ペット保険の商品を選ぶ際には、補償の内容や、保険料だけについつい目が行ってしまいがち。しかし、数あるペット保険会社の中には「損害保険会社」と「少額短期保険会社」の2つに分けられることをご存知でしょうか。

そこで今回は、ペット保険の「損害保険会社」と「少額短期保険会社」の違いや、それぞれのメリット・デメリットについて解説していきたいともいます。

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大きく分けられるペット保険の違い


今となってはだいぶ身近なものになりつつある「ペット保険」。ペット保険は人間用の医療保険などと似た側面を持つ保険で、ペットの病気や怪我による医療費を補償する商品や、ペットが原因で怪我をさせてしまった場合などに補償される商品などが登場しています。

そんなペット保険ですが、同じペット保険でも大きく分けて2つの種類が存在します。一つは「損害保険会社」、もう一つが「少額短期保険会社」です。

どちらも聞き馴染みがある保険会社だと思いますが、同じペット保険会社でも大きな違いがあるのです。では具体的に、それぞれの違いについて見てみましょう。

「少額短期保険会社」とは?

「少額短期保険会社」の最大の特徴となるのは、年間補償額が1,000万円までとなっている点です。

そのため、少額短期保険会社が販売している商品は、必然的に「少額」の補償と、契約期間が2年以下と「短期間」の契約であることが特徴となりますが、「少額」で「短期間」である分、保険料も安く提供されるのが少額短期保険会社の特徴でもあり、メリットであるとも言えます。

ペット保険には少額短期保険会社が増加してきていますが、犬の治療費は人間の治療費と異なり、1,000万円以上を必要としていない事や、毎月の保険料をできるだけ安く収めたいという傾向にあります。

こうした点においても、ペット保険は少額短期保険に向いていると言えるでしょう。

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「損害保険会社」とは?

「損害保険会社」の最大の特徴となるのは、最低資本金が10億円以上を必要としているなど、許認可の難しさにあります。(少額短期保険会社の資本金は1,000万円以上)

保険会社は審査や資格要件をクリアしなければ始めることが出来ませんが、損害保険会社は少額短期保険会社よりも、より厳しい審査基準が求められ、資本金から見てもある程度の会社規模が求められるものとなります。

こうして厳しい基準が求められる反面、損害保険会社は「損害保険契約者保護機構」への加入が認められるため、最大のメリットとなる「万が一の経営破綻」にも備えることが可能となるのです。これにより、保険を掛ける際にはお金よりも安心を買う為であるので、保険事態の性質を経営破綻によって損なわれる事はありません。

保険契約者を守る「損害保険契約者保護機構」とは?


損害保険会社のみが加入できる「損害保険契約者保護機構」。損害保険会社の最大の特徴は資本金と説明しましたが、実際には両保険会社の最大の違いは「契約者保護機構」の有無であるとも言えます。

「損害保険契約者保護機構」とは、万が一保険会社が経営破綻してしまった場合、契約者保護機構が一時的に契約者を保護、保険金や返還金を補償するためのものです。

実際には他の保険会社が契約者を受け入れるといった流れになると考えられるため、一時的に保護機構が契約者を保護する形となります。ただし、契約会社が移行する際には、元の契約条件とは異なるものとなります。

一方、少額短期保険会社にはこうした補償がされていないため、万が一の経営破綻の際には、契約者へも影響が及んでしまいます。

少額短期保険会社は「供託金」で補償

国の決まりとして少額短期保険会社は資本金等とは別に1,000万円以上の「供託金」と呼ばれる資産を預けなければならず、万が一、経営破綻してしまった場合には、この供託金が契約者へと返還されていく形となります。

これにより、契約者保護機構よりも安心感は薄れてしまいますが、全くお金が帰ってこないという事態にはならないようになっているのです。

契約者保護機構のメリットは、単に保険金が返還されるのではなく、保険契約事態は活かすことができるため、お金の面だけでなく契約事態も保護されるのが最大の安心感と言えるでしょう。ただし、損害保険会社はこうした大きな安心感がある反面、保険料は少額短期保険会社よりも高くなってしまうというのもポイントになってきます。

両保険会社を比較

数多くのペット保険会社が登場していますが、損害保険会社と少額短期保険会社には下記のような保険会社に分けられます。

【損害保険会社】
・アニコム損害保険株式会社
・アイペット損害保険株式会社
・アクサ損害保険株式会社
・au損害保険株式会社

【少額短期保険会社】
・ペッツベスト少額短期保険株式会社
・株式会社FPC
・ペットメディカルサポート株式会社
・イーペット少額短期保険株式会社
・SBIいきいき少額短期保険株式会社
・日本ペットプラス少額短期保険株式会社(旧:ガーデン少額短期保険株式会社)
・日本アニマル倶楽部株式会社
・イオン少額短期保険株式会社
・ペット&ファミリー少額短期保険株式会社
・もっとぎゅっと少額短期保険株式会社
・ペッツファースト少額短期保険株式会社

※(2018/04/17現在)

損害保険会社はやはり、会社規模も大きいために名前の知れているペット保険会社であることがわかります。

前述の通り、ペットの治療費は人間のような高額治療が発生することも稀です。全く無いとは言い切れませんが、高くとも100万円ほどというのが一般的ではあるでしょう。

補償金額に余裕があるのは安心ですが、その分保険料が高くなることを考えれば、多くは10万円〜30万円といった治療費であることを考えると、あまり多くの補償金額でなくとも良いのかも知れません。

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プロ目線から見たおすすめは?


ペット保険の多くは年齢とともに保険料も上がっていくため、1年毎の更新が基本となります。ペット保険の中には、1〜2歳の頃の保険料は安くとも、7〜8歳を迎える頃には保険料も高くなるという保険会社も少なくありません。

同じペット保険を掛け続けるのも良いですが、場合によっては保険会社を切り替えることを検討したほうが良いでしょう。一つの保険会社にこだわる必要はありません。

損害保険会社である安心感は大きなものですが、保険料を考えていくと、少額短期保険でも十分な安心を得られるため、ペット保険に関しては最低限の補償内容でも、無理のない保険料で続けられる事を優先していくと良いでしょう。全てとは言いませんが、おすすめとなるのは少額短期保険かも知れませんね。

まとめ

ペット保険も日本で誕生してからは、まだまだ歴史も浅いもの。これからは更に様々なペット保険が誕生したり、様々なプランも登場してくることでしょう。

人間の保険と同じように、ペット保険も毎年のように内容やサービスも進化していっています。一度ペット保険に掛けたからと行って安心すること無く、定期的にペット保険の情報を収集しておくことをおすすめします。

ペットが病気や怪我に苦しんでも、最善の治療法をしっかりと施すことができるよう、ペット保険に加入することは大事なことです。とはいえ、毎月(または毎年)、生活に負担がかかるほどの保険料では、安心を長続きさせることも難しいでしょう。それよりも、保険料が手軽で、少しでも安心を掛けられるペット保険に加入するようにしましょう。

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