「モグワン」は動物性タンパク源を50%以上配合した、食いつきの良さに定評のあるドッグフード。対して「ナウフレッシュ」は新鮮さと動物性タンパク源にこだわったドッグフードですが、どちらの方がより優れたドッグフードと言えるのでしょうか。
そこで今回は「モグワンドッグフード」と「ナウフレッシュ」の成分値や品質内容を徹底比較してみたいと思います。
モグワン ドッグフードの特徴について
「モグワン」は食いつきの良さを特徴としたドッグフードで、ヒューマングレードの原材料、50%以上の動物性タンパク源を使用、グレインフリーを特徴としたドッグフードです。
犬は本来であれば動物性タンパク源を多く必要とする動物で、穀物類はそこまで必要とはしていない動物と考えられています。もちろん、穀物からも炭水化物を始めとした栄養を摂取することは可能ですが、消化がしにくいという点や、近年増加傾向にある穀物アレルギーの問題を考えると、穀物は犬にとってそこまで必要ではないと考えられます。
そのため、近年ではグレインフリー(穀物不使用)のドッグフードも数多く登場してきており、モグワンもその中の一つとなっています。
モグワンの原材料
モグワンに使用される、犬が消化吸収のしやすい動物性タンパク源には、「チキン生肉」が主原料として20%含まれ、「生サーモン」が11%含まれます。生の原材料は素材そのものの新鮮さはもちろん、栄養価にも優れていますので、できる限り生の原材料が望まれます。
【モグワン ドッグフード 原材料】
チキン&サーモン53%(チキン生肉20%、生サーモン11%、乾燥チキン11%、乾燥サーモン7%、チキングレイビー2%、サーモンオイル2%)、サツマイモ、エンドウ豆、レンズ豆、ひよこ豆、ビール酵母、アルファルファ、ミネラル類(硫酸第一鉄水和物、硫酸亜鉛一水和物、硫酸マンガン一水和物、硫酸銅(Ⅱ)五水和物、無水ヨウ素酸カルシウム、亜セレン酸ナトリウム)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE)、ココナッツオイル、バナナ、りんご、海藻、クランベリー、カボチャ、カモミール、マリーゴールド、セイヨウタンポポ、トマト、ジンジャー、アスパラガス、パパイヤ、グルコサミン、メチルスルフォニルメタン(MSM)、コンドロイチン、乳酸菌
生の原材料以外には、「乾燥チキン」「乾燥サーモン」などが配合され、植物成分として野菜や果物、ハーブ類がふんだんに配合されています。
モグワンの原材料は比較的シンプルな構成となっており、自宅でも揃えられそうな素材で構成されます。グレインフリーのドッグフードですので、穀物は一切ふくまれず、犬の体への健康リスクが懸念される合成添加物も一切使用されておりません。
ナウフレッシュの特徴について
「ナウフレッシュ(now FRESH)」はカナダ原産のドッグフードで、新鮮な食材にこだわり抜いたドッグフードとして知られます。日本で販売される海外産のドッグフードの中でも上位ランクに位置するドッグフードでもありますね。
ナウフレッシュのこだわりである新鮮食材ですが、ドッグフードに使用されている動物性タンパク源は全て「生」の原材料が使用されています。新鮮な生肉は旨味や栄養素も豊富。多くのドッグフードでは乾燥させた肉を使用することが多いですが、生肉を使用しているというドッグフードはまだまだ少ないです。
さらに、ナウフレッシュの新鮮な素材を活かすためのドッグフードの製造方法も「SCSB製法(Slow Cooked in Small Batches)」と呼ばれる製法が取り入れられております。
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SCSB製法とは?
SCSB製法は素材の品質を損ねないように、少量の原材料を約90℃の低温でじっくりと焼き上げる製法で、新鮮な動物性タンパク源の栄養素を熱でできるだけ破壊しないように作られます。
一般的なドッグフードは「エクストルーダー製法」と呼ばれる製法で製造されていますが、エクストルーダー製法は約115℃〜160℃の高温で高熱を加え、さらに加圧が加えられることで成型されるメジャーな製法です。SCSB製法とは違い、一気にドッグフードの形へと製造されるエクストルーダー製法の最大のメリットとなるのがコスト面でしょう。
エクストルーダー製法は大量生産に向いている製造方法であり、スピードも早いのでコスト減に繋がる製法ですので、多くのドッグフードでも取り入れられている製造方法なのですが、高熱や高圧が加えられるために素材の栄養素や旨味も破壊されてしまいます。
それに対してSCSB製法は低温で焼き上げられるので栄養素の破壊も少なく、素材の旨味も可能な限り残されている製造方法ですが、製造するまでの時間がかかるのがデメリットとなりますので、コスト的にも高くなってしまいます。
犬の健康を考えるとSCSB製法の方がより最適な製造方法ではありますが、現実的な問題を考えるとやはりエクストルーダー製法を取り入れているフードメーカーが多いというのが現状です。
ナウフレッシュの原材料
ナウフレッシュはSCSB製法でじっくりと焼き上げられる高品質なドッグフードですが、原材料に関しても生の動物性タンパク源以外にも高品質な原材料が使用されています。今回はモグワンとの比較として、ナウフレッシュの「グレインフリー アダルト」を比較対象として取り上げてみたいと思います。
【ナウフレッシュ グレインフリー アダルト 原材料】
