猫のヘルニアにも色々な種類があり、また、その要因にも先天的な要因である場合や、外傷などの後天的な要因である場合があります。ヘルニアも重度になると手術が必要になる場合がほとんどですが、そこで気になるのがペット保険で補償されるかどうかということです。そこで今回は、ヘルニアの種類と、ペット保険の補償範囲について解説していきたいと思います。

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様々な猫の「ヘルニア」

「ヘルニア」とは、簡単に説明すると内蔵などが外に飛び出してしまう「脱腸」のような状態になる疾患のことです。そして、ヘルニアにもいくつかの種類があり、ヘルニアが発生する患部によってヘルニアの名称・種類が異なるものとなります。

また、ヘルニアを引き起こしてしまう要因もそれぞれです。生まれつきヘルニアの症状を持っている場合もあれば、外傷や強い衝撃を受けることでヘルニアを発症してしまう場合もありますので、ヘルニアを事前に予防するのは難しいのです。

手術が必要な状態になってしまうと、治療費も10万円前後ほど掛かってしまうのが一般的です。高額な治療費ではないにしろ、突然10万円の治療費が発生してしまうのは、飼い主さんとしても大変なところです。

ペット保険の範囲とは?


そこで頼りにしたいのがペット保険です。ペット保険はこうした万が一の疾患による治療費も、契約したプラン内容によって保証してもらえるものですので、10万円の治療費が発生しても、自己負担分を大きく軽減することもできるでしょう。

ただし、ペット保険で注意しなければいけないのが「先天的」な要因による疾患の場合です。ペット保険は基本的に、契約した以降の怪我や疾患に対して補償されるものであり、契約前に発症していた病気に対しては補償されることはありません。

また、契約以降に発症した疾患が先天的な要因である場合に関しても、補償の対象とはならないのが一般的となっています。

そのため、前述の通りヘルニアにも先天的な要因で発症するケースがありますので、ヘルニアの手術を行っても補償の対象とならないヘルニアも存在するのです。では具体的に、ヘルニアの症状と保証の範囲かどうかについて解説していきたいと思います。

椎間板ヘルニアは補償の対象になる?

猫の椎間板ヘルニアは背骨と背骨の間にクッション材のようにある「繊維質」と呼ばれる組織が損傷してしまい、直ぐ側を通る脊髄や神経を圧迫してしまう疾患です。首から腰まで伸びる背骨ですので、特に腰だけではなく、首にも椎間板ヘルニアが発生する可能性はあります。

この椎間板ヘルニアを発症するとあるき方がおかしくなるほか、場合によっては下半身不随を引き起こしてしまう可能性もあります。その要因となるのが、猫が肥満になってしまうことや、患部に強い衝撃や圧力が加わったことによる後発的な要因です。

椎間板ヘルニアに関してはペット保険でも補償の対象となりますが、一部のペット保険では椎間板ヘルニアが補償の対象外となりますので、必ずしもペット保険で補償されるとは思わないほうが良いでしょう。

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会陰ヘルニアは補償の対象になる?

会陰ヘルニアは、高齢の「オス猫」に多く見られるヘルニアで、肛門の筋力が低下しているために腸や膀胱などが飛び出してしまうヘルニアです。ただし、「去勢手術」を行っているオス猫の割合は5%ほど。会陰ヘルニアは95%ほどの割合で、去勢していないオス猫が発症するヘルニアと言われています。

会陰ヘルニアに関しては多くのペット保険でも補償の対象となりますが、先天的な原因で会陰ヘルニアを引き起こしている場合には、補償の対象外となるケースもあるでしょう。

ペット保険の「ペッツベスト」であれば、先天的な疾患も補償の対象となりますが、新規加入の際に「7歳以上」「未去勢」である場合、新規加入することが出来ても、会陰ヘルニアは補償の対象にはなりませんので、注意が必要です。

鼠径ヘルニアは補償の対象になる?


