一見すると、非常にワイルドな見た目をしている「オシキャット」。スポット模様が美しいワイルドな猫ですが、中身は甘えん坊の人間大好きな猫。そして、芸をこなすほどに頭が良い猫としても知られるオシキャットの、誕生の秘話と特徴について見てみましょう。

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ワイルドな見た目とは裏腹な性格の持ち主

とてもワイルドな容姿をしている「オシキャット」。当然、性格もワイルドかと思いきや、非常に人懐こい品種の猫で、さらに芸達者な一面もあるという、ワイルドさと人懐こさを兼ね備えた、非常に人との関わりを大切にする猫種です。

ワイルドな容姿をしている猫と言えば「ベンガル」が代表的な猫ですが、ベンガルの特徴でもある「スポット模様」をオシキャットも持つために、一見するとベンガルに流れるヤマネコの血がオシキャットにも流れている?と思いますが、オシキャットにはヤマネコの血は流れておらず、「アビシニアン」と「シャム」、そして「アメリカン・ショートヘアー」の血が流れる猫なのです。

そんな容姿と中身のギャップが激しいオシキャットが、どのようにして誕生したのかを見てみましょう。

オシキャットの誕生


オシキャットの誕生は、1964年のアメリカに遡ります。ミシガン州在住の猫ブリーダー、ヴァージニア・ダリー氏の手によって作出されました。当初、ダリー氏の狙いはアビシニアンの特徴を持ったシャムの作出で、「シャム(チョコレートポイント)」と「アビシニアン☓シャム(シールポイント)」の2頭を交配させました。

その結果、非常に美しいスポットを持つアビシニアンに似た猫が誕生することになりました。その後、この誕生した猫達を交配させることでダリー氏の求めていた、アビシニアンの模様を持つシャムが誕生し、さらにはスポットを持つ猫も誕生することとなりました。このスポットを持つ猫こそが、オシキャットの原型となる猫でした。

このスポットを持つ猫は「トンガ」と名付けられましたが、ダリー氏の娘には「オシキャット」と呼ばれました。
その理由には、トンガが「オセロット(Ocelot)」と言うスポットを持つネコ科の動物に似ていたためと、意図としない猫が交配によって生まれた際に呼んでいた「アクシキャット」にも当てはまっていたため、言葉をもじって「オシキャット」とよんでいたのでした。この呼名が後に、新品種の猫の名になるとは思いもしなかったでしょうね。

オシキャットの確立へ

トンガはその後、去勢手術を行った後にペットとして販売されました。しかし、トンガの親猫達はその後も、トンガと同じくスポットを持つ猫を生み続けたことで、ここで初めて新品種を作出・確立させるために動き出すこととなったのです。

この時点でグリー氏のみならず、他のブリーダーもトンガの親と同様に交配を行い、更には体型をがっしりとさせるために「アメリカン・ショートヘア」を交配させることで、現在のオシキャットの形となりました。

1965年には「CFAショー」に出陳、翌年の1966年にはCFAに新品種として登録されることとなります。現在ではアメリカン・ショートヘアとシャムの交配は禁止されていますが、オシキャットはこのような交配で誕生した猫であり、その野性的な容姿とは思えない「アビシニアン」「シャム」「アメリカン・ショートヘア」の3種の血を引く猫なのです。

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オシキャットの特徴

オシキャットの最大の特徴でもある「ワイルドな容姿」と肩を並べて挙げられる特徴が「人懐こい」「頭が非常に良い」という点です。人懐こいと言っても、それはまた相当なもので、まるで犬のように特定の相手に対してベッタリとする傾向が見受けられ、また、家族に対しても懐きやすく、人との関わりを非常に好む猫であることで知られます。

そして、ここもまた犬と比較される「頭の良さ」ですが、遊ぶことはもちろん、犬が得意とするキャッチ&リリースといった遊びや、お座りといったような芸をもこなす頭の良さを持ち合わせています。

このように人の事が大好きな猫である反面、退屈になることが嫌な性格をしているので、一緒に遊ぶことが好きな飼い主や、家族の中でも遊ぶことが多いような家庭での飼育が向いているかもしれません。こんなところも、普段はツンデレと言われる猫とはまた違った一面があるため、オシキャットの魅力の一つとして挙げられるでしょう。

オシキャットとベンガルの違い


前述の通り、オシキャットと容姿が似ているベンガルですが、ベンガルと違い、オシキャットにはヤマネコの血は含まれません。大きな相違点となるのが、ベンガルはヤマネコの血を引く野性味の強い猫であり、オシキャットは完全に人の手によって作られた猫であるという点です。

