日本では常に人気犬種ランキングに入る「ミニチュア・ダックスフンド」。ミニチュア・ダックスフンドの人気が出てからすでに数十年以上も経ちますが、今もその人気が衰えることはありませんね。
そんなミニチュア・ダックスフンドですが、胴長短足の可愛らしい容姿による影響からか、「椎間板ヘルニア」を発症しやすい犬種としても知られます。そこで今回は、ヘルニアを発症しやすいダックスフンドに最適なペット保険について調べてみたいと思います。
椎間板ヘルニアとは?
椎間板ヘルニアはミニチュア・ダックスフンドだけではなく、プードルやペキニーズといった犬種にも多く見られる疾患の一つでもありますが、すべての犬種にも発症するリスクはあります。その原因となるのが「加齢」によるものや「肥満」、激しい「運動」によるもの。
背骨と背骨の間には「椎間板」と呼ばれる軟骨があるのですが、この椎間板が何かしらの強い衝撃を受けたり、肥満や老化によって椎間板が変形してしまったことで、背骨にある神経や脊椎を圧迫し始めてしまう事で痛みを生じてしまうのです。
ペット保険会社の中でもシェアNo.1を誇る保険会社「アニコム損害保険株式会社」の調査によると、「カニーンヘン・ダックスフンド」を例に取ると8歳からの発症が最も多いというデータが出ており、次いで9歳、6歳と続きます。また、メスよりもオスのほうが発症しやすいこともデータから判明しています。
およそ1割が筋骨格系疾患に?
家庭どうぶつ白書では「ミニチュア・ダックスフンド」と「カニーンヘン・ダックスフンド」を分けてデーター収集していますので、それに習って分けて解説していきたいと思います。
確かにダックスフンド系は椎間板ヘルニアを発症しやすい犬種ではありますが、実のところ家庭どうぶつ白書の調査結果によると、「ミニチュア・ダックスフンド」が最も多く保険を利用した理由(病気)では「皮膚疾患(21.9%)」が挙げられます。
近年は食物アレルギーを持つ犬も多いせいか、皮膚疾患が最も多く病院を利用したという数字が出ており、次いで「消化器疾患(13.8%)」「耳の疾患(13.8%)」が同率、そして椎間板ヘルニアや骨折、股関節形成不全などが該当する「筋骨格系疾患(10.7%)」と続きます。
一方、「カニーンヘン・ダックスフンド」でも「皮膚疾患(20.4%)」「消化器疾患(13.5%)」「耳の疾患(12.2%)」「筋骨格系疾患(10.7%)」と続きます。
いずれも10%程が筋骨格系疾患が原因で、ペット保険を利用しているのがわかります。この数値の中には椎間板ヘルニア以外にも、骨折等も含まれるので、詳細な病名や数値は見えませんが、ダックスフンド系のおよそ1割は筋骨格系疾患の病気になりやすいという事が言えるのではないでしょうか。
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椎間板ヘルニアの治療費は平均幾らくらい?
椎間板ヘルニアを発症してしまった場合、平均でどのくらいの治療費が発生してくるのでしょうか。
動物病院によっても治療費は変わっては来るものの、椎間板ヘルニアの治療費としてはおおよそ20万円〜50万円位が平均となっています。治療費としては決して安いものとは言えないです。
また、椎間板ヘルニアは症状の進行具合によっても治療費が変わってきます。症状が重篤になってしまうと後ろ足は完全に麻痺してしまい、歩くことができなくなってしまいますので、治療費以外にもケアするための費用が発生してくるでしょう。
椎間板ヘルニアを発症してしまった場合には手術が必要となりますが、手術以外にも入院費用や通院費用が発生してきます。そのため、合計すると治療費も上記に挙げたような金額が発生してしまうのです。
基本は「通院・入院・手術」の揃った補償
椎間板ヘルニアはほとんどの保険会社が補償範囲としている病気です。ですが、補償内容によっては椎間板ヘルニアに適さない保険やプランもありますので、注意が必要です。
椎間板ヘルニアをピンポイントで考えるのであれば、手術が必要になる上に、通院や入院も必要となってくるため、手術だけに特化したような保険では不十分といえるでしょう。ですので、保険を選択する上で基本となるのは「通院・入院・手術」の補償を受けられる保険がおすすめとなります。
また、椎間板ヘルニアの症状が軽度である場合、手術ではなく内科治療が施される場合もあります。この場合、約1ヶ月間の投薬治療が基本となります。ポイントとして重要なのは、手術の補償割合よりも通院補償の補償日数や、年間の補償限度額・補償限度日数にも注目しておきましょう。
金額や日数制限なしの保険も
年間補償額には50万円のものや、100万円を超えるものもありますが、それぞれ限度日数が決まっていたり、「1日」の補償額上限が5,000円までと決められているものもあります。また、中には定められた金額まで治療費がいかなければ、補償の対象外となるものですので、念の為確認しておくことをおすすめします。
こうした条件だけで見ていくと、「アクサダイレクト」「ペッツベスト」「日本ペットプラス」は、1日の上限金額、上限日数、手術の上限回数もなく、通院・入院・手術までをカバーでき、保険料も高くはない保険もありますので安心です。
ただし、年間の最高補償額に関しては50万円までとなっているため、椎間板ヘルニアの状態によってははみ出してしまう場合もあるでしょう。また、椎間板ヘルニア以外にも病気を引き起こしてしまった場合には、50万円を越えて補償されることはありませんので、自己負担となってしまいます。
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プロ目線から見たミニチュア・ダックス向けの保険
ペット保険大手の「アニコム」のふぁみりぃ50%プランでは、1日の通院補償金額が10,000円(年間限度日数20日)、入院も同じ条件で、手術に関しては1回10万円(年2回まで)という内容。
アニコムは損害保険会社という安心感はありますが、本記事でも触れたダックスの筋骨格系疾患の割合を考えてみると、少額短期保険でも十分にカバーできる数字かも知れません。
あくまでもこれは椎間板ヘルニアを対象とした考えとなりますが、年間50万円までという縛りはあるものの、上限金額や上限日数に限定はなく、保険料も2000円近い差が発生するケースもありますので、保険料の負担を考えてみると少額短期保険でも十分かもしれませんね。
また、「車椅子の補償」に最大10万円まで補償される「PS保険」もおすすめです。PS保険の場合は年間110万円までの補償が受けられるので、重度の症状である場合には、非常にありがたい保険となるでしょう。
まとめ
ミニチュア・ダックスフンドが必ず椎間板ヘルニアになるとも限りませんし、椎間板ヘルニア以外の病気になってしまう可能性や、全く病気にならない可能性もあります。
ペット保険は万が一の際に備えるという事がポイントとなりますので、飼い主さんに負担なく備えられるかが大事なのです。椎間板ヘルニアに関しては通院・入院・手術と全てに備える必要がありますが、年間100万の補償が必要かどうかというと、微妙なところです。
ミニチュア・ダックスフンドにオススメとなる保険については、無理のない保険料で安心を得るのであれば「アクサダイレクト」「ペッツベスト」「日本ペットプラス」がおすすめ。重度の椎間板ヘルニアのケースに備えるのであれば、車椅子補償も付いている「PS保険」がオススメではないでしょうか。
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