は変更している場合があります。

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