猫の種類には様々な特徴や性質、気をつけなければいけない事などがあり、猫を飼う上では猫の種別に特徴を理解することが必要になります。今回は猫種の一つ「ペルシャ」について、飼っている方もこれから飼いたいと思っている方もチェックしてみましょう。

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ペルシャとは

ペルシャは、「猫界の王様」とも呼ばれており、それは、見た目の豪華さなどではなく、実際に多くの猫との交配に使用され、沢山の猫がペルシャの血を受け継いでおり、猫の歴史にとって大きな影響を与えたと言えます。

「猫界の王様」のペルシャですが、フワフワの厚い被毛に覆われ、足は短く、平べったく愛嬌のある顔。種敏な動きは不得意で、ちょっと鈍臭いところもあります。
こんなギャップがあるところが、ペルシャの根強い人気の秘訣なのでしょうね。

ペルシャのルーツ

ペルシャのルーツは定かではありませんが、16世紀にイタリア人によってペルシア(今のイラン)からイタリアへ持ち込まれたペルシアの猫と、ターキッシュアンゴラを交配させて作られたのが、ペルシャの祖先であると考えられています。
18世紀には上流階級の人々に愛玩動物として可愛がられ、1871年にイギリスで開催されたキャットショーでは、「ブラック」「ブルー」「ホワイト」のペルシャが160頭も出陳したと言われています。

その後、20世紀に入ると、ヨーロッパでは犬の「短吻種ブーム」という、鼻が短い犬が流行し、鼻ペチャ犬の「ペキニーズ」を真似て短吻化したものを、「peke-face(ペキフェイス、ピークフェイス)」と呼び、瞬く間に人気となりました。これは猫も例外ではなく、鼻を短くすることを目的とした交配が行われたのですが、短吻化したことで、涙管の変形や鼻腔狭窄など、様々な健康を損なう面も出てきたと言われています。

ペルシャの性格

大人しく、穏和な性格のペルシャは、家中を機敏に走り回ることよりも、椅子の上でじっと座ってる方を好みます。また、ワガママも言うこともなければ、滅多に鳴くこともありません。あまりに静か過ぎて、居るのか居ないのか分からない事もありますので、居るのに気付かず、間違って外へ閉め出したりしないように気を付けましょう。

ペルシャは、おっとりのんびりマイペースな性格です。激しい遊びや、過度のスキンシップはあまり得意ではなく、ストレスになることもあるため、気性の荒い動物や小さな子供と接するときは注意して見てあげましょう。

ペルシャの被毛

ペルシャは、長くて柔らかい「ダブルコート」の被毛で覆われており、換毛期があるため、かなりの抜け毛があります。また、毛が細く、毛玉にもなりやすいという事と、顔がへこんでいるため、自分で毛繕いすることが苦手な事もあるため、1日1回のブラッシングは必須です。

被毛の手入れを放置すると、毛球症(毛繕いの際に、飲み込んだ自分の体毛が消化器官内に留まり、吐くことも排便することもできなくなる状態)になったり、皮膚病の原因にもなります。

ペルシャの被毛のカラーは、「ブラック」「ホワイト」「チョコレート」「レッド」「ブルー」「チンチラシルバー」「チンチラゴールデン」などがあります。

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チンチラって別品種?

「チンチラ」はペルシャと別の品種だと思われる方も多いかもしれませんが、実は、チンチラとはペルシャの毛色のことで、別の品種ではないのです。
ペルシャの中のシェーデッドカラーの内、「ゴールド」または「シルバー」の毛色で、青か緑の目を持つものは、「チンチラペルシャ」と言います。

以前にアメリカの猫血統登録団体である「CFA」に申請したこともありましたが、ペルシャとチンチラを分けるのは毛色以外何もないということから、CFAはこれを見送ったようです。

ペルシャがかかりやすい病気

【肥大型心筋症】
心臓の筋肉が内側へ向かって厚くなり、心室が狭くなってしまうことで、全身に十分な血液を送ることができなくなる病気です。そのため、体はバランスを取るために心拍数や血圧を上げるようになります。

初期の症状は、すぐに疲れてしまったり、じっとしていることが増えたり、少しの運動でも息切れするなど、猫の老化と間違われることが多いため、なかなか初期の発見は難しいと言われています。そして進行すると、肺水腫や胸水を引き起こしたり、血管や心臓の中で血液が固まる血栓症になり、最悪の場合死に至る恐ろしい病気です。

【多発性嚢胞腎】
腎臓に嚢胞(液体を含んだ袋状のもの)が幾つもできて、腎臓の機能が低下するという病気で、進行すると慢性腎不全を引き起こし、死に至ることもあります。
ペルシャは遺伝的にこの病気にかかりやすいと言われており、親のどちらかが発症していれば、50%の確立で発症し、治療法もないと言われています。

この病気の症状は、食欲が無くなったり、体重が減ってきたり、水を飲む量が増えたり、血尿といった症状がみられます。ペルシャは普段から大人しい性格なので、気付きにくいこともあるかもしれませんが、小さな事でも何か変わったことがあれば、獣医さんに診てもらいましょう。

ペルシャと暮らすために

ペルシャはフワフワの毛が密集しているので、一見太っているように見えますが、実際に触ってみると、意外にあばらや背骨が出ていて、ガリガリに痩せている・・・なんてこともあります。逆に毛が多いがゆえ、肥満にも気付かないものです。
愛猫の体のチェックは、見た目で判断せず、被毛の下の体自体をチェックすることが大事です。

そして、ペルシャのように鼻が短い「短吻種」の猫は、体の構造上、元々スムーズに呼吸がしづらい体質でもあり、さらに暑熱環境で悪化するため、熱中症に気を付けなければいけません。また、短吻種の猫は、飛行機での輸送を断られることがありますので、飛行機を利用する際は、予め航空会社に確認しましょう。

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