ネットでも人気の「カナガン」と、ドッグフードメーカーの中でも特に有名な「アイムス(IAMS)」。どちらも同じドッグフードですが、消費者としてはどっちがよいドッグフードなの?と疑問を抱いてしまいますよね?
そこで今回は「カナガン チキン」と「アイムス 成犬用 小型犬用 チキン小粒」の成分値や品質内容を徹底比較してみたいと思います。
カナガンとアイムスの販売価格を比較
カナガンとアイムスのドッグフードを比較するに当たり、まずは販売価格について見てみましょう。
ただし、ドッグフードは原材料や中身の成分によって価格も変わってきますが、値段が高いからと言って良いフードであるとは限りません。また、犬によって良いフードである、合わないフードであると言ったように、犬によっても良し悪しが変わってきますので、一概に価格だけで判断することは難しいです。
カナガン チキン2kg:3,960円(税抜)
アイムス 成犬用 小型犬用 チキン小粒 2.3kg:1,505円(税抜)
アイムスに関してはアマゾンなどでも価格の差がありますが、今回は最も高い価格を参考価格として取り上げました。
カナガンに関しては100gあたり198円、アイムスに関しては100gあたり65円ほどと、販売価格に関しては約3倍の差となりました。
カナガンとアイムスの給餌量を比較
上記のように、カナガンとアイムスでは100gあたりの価格差が3倍近いという結果になりましたが、給餌量についてはどうでしょうか。例として「4kgの成犬」という設定で見てみましょう。
アイムスに関しては1日あたり約70g。対してカナガンは3kgで35g〜80g、5kgで75g〜120gという目安になっていますので、4kgの成犬であれば55g〜100gといったところでしょう。
カナガンは給餌量に大きな幅がありますが、年齢や活動量などによって給餌量を調節していきましょうという考えですので、正確な給餌量比較に関しては難しいところです。
仮に70gで計算すると、カナガンは1日あたり約139円。アイムスは1日あたり約45円ほどとなります。
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動物性タンパク質が半分以上のカナガン
価格差では3倍近い差になったカナガンとアイムスですが、原材料についてもやはり差がつく内容と言えるでしょう。
【カナガン チキン 原材料】
骨抜きチキン生肉26%、乾燥チキン25%、サツマイモ、エンドウ豆、ジャガイモ、エンドウタンパク、アルファルファ、鶏脂3.1%、乾燥全卵3.1%、チキングレイビー1.6%、サーモンオイル1.2%、ミネラル(硫酸第一鉄水和物、硫酸亜鉛一水和物、硫酸マンガン一水和物、硫酸銅(II)五水和物、無水ヨウ素酸カルシウム、亜セレン酸ナトリウム)、ビタミン(ビタミンA 16,250IU/kg、ビタミンD3 2,400IU/kg、ビタミンE 240IU/kg)、グルコサミン1000mg/kg、メチルスルフォニルメタン(MSM)1000mg/kg、リンゴ、ニンジン、ホウレンソウ、オオバコ、海藻、フラクトオリゴ糖、コンドロイチン700mg/kg、カモミール、セイヨウハッカ、マリーゴールド、クランベリー、アニスの実、コロハ
【アイムス 成犬用 小型犬用 チキン小粒 原材料】
肉類(チキンミール、家禽ミール)、とうもろこし、小麦、動物性油脂、乾燥ビートパルプ、家禽エキス、植物性タンパク、フラクトオリゴ糖、乾燥卵、STPP (トリポリリン酸塩)、ひまわり油、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、D3、E、コリン、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸)、
ミネラル類(亜鉛、カリウム、クロライド、セレン、銅、ナトリウム、マンガン、ヨウ素)、酸化防止剤(BHA、BHT、クエン酸)
まず注目したいのが第一主原料です。カナガンは「骨抜きチキン生肉26%」なのに対し、アイムスは「肉類(チキンミール、家禽ミール)」と、主原料は動物性蛋白質であるチキンではありますが「ミール類」であることが気になるところ。
カナガンのように「チキン生肉」ではなく、ミール類はいわばミンチのような状態である肉ですので、栄養素のない部位の肉も使われている可能性が高いです。
次いでカナガンは「乾燥チキン」が25%、アイムスに関しては消化にはあまり良くない「とうもろこし」が2番目の主原料に使用されています。このあたりの差も価格差に反映されているところでしょう。
