犬人気の一時代を築いたと言っても良い人気犬種「チワワ」。今もなおファンの多い犬種の一つですが、チワワは「てんかん」に気をつけたい犬種の一つでもあるんです。そこで今回は、チワワが気をつけるべき病気と、チワワに適したペット保険の選び方について解説していきたいと思います。
チワワの平均診療費
アニコム損保が毎年公開している保険請求のデータ情報「家庭どうぶつ白書2017」のデータによると、チワワの年間診療費の平均金額は60,194円という金額でした。
20犬種で比較されたこのデータでは、最も年間診療費平均が高かったのが「キャバリア・キングチャールズ・スパニエル」の113,528円、最も年間診療費平均が低かったのが「混血犬」の50,383円という結果に。
チワワに関しては下から4番目に低い年間診療費平均というデータで、20犬種平均の年間診療費よりも低いと言うことがわかりました。しかし、このデータはあくまでも平均値。
キャバリア・キングチャールズ・スパニエルのアニコム加入頭数は約6,700頭ほどですが、チワワに関しては約79,000頭と10倍以上の頭数ですので、一概に同等と言えるわけではありません。
チワワに多く見られた病気とは?
では具体的に、チワワが保険請求した疾患の平均について見てみましょう。
年間でチワワが最も多く請求した疾患は「皮膚疾患」の14.9%、次いで「消化器疾患」の13.5%、「耳の疾患」の10.6%、「循環器疾患」の10.5%、「眼の疾患」の9.2%と続きます。
皮膚疾患に関しては多くの犬種も悩まされている疾患の一つでもあり、犬全体の平均が2.4%程と高い割合になっていますが、チワワは15%程度。全体的にチワワにおける疾患は、犬全体の平均よりも割合が低い結果が見られましたが、ほぼ唯一と言ってよいのが「循環器疾患」で、チワワは10%程度なのに対し、犬平均では5%程度と平均よりも倍以上の請求割合だったことがわかりました。
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チワワは「てんかん」に注意!
また、特筆してあげられていたのが神経疾患のひとつでもある「てんかん」です。
0歳の時点ではまだ平均値よりも少しだけ高い程度ですが、5歳を迎える頃にはぐっと割合も上がり、犬全体の割合が1.5%程度なのに対してチワワは2.3%程度の数値に。
さらに9歳頃になると犬全体の割合が2%弱なのに対してチワワは3%に迫る数値に、12歳には犬全体の割合が2%ほどの割合なのに対し、チワワは3.5%もの数値になっています。
この結果から、チワワ全体の5%以下とはいえ、てんかんに対しては他の犬種の約倍の割合で推移しているため、注意しなければいけない病気であることがわかります。
また、同じく平均よりも割合の多かった「循環器疾患」に加え、チワワの中でも特に割合の多かった「皮膚疾患」が、チワワが最も警戒するべき疾患であると言えるでしょう。
「てんかん」の症状について
「てんかん」という病気は人間でも起きる病気なのでご存知のかたも多いかと思いますが、犬も同様にてんかん発作と呼ばれる病気は存在します。
てんかんには「強直発作」と「間代発作」と呼ばれる発作の種類が存在します。発作が起きている時には犬に意識はなく、飼い主さんも驚いてしまうと思いますが、発作が収まるとケロッとして元通りの状態に戻ります。
てんかんは一度収まるとしばらく起きなかったりもしますが、てんかんの症状が24時間以内に2回以上起きるようであれば要注意と言えます。なお、1度でもてんかんの症状が起きたのであれば、可能であれば起きた時間や状況、てんかん発作の起きていた秒数、てんかん発作が起きている時の様子をメモしておきましょう。
てんかんの治療費はどのくらい?
