猫が発症する「黄色脂肪症」という病気をご存知でしょうか?青魚を摂取しすぎると不飽和脂肪酸の過剰摂取による病気を引き起こす事となります。黄色脂肪症にならないために、まずは魚の摂取の仕方を考え、バランスの良い食事を摂ることが大事になります。
魚の食べ過ぎに注意!
猫は魚が大好き!というイメージが強いと思いますが、実はこの魚、場合によっては猫の病気を引き起こす要因にもなりかねない食材でもあるのです。といっても、あくまでも過剰に摂取した場合や、極端に栄養バランスが傾いている場合ではありますが、魚ばかり食べていても健康にはなれないというのが正解ではあります。
人間でも贅沢な食事ばかりを摂っていると贅沢病とも呼ばれる痛風を発症してしまいますが、猫の場合には痛風とまではいきませんが、「黄色脂肪症(おうしょくしぼうしょう)」と呼ばれる病気を引き起こしてしまいます。では具体的に、魚をどのように摂取すると黄色脂肪症を発症してしまうかを見てみましょう。
「黄色脂肪症」の症状とは?
黄色脂肪症の原因を知る前に、まずは黄色脂肪症の症状について知っていきましょう。黄色脂肪症は別名「イエローファット」とも呼ばれる病気で、脂肪が酸化を起こし、炎症してしまう病気です。主な症状としてはしこりが発生し、しこり部分が腫れ上がってしまいます。これは皮下脂肪の部分が酸化し、炎症を起こしてしまうためです。
しこりが発生するのは皮下脂肪の部分で、皮下脂肪に出来たしこりは炎症を起こしているために傷みを伴います。そのため、歩き方が不自然になったり、患部の部分に触れられるのを嫌がるようになります。この他、食欲の低下や元気の消失といった症状も見られ始めるようになります。
生命を脅かす病気では無いものの、栄養バランスが崩れることで他の病気を併発してしまう恐れもあるため、単体の病気としてはすぐに処置できるとはいえ、注意が必要な病気でもあります。
黄色脂肪症を引き起こす原因とは?
イエローファットとも呼ばれるこの黄色脂肪症。原因には「不飽和脂肪酸」の過剰摂取が関係しています。不飽和脂肪酸と言えば、DHAやEPAなど、体に良いイメージがあるもので、主に青魚などに多く含まれていると言うことは有名ですよね。猫の体にとっても不飽和脂肪酸は体に良いものではあるのですが、過剰摂取となると話は別です。
どんな食材や成分に関しても同じことはいえますが、ひとつの種類を過剰に摂取するというのは良いことではありません。人間の体も、猫の体も、様々なビタミンや栄養はパズルのピースのように繋がっているもので、一つが増えてしまうとたちまちに体の栄養バランスは崩れてしまいます。
黄色脂肪症はまさにこうした状態になるわけですが、不飽和脂肪酸を摂取しすぎると体内には「過酸化物質」と呼ばれる脂肪の壊死を引き起こす物質が合成されます。この過酸化物質が炎症を引き起こす要因となりますが、過酸化物質とバランスを取る必要があるのが抗酸化作用のある「ビタミンE」の存在です。
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抗酸化剤「ビタミンE」を摂取
黄色脂肪症を予防するためにはビタミンEを摂取する必要がありますが、実はこのビタミンE、もしかすると今食べているキャットフードにすでに配合されている物でもあるのです。というのも、キャットフードの酸化を防止するために「酸化防止剤」としてビタミンE(トコフェロール)が配合されている事が増えているためです。
一昔前であれば、酸化防止剤と言えば合成添加物が使用されていました。しかし、こうした合成添加物は発がん性のリスクやアレルギーを引き起こす事が問題視されており、最近では自然由来の酸化防止剤としてビタミンEが使用されることが多くなっているためです。
そのため、キャットフードの種類によっては特に意識することはなくビタミンEを摂取している可能性もあるのです。一度、キャットフードのパッケージに記載されている原材料表記を確認してみましょう。こうした理由のため、近年では黄色脂肪症という病気は非常に珍しいものとなってきており、仮に黄色脂肪症を発症しても別の要因で発症している場合が多いようです。
まとめ
このビタミンEを摂取することで、愛猫が不飽和脂肪酸を接種した場合も体内で酸化を防ぎ、過酸化物質の合成を阻止する働きをします。前項のとおり、黄色脂肪症を予防するにはビタミンEの摂取が重要で、極端な不飽和脂肪酸の摂取は避けることが大事ではありますが、基本的にはキャットフードを与えてさえいれば、過剰になることも欠乏することも無いでしょう。
猫にとって魚は好物でもあり、優れた栄養バランスの宝庫でもあります。極端な魚の摂取は避けるようにし、常に栄養バランスに気を使った食事を与えるようにしましょう。
※内容は2017年3月時点での情報になります。原材料、商品名等の内容は変更している場合があります。
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