猫も人間と同様に「認知症」という病気がありますが、猫の脳や神経が関係が関係している病気です。猫の老齢化が進んでいる近年では、この認知症の猫も多く見られるようになりました。今回は猫の「認知症」について考えてみましょう。
老化による認知症
近年では、猫の長寿化が進み、昔に比べると長生きをする猫が増えてきたのではないでしょうか。一昔前の猫と言えば、外に放し飼いで飼育されてる子が多かったと思いますが、今は家の中で家族同然として共に暮らす子が増えたため、それに伴い、愛猫の体調の変化にも気付きやすくなったとも考えられます。
しかし、猫の平均寿命が延びた一方で、愛猫の老化に対する対策も必要になってきたのも事実です。猫も人間と同様、高齢化が進んだことで認知症の猫が増えてきています。認知症になると、初めのうちはゆっくり進行しますが、飼育環境の変化や病気など、何らかが原因となって急激に悪化することもあります。
それでは、どうして認知症になるのか、どんな症状が現れるのか、認知症の対策などはないのか、愛猫の認知症について考えていきましょう。
認知症の原因
認知症とは、愛猫の老化に伴い、脳の神経細胞の減少や自律神経が機能しなくなることが原因で、愛猫の感情が乏しくなったり、運動能力が低下して、今まで学習したことを忘れたり、家族とのコミュニケーションが取れなくなってしまう状態のことを言います。
また、脳梗塞や脳出血などの脳の病気が原因であったり、精神的ストレスが原因で、脳内における酸化物質が蓄積し、認知症を発症するということもあります。
一般的に、個体にもよりますが、11~13歳くらいから認知症を発症することが多い傾向にあります。
認知症の症状とその対策
認知症は、昼夜が逆転して、昼間に寝て、夜に起きて活動することが多くなり、夜中に意味もなく大声で鳴いたり、家の中を徘徊して家具に挟まって出られなくなる等の症状があります。
愛猫が昼夜逆転しているなら、なるべく昼間に体を動かしてあげることです。昼間はこまめに声を掛けて寝かせないようにしたり、おもちゃを使って一緒に遊んであげるなどして、体内時計を正常に戻してあげましょう。
また、今まで学習したことができなくなったり、飼い主さんの顔を認識できなかったり、名前を呼んでもボーッとして無反応になることもあります。さらには、感情のコントロールがうまくできなくなり、喜怒哀楽が激しくなって、極端に甘えてきたかと思えば、急に攻撃的になることもあります。
これは、愛猫の傍に寄り添い、日頃から名前を呼んであげるなど、優しく声を掛けてスキンシップを取ってあげることが大切です。また、老猫になると体の柔軟性が無くなり、後ろ足や肛門付近など、体を曲げないと届かないような場所の毛繕いが出来なくなってきますので、飼い主さんの方でグルーミングをしてあげることも必要になります。グルーミングは、猫にとって飼い主さんとのスキンシップにも繋がり、脳に刺激を与えることにより、認知症の症状が起こりにくくなります。
認知症は、放って置くとどんどん進行が進み、残念ながら今の医学でも治すことが難しいのですが、症状を軽くしたり、遅らせることはある程度可能であると言われていますので、諦めないで積極的に愛猫とスキンシップを取っていきましょう。
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認知症の症状の予防
認知症の予防に効果があるのは、脳に刺激を与えることが大切です。いつもと同じおもちゃではなく、たまに違ったおもちゃを取り入れたり、いつもの遊びにちょっとした工夫を加えるなどすると、愛猫の好奇心や探究心が刺激されて効果的です。
また、毎日の食事にカボチャやほうれん草、ニンジンやリンゴ、小松菜やブルーベリーなど、抗酸化栄養素を含んだ食事を取り入れたり、EPAやDHAなどのサプリメントを与えることも認知症を予防したり、症状を軽減する役割があると言われています。
認知症は、飼い主さんが仕事などで忙しくて、愛猫とのコミュニケーションが少なかったり、普段の生活が単調な子がなりやすいとも言われているため、普段から愛猫に話しかけたり、沢山スキンシップを取ってあげることで、愛猫にとって脳に刺激が与えられ、認知症予防にもなるでしょう。
さいごに
認知症は、医学が発達した現代でも治すことが不可能であると言われている病気です。しかし、早期発見であればある程、進行を遅らせたり軽減することができ、老化を迎えても普段と変わらない生活を送ることができることもあります。先述したような症状が現れた時は、早急に獣医の先生に診察してもらうことが大切です。
「うちの子は、まだまだ若いから大丈夫!」
そう言う飼い主さんもいると思います。
しかし、若い子では7歳くらいから認知症を発症する子もいるのです。また、初めのうちはゆっくり症状が進行するため、発見が遅れてしまうことも多いようです。
今現在、愛猫が認知症ではないという飼い主さんも、認知症に対する予備知識を頭に入れておくことで、今後愛猫が認知症を発症してしまった場合でも適切な対応ができるでしょう。
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