カナガンとアイムスの成分を比較
カナガンとアイムスの成分を比較してみましょう。
カナガンのタンパク質量は33%と高タンパク質なドッグフードとなっていますが、アイムスは24%というタンパク質量となっていますので、一般的な成犬用として与えやすいと言えるタンパク質量となっています。一方、カナガンは高蛋白ですので、老犬にとっては少々高蛋白過ぎる印象も。
また、脂質に関してもカナガンは17%なのに対し、アイムスは15.5%。極端な差ではありませんが、カナガンのほうが高脂質のドッグフードですので、カナガンを与えるのであれば運動量の多い成犬が一番最適かもしれません。
給餌量に関しては前述の通り、ある程度コントロールしなければ肥満気味の犬は更に肥満体質になってしまうでしょう。
カナガンとアイムスのカロリーを比較
カナガンとアイムスの1日の摂取カロリーに関しては、カナガンが100gあたり361kcal、アイムスが377kcalとなっています。アイムスのほうがタンパク質量や脂質は低いものの、高カロリーなドッグフードとなっています。
カナガンはフードの成分の第一、第二主原料を肉類が締めており、その割合も51%ほどと半分以上を動物性蛋白質で占めていますが、アイムスに関しては割合こそわからないものの、第2主原料のとうもろこしや小麦など穀物類が占めている内容となっております。
穀物類は腹持ちが良い分、消化するのにも時間がかかり、胃腸への負担も少なからず高いと言えます。とはいえ、カナガンも特に低いカロリーというわけではありませんので、愛犬の体調や年齢を考慮しながら与える必要はあります。
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アイムスは酸化防止剤でマイナス点
アイムスで最もネックになるのは酸化防止剤で使われる「BHA」「BHT」を利用している点です。これらの酸化防止剤は発がん性も疑われる合成添加物ですので、近年では利用しているドッグフードもかなり少なくなってきていますが、残念ながらアイムスには使われています。
摂取量に関しては問題のない量の配合ではあると思いますが、問題はないとは言え、できれば摂取させたいとは思わないのが飼い主としての気持ちではないでしょうか。コスト的にも合成添加物を使用しなければ高くなりますので、コスト重視のドッグフードと見られても仕方のないところではあります。
フード自体の内容に関してもさほど良い評価というわけではありませんが、この添加物の利用というポイントが大きく評価を下げる要因になっているとも言えます。
プロ目線から見たフードの比較
カナガンは「グレインフリー」のドッグフードですので、穀物類を含まない、犬にとっては比較的消化のしやすいドッグフードになっています。一方、アイムスは穀物を多く使っているドッグフードですので、穀物アレルギーを持つ犬はもちろん、消化の弱い犬にはあまりおすすめとは言えません。
アイムスは食物繊維である「ビートパルプ」や「フラクトオリゴ糖」を原材料に取り入れ、消化を助ける働きを期待していますが、ビートパルプも品質によっては微妙と言える原材料ですので、あまり食物繊維としての期待はできないでしょう。
カナガンの原材料に利用されている食物繊維は自然由来の原材料で占められていますので、消化の問題に関しては特に問題はありませんが、これまで穀物類が多めのドッグフードを与えていた場合には、犬の体も穀物を消化することに慣れてしまっており、カナガンのような肉の含有率が多いドッグフードを与えると、胃腸が消化に追いつけずに軟便になる可能性も。
まとめ
今回はカナガンとアイムスのドッグフードを比較してみましたが、価格差もあることから、カナガンの方が全体的に良質なドッグフードと言える結果になりました。
カナガンの特徴としては、やはり犬本来が必要とする「動物性蛋白質」を多く含み、合成添加物や微妙な原材料を使用していないという点が好印象。反面、アイムスに関してはこれらと真逆といえる内容となっており、長く与え続けることに不安を覚えてしまう内容となっています。
コストの低いドッグフードは、動物性油脂の脂の吹付け(旨味成分として)などで食いつきを上げている反面、コストの高いドッグフードは原材料で勝負しているという点も挙げられます。
カナガンとアイムスの比較に関しては、カナガンの方が圧倒的に良質なドッグフードであると言えるでしょう。
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