てんかん発作が起きたのであれば念の為動物病院で診察を受けたほうが安心でしょう。てんかんと言っても様々な要因が考えられ、対処法も様々です。場合によっては「抗てんかん薬」が処方されるかもしれません。
てんかんの治療費に関しては、検査項目などにもよりますが5,000円〜15,000円ほどの場合もあれば、MRIを使った検査になると10万円前後ほどの治療費が発生する場合もあります。あくまでもこれは検査に関しての費用です。
治療に関しては通院治療となり、状態にもよりますが1ヶ月に1度ほどの通院治療(検査)で、通院治療に関わる治療費は5,000円前後ほどとなるでしょう。
てんかんの症状や状態によっても変わってきますので一概には言えませんが、てんかんはすぐに完治させられる病気ではなく、多くは長く付き合っていかなければならない病気です。
チワワは手術も通院も必要
このようにチワワに多く見られる病気である「てんかん」は、場合によっては高額な検査料、合わせて長い通院治療が必要となる病気です。またてんかん以外にも、チワワに多く見られた「皮膚疾患」も、基本は通院治療となり、症状によっては同じように長い期間を要する場合もあります。
一方、平均よりも多い結果となった「循環器疾患」には「僧帽弁閉鎖不全症」や「心筋症」「心不全」など、大病の病名が挙げられます。これらの病気は別の病気が要因となり併発する場合もあれば、それ単体で発症する場合もある病気です。
共通して言えることは治療費としては高額になる場合も多く、手術が必要になるケースが多いと言えるでしょう。あくまでも症状によりますが、結果として手術が必要になることが多いかもしれません。
保険料よりもフルカバー補償のプランが大事
このようにしてチワワに起きる病気を見ていくと、「通院治療」が必要な病気や「手術」が必要な病気など、的を絞りにくい事が挙げられます。こうした病気に備えるため、ペット保険に加入しておくことをオススメしますが、チワワに関しては通院にも、手術にも対応した「フルカバー補償」のペット保険がおすすめです。
「手術のみ」「通院のみ」といったように、補償範囲を限定的にして保険料をぐっと安くした保険もありますが、チワワに関してはあまりおすすめとは言えません。理由は前述の通り、通院治療も手術も必要になるケースが多いと言うことが挙げられます。
チワワ事態は保険料の請求割合も高いというデータではありませんでしたが、中身を見てみると油断は決してできないなというのが印象です。万が一のために備えるペット保険ですので、少々高くともフルカバー補償でなければメリットがあまり感じられないかもしれません。
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プロ目線から見たチワワの保険の選び方
ペット保険には様々な会社、様々なプランがあります。その多くは50%補償や70%補償といったように、治療費に対しての支払割合が異なるプランがほとんどですが、チワワに関しては全体的に見ても請求割合が低いということが特徴として挙げられましたので、保険料次第では50%割合の安いプランでも問題ないかもしれません。
ただし、フルカバー補償という点は必須と言えます。皮膚疾患に関しては全ての犬種に共通している、気をつけなければならない疾患ですので通院補償は必須とも言えるのですが、循環器疾患に関しては特に注意しておきたいものとなります。
ですので、どちらかと言えば手術に対しての補償を中心に、また確率的に高い通院に対しての補償をプラスαとして考えてみると良いでしょう。
まとめ
チワワは小さな体で華奢な体つきですので、骨折などにも注意が必要と思われがちですが、こうしてデータで見てみるとてんかんや循環器疾患の方が特に注意が必要だということがわかりました。
循環器疾患には怖い病気も多いので、手術補償だけでもペット保険に加入しておくことをオススメしたいですが、近年ではフルカバー補償のプランでも十分に安いペット保険も多いです。
様々なペット保険と見比べてみて、より飼い主さんのスタンス似合いそうなペット保険を選ぶようにしましょう。また、初めからあまり無理をせず、毎月・毎年しっかりと続けていけそうなペット保険がおすすめです。
内容が良いペット保険は年齢を重ねるごとに保険料も高くなりがちですので、1〜2年の予定ではなく、高齢になる7歳以降の保険料にも意識して保険を選ぶようにしましょう。
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