性格に関しても、ベンガルは野性味あふれる性格ですが、オシキャットは甘えん坊も多く、人に対してもフレンドリーな性格の子が多いという違いがあります。ベンガルが全くなつかないわけではありませんが、ベンガルの方がツンデレな子が多いといった印象でしょうか。

一方、オシキャットは寂しがりやで甘えん坊。イエネコの血が多いことから、見た目のワイルドさとはうってかわり、非常に可愛らしい性格の猫なのです。

オシキャットと似たスポット柄を持つエジプシャンマウ


猫種の中でも、独特なスポット柄を持つ猫はオシキャットと、ベンガルとエジプシャンマウの3種のみとなっています。ヒョウ柄のような柄が好きな方であれば、要チェックの3種です。

それぞれ美しいスポットを持つ猫種ですが、自然発生的にスポットが入った猫はエジプシャンマウだけです。ベンガルとオシキャットに関しては、交配によるかけあわせでスポットが入ったため、人工的にスポット柄が入れられています。

同じスポット柄でも、種によってはそれぞれ違ったスポットとなるため、似てはいますが血は同じではないのです。また、性格に関してもそれぞれ違った性格を持ちますので、スポットが入ると一見、ワイルドな印象を受けますが、実はそんなにワイルドではなかったりもします。

オシキャットの大きさはどのくらい?

オシキャットは中型の猫で、大きさは、体重がおおよそ3kg〜6kgほど、平均すると4kg前後のオシキャットが多いようです。日本国内で飼育される猫の多くは小型の猫種が多いので、オシキャットは比較的大きめの猫種になるでしょう。

また、体格もガッチリとしており、筋肉質なセミフォーリンタイプとなっています。メインクーンのような大きさではないものの、非常にがっしりとした体をしているので、家にいると存在感も大きいです。

そのため、キャットタワー等を選ぶ際には、できるだけ作りがしっかりとした、大きめのキャットタワーを選ぶことをオススメします。多くは小型の猫が使う想定で作られているものが多いので、安定感を重視したような、しっかりとした作りのものを選ぶようにしましょう。

オシキャットの気をつけたい病気

オシキャットは手入れがしやすく、ブラッシングも抜け毛を除去するだけのイメージでも美しい被毛を維持することは可能です。そのため、皮膚炎などのトラブルにはなりにくい品種かもしれません。

しかし、猫の中でも大型種まではいかないものの、オスで7kgほどと比較的大きな体をしている品種ではありますので、栄養管理は十分に行うようにしましょう。また、前述の通り、寂しがりやな一面がありますので、留守番が多かったり、刺激の少ない毎日を送っているとストレスも抱えやすいです。

キャットタワーを置いてあげたり、一緒に遊ぶ時間を増やすなどしてストレスの解消に努めましょう。運動不足の解消にもなりますし、様々な病気の要因にもなりかねないストレスの解消にも繋がります。

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オシキャットは猫アレルギーでも飼える?


人にも色々なアレルギーがありますが、猫が大好きでも「猫アレルギー」を持っている方も少なくありません。そんな方にも飼えるかもしれないのが、オシキャットなのです。

必ず飼えるというわけではありませんが、オシキャットは「ハイポアレジェニックキャット」と呼ばれ、猫アレルギーが出にくい猫として知られます。猫アレルギーを引き起こす要因があるのですが、オシキャットにはその成分が少ないと言うことが挙げられます。

オシキャットをはじめ、ベンガルやロシアンブルーといった他の猫種も、猫アレルギーを持つ方が飼える可能性がある猫種ですが、いずれの猫種も「糖タンパク質(Fel D1」と呼ばれる成分が少ないため、猫アレルギーの方でも飼える可能性があると考えられています。しかし、実際に飼う際には、医師などと十分に話し合う必要はあります。

オシキャットのブリーダー

オシキャットを迎え入れる際には、ブリーダーからの直販で探すことになるでしょう。というのも、オシキャットは比較的珍しい猫種であるため、ペットショップなどで販売されている機会もほぼないのです。

また、オシキャットをブリーディングしているブリーダーに関しても少なく、選択肢はそれほど多いとは言えません。

オシキャットの価格に関しては、おおよそ15万円前後ほどからとなっています。高い子ですと、30万円前後で取引されることもあるようです。ペットショップでタイミングよく出会えても、探している方も多いことから、すぐに売約になることでしょう。ブリーダーから迎え入れる際には、おおよそ10万円ほどから販売されることもあるようですが、時期やタイミングによっても変動するでしょう。

まとめ

ベンガルのようにワイルドな容姿を持ちながらも、犬のような性格をした、とてもフレンドリーなオシキャット。
世界的にも人気の品種でもあり、日本でも見かけることも増えてきたように思います。オシキャットを家族に迎え入れる際には、十分に遊んであげられる環境を整え、寂しい思いをしないように注意してくださいね!

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