ターキー生肉、ポテト粉、エンドウ豆、リンゴ、乾燥全卵、エンドウ豆繊維、トマト、ポテト、フラックスシード、キャノラ油(ミックストコフェロールで酸化防止)、天然香料(チキン由来)、サーモン生肉、ダック生肉、アルファルファ、ココナツ油(ミックストコフェロールで酸化防止)、ニンジン、カボチャ、バナナ、ブルーベリー、クランベリー、ラズベリー、ブラックベリー、パパイヤ、パインアップル、グレープフルーツ、レンズ豆、ブロッコリー、ホウレン草、カッテージチーズ、アルファルファスプラウト、乾燥チコリ根、乾燥ローズマリー、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、レシチン、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ビタミン類(ビタミンEサプリメント、L-アスコルビン酸-2-ポリリン酸塩(ビタミンC源)、ナイアシン、イノシトール、ビタミンAサプリメント、硝酸チアミン、d-パントテン酸カルシウム、塩酸ピリドキシン、リボフラビン、β-カロテン、ビタミンD3サプリメント、葉酸、ビオチン、ビタミンB12サプリメント)、ミネラル類(タンパク質キレート亜鉛、硫酸第一鉄、酸化亜鉛、タンパク質キレート鉄、硫酸銅、タンパク質キレート銅、タンパク質キレートマンガン、酸化マンガン、ヨウ素酸カルシウム、セレン酵母)、タウリン、DL-メチオニン、L-リジン、乾燥ラクトバチルス・アシドフィルス発酵生成物、乾燥エンテロコッカス・フェシウム発酵生成物、ユッカシジゲラ抽出物
主原料には「ターキー生肉」が使用され、「サーモン生肉」「ダック生肉」と単一の動物性タンパク源ではなく3種の生肉が使用されています。また、植物成分として15種類以上に及ぶ野菜や果物、4種のベリー類が含まれます。
利用されるオイルは「ココナツオイル」「キャノーラオイル」と、安全性の高いフレッシュオイルを使用。当然ながら合成添加物の仕様はありません。こうした部分にも新鮮な素材に拘っているのが、ナウフレッシュの特徴となっています。
モグワンとナウフレッシュの成分を比較
では、モグワンとナウフレッシュの成分を比較してみましょう。タンパク質は、モグワンが28%、ナウフレッシュが26%とややモグワンの方が高タンパクな内容に。また、脂質に関してはモグワンが12%、ナウフレッシュが16%とナウフレッシュの方が高脂質の内容です。
【モグワン 成分】
粗タンパク質:28%、脂質:12%、粗繊維:3%、水分:8%、オメガ6脂肪酸:1.63%、オメガ3脂肪酸:1.29%、エネルギー(100gあたり)/約344kcal
【ナウフレッシュ グレインフリー アダルト 成分】
粗タンパク質:26%、脂質:16%、粗繊維:3.5%、水分:10%、オメガ6脂肪酸:2.5%、オメガ3脂肪酸:0.5%、エネルギー(100gあたり)/約359.8kcal
カロリーに関してはモグワンが344Kcal/100g、ナウフレッシュが359.8Kcal/100gとナウフレッシュの方が高カロリーなドッグフードであることがわかります。成犬用ですので適度な運動量があれば問題にはなりませんが、肥満傾向の犬は少し注意も必要です。ただし、極端に高いカロリーではありませんので、そこまで気にする必要もないでしょう。
両フードとも、極端な成分値ではありませんので、多くの成犬におすすめできるドッグフードと言えそうです。
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プロ目線から見たフードの比較
両フードともに高品質なドッグフードですが、ポイントとしたいのはラインナップの豊富さでしょうか。
モグワンは全年齢対応のドッグフード、対してナウフレッシュは子犬から高齢犬までのラインナップが揃っていますので、同じブランド内で年齢によってフードを自然に切り替えることが出来ます。
偏食気味の犬は特に大変ですが、できるだけフードの切り替えは避けたいところ。モグワンは高齢犬にも与えられるドッグフードですが、体重管理や状態をしっかりと把握して置かなければならず、年齢別に分けられたドッグフードよりもややハードルは高くなるでしょう。
10gも100gも、犬にとっては大きな違いです。たとえ体重が100g違っていたとしても、犬の体は人の10分の一程となりますので、人間で言えば1kgの違いとなります。体重はこまめに管理するのが望ましいですが、全年齢対応のドッグフードは体重で給餌量を変えるので、これまで以上に体重管理を行う必要はあるでしょう。
まとめ
モグワンとナウフレッシュの比較をしてきましたが、より優れたドッグフードと言えるのはナウフレッシュの方でしょう。どちらも高品質なドッグフードではありますが、ナウフレッシュの品質はより高く、さらにフードの製法の違いもありますので、より新鮮なドッグフードを与えることができるでしょう。
また、前述の通り年齢によってフードをスムーズに切り替えられるのもポイントとなります。できる限り同じブランドのドッグフードを与えていたほうが、体重管理や健康管理もしやすく、状態も把握しやすいです(便の状態など)。
モグワンも高品質なドッグフードではありますが、ナウフレッシュと比較すると惜しいというのが正直なところです。ナウフレッシュ自体はドッグフードの中でも上位ランクと言えるドッグフードですので、それ相応の結果といったところでしょう。
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