日本だけでなく、海外でも人気の日本犬「柴犬」。柴犬は一見すると丈夫そうなイメージもある犬種ですが、実は皮膚疾患に注意が必要な犬種でもあります。中でもアレルギー性皮膚炎の割合は多く、食事の管理や皮膚管理をしっかりと行う必要がある犬種でもあります。そこで今回は、柴犬の飼育ポイントと、ペット保険について解説していきたいと思います。

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柴犬の特徴について


柴犬は外で飼われているイメージや、体も強いイメージも無くはないですが、最近では家庭犬の一種としてのイメージのほうが強いかもしれませんね。そんな柴犬が気をつけておきたい病気が、皮膚の疾患です。

柴犬は「アトピー性皮膚炎」や「アレルギー性皮膚炎」など、皮膚のトラブルが多いと言われる犬種の一つです。やんちゃそうなイメージもあるので、骨折などに気をつける必要がありそうですが、意外にも繊細な皮膚を持っているのですね。そのため、食事の管理や飼育環境の管理はしっかりと行わなくてはなりません。

では具体的に、柴犬がペット保険を利用している内容について、ペット保険の「アニコム損保」が公開している「家庭どうぶつ白書2017」のデータに基づいて解説していきたいと思います。

柴犬の年間診療費はどのくらい?

家庭どうぶつ白書2017のデータによると、柴犬の年間診療費の平均額は67,240円という結果に。調べによる20犬種の中では5番目に低い年間診療費でした。ちなみに最も多かったのがキャバリア・キングチャールズ・スパニエルの113,528円、最も低かったのが混血種の50,383円という結果でした。

このように、柴犬は年間診療費もさほど高くなく安心かと思いがちかもしれませんが、柴犬が診療費を請求した内訳を見てみると、突出して「皮膚疾患」による請求が多く、その割合も32.6%にも及ぶものとなりました。

次いで多かったのが「耳の疾患」の15.3%、「消化器疾患」の12.1%、「眼の疾患」の8%、「泌尿器疾患」の6.8%と続きます。

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柴犬が注意すべき「皮膚疾患」

全犬種の皮膚疾患に対する請求割合の平均は25%弱ほどであるのに対し、柴犬の「皮膚疾患」に対する請求割合の32.6%というのは、非常に高い数字である事がわかります。

そして、「皮膚疾患」の中でも「アレルギー性皮膚炎」による請求割合も、全犬種におけるアレルギー性皮膚炎の平均値より、全年齢に置いて高い数値であることがわかりました。

例えば、0歳の時点では柴犬のアレルギー性皮膚炎の請求割合が約3%ほどの割合なのに対し、全犬種の平均値は1.5%ほど、4歳の時点では柴犬が8%を超える割合なのに対し、全犬種平均は3.5%強ほどの割合でした。

8歳〜は常に8%の割合を超える数値になりますが、全犬種平均では3.5%〜4%あたりの数値になっているなど、常に倍近い割合でアレルギー性皮膚炎の請求が発生していることがわかります。

柴犬はアレルギー性皮膚炎が多い?


上記のような結果から、柴犬が気をつけるべき疾患は「皮膚疾患」であり、柴犬10頭中の3頭近くが皮膚疾患に悩まされているという結果がわかりました。

ペット保険を選ぶ際には補償内容のバランスが大切になりますが、皮膚疾患における治療の多くは「通院」による治療が殆どを締めており、手術が必要となる皮膚疾患は稀と言って良いでしょう。

また、ペット保険に関しても、アニコム調べによると保険金支払いのうち、通院の割合は約90%という調べも出ています。柴犬に限らず、全犬種の請求割合でも皮膚疾患は25%程度という数値も出ていますので、通院治療の割合が90%というのも納得がいきます。

