近年のペットブームに伴い、ペット保険も急激に増えてきましたが、そもそもペット保険は必要なのでしょうか。ペット保険は、何を補償して、何が補償されないのでしょうか。今回は、愛犬の万が一の時に備えておきたい、犬の保険について考えてみましょう。

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ペット保険とは

ペット保険とは、家庭で飼育されているペットが、ケガや病気などを患って動物病院で治療を行った際に、その治療費の一部を保険会社に負担してもらうサービスで、飼い主さんの経済的負担を軽減することを目的とした保険商品のことを言います。

人間の場合は、健康保険が適用されるため、医療負担は3割で済みますが、ペットの場合は100%が自己負担になります。また、動物病院での医療は「自由診療」となりますので、その動物病院ごとに診察料金が異なります。
また、近年では、獣医療の発展もめざましく、人間並みの医療が受けられるようになりましたが、高度な医療にはそれなりの治療費がかかります。CTやMRI検査で数万円かかったり、一度の手術で数十万円かかることも珍しくありません。

愛犬が具合を悪くした時、病院には連れて行きたいけど、「どれだけの治療費がかかるだろう・・」という金銭的な不安のせいで、なかなか愛犬を病院に連れて行くことができない飼い主さんのために、備えておきたいのがペット保険です。
ペット保険に加入していると、治療費を保険会社に一部または全額負担してもらえるので経済的負担を緩和します。そのため、「治療費が高くて、愛犬に医療サービスを受けさせてあげられない!」という不安も解消されるでしょう。

ペット保険の種類

ペット保険には、「定率補償型」と「実費補償型」の2つの補償タイプがあります。

【定率補償型】
動物病院でかかった治療費に対して、一定の比率を補償するもので、契約時にその補償する比率を選ぶことができます。今あるペット保険では、この定率補償型を扱っているところが多く、一般的には治療費の50~70%を補償してくれるタイプがあり、比率が高いほど保険料は高くなります。

例えば、治療費が1万円だった場合、70%プランの保険であれば、7000円の補償が受けられるので、飼い主さんの負担金額は3000円になります。

また、治療費に関係なく一定の割合の金額を保険会社が負担してくれるので、高額な治療を受けるほど、保険会社の負担が大きくなります。そのため、支払額に上限が定められているところが多いようです。

【実費補償型】
契約した時の補償限度額の範囲内であれば、かかった治療費の全額が補償されます。
例えば、治療費が1万円だった場合、補償限度額が1万円であれば全額補償となりますので、飼い主さんの負担額は0円となります。
補償限度額を高く設定すれば動物病院での支払いは少なくて済みますが、毎月支払う保険料は高くなります。

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ペット保険の補償内容

一般的な補償内容は、愛犬がケガや病気で通院した際の医療費が対象となる「通院保険金」、入院にかかった際の医療費が対象となる「入院保険金」、手術を受けた際の医療費が対象となる「手術保険金」を補償してもらえる保険が多いです。

中には、「手術保険金」だけ補償してもらえる保険料が安い保険や、愛犬が亡くなった時に葬儀や埋葬代として「葬祭保険金」まで補償してくれる保険もあります。

また、愛犬が他の人や動物に噛み付いてケガをさせてしまったり、物を壊してしまった時など、法律上の損害賠償が生じた場合に補償される、「賠償責任特約」というものもあります。

保険の免責とは

保険に加入しているからと言っても、全ての医療サービスに対して支払いされるわけではありません。保険商品には、「免責」というものがあり、これは損害が発生しても、保険会社が保険金の支払い責任を負わないことを言います。要は、補償対象外ということですね。

例えば、愛犬の妊娠や出産、去勢や避妊手術は病気とは見なされませんので補償対象外となります。そして、混合ワクチンや狂犬病の予防接種など、また、これらの予防接種をしなかったために、予防できるはずの病気を発症した場合も補償されません。他にも、飼い主さんによる故意または過失で生じたケガや病気も同様です。

健康診断も補償対象外ですが、健康診断を行った結果、どこかしら治療をしなければいけないところが見つかった場合は、免責事項以外であれば、その治療に関しては補償されます。

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意外な落とし穴「免責金額」

保険商品の中には、「免責金額」を設定しているものもあり、これは損害が発生した場合、被保険者は免責金額までの金額は自己負担になるというものです。
例えば、免責金額を2万円で設定されている場合、実際に治療費が25000円かかった時に補償してもらえる金額は5000円となりますが、治療費が2万円以内だった場合は1円も支払われないため、全額自己負担となります。

「保険料の割に補償限度額が高いから良い!」と思っても、実はこの免責金額が高めで設定されているところもあるのです。一般的には、動物病院へ行って治療を受ける場合、治療内容にもよりますが、だいたい1~2万円未満を支払うことが多いと思いますので、普段は病院でその保険を使うことがないという飼い主さんもいるのではないでしょうか。しかし、高額な手術を受ける場合は便利な保険なので、保険に加入する時はしっかり補償内容をチェックしましょう。

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