鼠径ヘルニアは、猫の後ろ脚の付け根部分(鼠径部)から、内臓が押し出されてしまうヘルニアです。状態が酷くなると小腸や子宮・膀胱なども飛び出してくる恐れがありますので危険です。

鼠径ヘルニアを引き起こす要因には先天的な場合と、鼠径部などに強い衝撃を受けてしまった後天的な要因があります。状態が軽度であれば経過観察で済みますが、症状が悪化してくると手術を行わなければいけません。

鼠径ヘルニアの手術に関してはペット保険で補償されますが、あくまでも後天的な要因で鼠径ヘルニアを発症した場合に限られます。残念ながら先天的な要因である場合には、補償の対象外となりますので、先天的な場合でも補償されるペッツベストが、先天的要因の鼠径ヘルニアに唯一対応しているペット保険となります。

食道裂孔ヘルニアは補償の対象になる?

猫の横隔膜には「食道裂孔」と呼ばれる、血管や食堂を通すための穴が横隔膜にはあいています。通常であればこの穴は胃が飛び出すほどの大きさではないのですが、先天的に穴が大きかった場合には、この大きくあいた穴から胃が飛び出してしまい、食道炎などの症状を引き起こしてしまうのが食道裂孔ヘルニアとなります。

また、外傷を受けることでも食道裂孔ヘルニアを発症してしまう場合があり、状態によっては外科手術を必要とします。

食道裂孔ヘルニアはペット保険の補償対象となる疾患ですが、後天的な理由が原因となって食道裂孔ヘルニアを発症している場合に限られます。先天的な理由である場合は補償の対象外となりますので注意が必要しなければいけません。

臍ヘルニアは補償の対象になる?

臍ヘルニアは「へその緒」が繋がっていた、へその穴となる「腹壁」がしっかりと閉じず、脂肪や腸が外に飛び出してしまう疾患です。主に生後半年すぎの猫に多く見られ、生後1年も経てば自然と塞がっていくのが普通です。

いわゆるデベソが、この臍ヘルニアですが、症状も軽度であれば、指で押し込むことでもとに戻り、穴となる部分も自然と塞がっていく場合が多いため、多くは要観察となります。しかし、状態が悪ければ外科手術を行う必要があります。

臍ヘルニアに関しては先天的な要因で発症している場合がほとんどですので、ペット保険の補償対象となることはありません。多くのペット保険会社でも臍ヘルニアに関しては、加入時点で補償の対象外と明記しているのが一般的となっています。

プロ目線から見た猫のヘルニアと保険


以上のように、ペット保険でも補償できるヘルニア・補償出来ないヘルニアが別れます。また、意外と盲点となるのが、ペット保険の年間利用回数や金額制限です。

仮にヘルニアを発症して軽症である場合、通院による治療がメインとなります。そのため、通院回数に制限があったりすると、一つの疾患ですぐに補償回数の制限を迎えてしまいます。

年に何度も病気を起こす可能性は高いわけではありませんが、回数制限や金額制限が設定されていると、思うように保険を利用できないケースも出てくるかもしれません。

猫の病気もヘルニアだけではありませんが、猫がペット保険を利用するケースは通院補償が多いですので、こうしたポイントについても重点を置くようにしましょう。

まとめ

ヘルニアにもいろいろな種類があり、またペット保険に関してもすべてのヘルニアが補償の対象ではないということがわかりました。

ヘルニアと聞くと、椎間板ヘルニアが最も知られるヘルニアですが、こうして飼い主さんが色々なヘルニアについて理解しておくことも、ヘルニアの予防や早期発見に繋がる行動の一つとなります。

また、ペット保険に関しても先天的なヘルニアである場合、多くのペット保険が補償の対象外となりますが、ペッツベストに関しては先天的な疾患に対しても補償が効くなど、ペット保険も一律のルールではないということもわかりましたね。

飼い主さんにとって不必要な補償であったり、逆に欲しい補償を明確にし、愛猫に最適なペット保険を選べるよう、ネームバリューだけではなく色々なペット保険を検討してみるようにしましょう。

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