近年は食物アレルギーをもつ犬も増加しているので、柴犬もまた、同じようにアレルギーに苦しめられる犬種のひとつなのかもしれません。

通院治療がメインとなりそうな柴犬

柴犬が通院治療がメインとなる皮膚疾患が多いことはわかりましたが、その他にも多かった「耳の疾患」も通院治療が多い疾患かもしれません。内訳はわかりませんが、外耳炎などが特に多く見られる耳の疾患ですが、外耳炎も通院治療が基本となるでしょう。

もちろん、症状の具合によっても違いはありますし、重度である場合は手術が必要となる事もあります。そして、3番目に多く請求があげられる「消化器疾患」に関しては「鼠径ヘルニア」や「胃腸炎」などの病気が挙げられますが、消化器疾患に関しては手術が絡む病気も多いかもしれません。

消化器疾患は全体の12%ほど、耳の疾患は15%ほど、皮膚疾患は32.6%という数字から考えてみると、通院治療がメインとなる確率としてはすでに50%近い数字とも考えられるので、ペット保険では通院補償をメインとして考えたほうが良さそうです。

柴犬はフルカバー補償がおすすめ

ペット保険にも色々なプランがあり、「通院・入院・手術」とフルカバー補償のプランもあれば、「通院のみ」「手術のみ」といった、補償内容を限定したプランが販売されています。

補償内容を限定したプランのメリットは、1点集中で補償をかけられ、さらにフルカバー補償のプランよりも保険料が安いという事が挙げられます。その反対に、フルカバー補償のプランは、すべての病気や怪我に対して保証をつけることが出来ますが、保険料はやや高めとなる点がデメリットと言えるでしょう。

柴犬のように「通院治療」が多い事が予想される犬種は「通院のみ」のプランがオススメと言いたいところですが、万が一の事も考え、手術補償は外さないほうが良いでしょう。通院治療は比較的、治療費もそこまで高いことがありませんが、手術が必要な治療になると、軽く10万円を超えてしまうことが多いので、念の為フルカバー補償のペット保険を選んだほうが良いかと思います。

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プロ目線からみた柴犬のペット保険について


柴犬は通院補償が必須とも言える犬種ですが、保険を選ぶ際には「1日の金額制限」や「年間の利用回数」に制限があるペット保険は避けたほうが安心かもしれません。

ペット保険の半分程度は、こうした制限を設けているペット保険が多いのですが、柴犬のように皮膚疾患が多い犬種ですと、場合によっては治療が長引く場合や、再発する可能性も否めません。

特にアレルギー性皮膚炎ですと、症状の完治ももちろんですが、食生活や環境による要因も関係しているため、再発の可能性も高いと言えます。つまり、皮膚疾患は皮膚疾患は非常に時間がかかる疾患でもあるため、こまめに診察や治療を行えるのが理想的と言えるのです。

そのため、年間20回までといったように、年間の保険利用回数に制限がかけられていると、思うようにペット保険を利用できない場合も出てくるかもしれません。

特にこうした回数制限を設けていないペット保険もありますので、十分に検討してから加入したほうが良いでしょう。

まとめ

柴犬は「皮膚疾患」や「耳の疾患」が多い犬種であるため、ペット保険の補償内容で重視しておきたいのは「通院補償」であることがわかりました。また、実際に保険を利用する際にも皮膚疾患など、比較的時間のかかるような疾患が多いことが予想されるため、支払い回数制限や、1日の支払限度額が設定されていないペット保険を選ぶのがオススメとなります。

必ず病気になるかどうかはわかりませんが、万が一の時にペット保険は大きな力になるものです。また、実際にペット保険を利用する時以外にも、ペット保険会社はそれぞれ色々なサービスも展開されています。こうしたサービスもしっかりと利用するようにし、病気にならないよう、事前にしっかりとしたケアを行えるようにしましょう。

ペット保険も大事ですが、最も大事なのは愛犬の健康です。病気にならないような健康づくりをしていれば、ペット保険を利用する頻度も減っていくことでしょう。

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