犬の種類には様々な特徴や性質、気をつけなければいけない事などがあり、犬を飼う上では犬種別に特徴を理解することが必要になります。今回は犬種の一つ「ミニチュア・ピンシャー」について、飼っている方もこれから飼いたいと思っている方もチェックしてみましょう。

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ミニチュア・ピンシャーのルーツ

ミニチュア・ピンシャーのルーツは定かではありませんが、17世紀頃には存在しており、ネズミ捕りなどの害獣駆除犬や番犬として使用されていました。

この犬種は、ジャーマン・ピンシャーを元にして、ダックスフンドやイタリアン・グレーハウンドなどが掛け合わされたと考えられています。ミニチュア・ピンシャーは、同じドイツ原産であるドーベルマン・ピンシャーを小型化したものと言われますが、実際はミニチュア・ピンシャーの歴史の方が古く、血縁関係は一切ないと思われます。

ミニチュア・ピンシャーは、その後1920年にアメリカへ渡り、1929年にアメリカの愛犬家団体「AKC(アメリカン・ケネル・クラブ)」に公認されています。また、この犬種は他人に対して、強い警戒心を持つことから、一時期アメリカでは車の盗難防止や麻薬密売者の護衛犬として使用されていたこともありました。

ちなみに、「ミニチュア・ピンシャー」という名前の由来は、「ピンシャー」とは、ドイツ語で「テリア」という意味からきています。また、ドイツでは「レー・ピンシャー」や「ツベルク・ピンシャー」と呼ばれ、この時の「レー」とはドイツ語で小型の赤い鹿という意味で、「ツベルク」とはドイツ語で超小型という意味からきているようです。

ミニチュア・ピンシャーの性格


ミニチュア・ピンシャーは、勇ましく短気な性格の「ジャーマン・ピンシャー」と、遊び好きで恐い者知らずな「ダックスフンド」、誇り高くしなやかな容姿の「イタリアン・グレーハウンド」という、祖先である3犬種の全ての性質を持ち合わせた犬種です。

ミニチュア・ピンシャーは警戒心が強く、他人に対しては素っ気ないところがありますが、飼い主さんや家族にはとても愛情深く、忠誠心もあるため、番犬には適しています。

しかし、乱暴に扱われると攻撃的になることもあるので、小さい子供がいる家庭での飼育には向いていないかもしれません。

ミニチュア・ピンシャーの飼育に関しては、しっかりと上下を付けることが大事ですので、日頃から甘やかせ過ぎないよう、メリハリを付けて接することも大事になってきます。

ミニチュア・ピンシャーの被毛

ミニチュア・ピンシャーの被毛は、「スムースコート(短毛)」で硬く密生していて、滑らかさと光沢があり、手入れも比較的簡単で、固く絞ったタオルで全身を拭く程度で問題ありません。

ミニチュア・ピンシャー被毛のカラーは、「レッド」「ブラック&タン」「チョコレート&タン」などがあります。「ブラック&タン」と「チョコレート&タン」に関しては、斑はできるだけ濃くはっきりと鮮明であり、胸や目の上、喉の下側、四肢、尻尾の付け根などに分布します。

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ミニチュア・ピンシャーと「イタリアングレーハウンド」

ミニチュア・ピンシャーは、時折、「イタリアングレーハウンド」に似ていると言われる場合があります。似ているような、似ていないようなという感じですが、同じく短毛種で、スマートな容姿から、似ているように見える方もいらっしゃるのでしょう。

ミニチュア・ピンシャーの体高は26cm〜32cmほど。一方のイタリアングレーハウンドの体高は32cm〜38cmと、ミニチュア・ピンシャーよりも若干大きめ。体重に関しては、ミニチュア・ピンシャーが4〜5kgなのに対し、イタリアングレーハウンドは5kg前後と、やや同じくらいの体重となります。

性格に関しては違いも多く、ミニチュア・ピンシャーが勝ち気で活発な性格なのに対し、イタリアングレーハウンドはやや臆病な性格で、性格も落ち着きのある性格をしています。

ミニチュア・ピンシャーは服が大事

ミニチュア・ピンシャーや、イタリアングレーハウンドに共通するのが、できれば服を着せて飼育したほうが良いということです。冬は特に体が冷えてしまうため、防寒対策として服を着用させるのをおすすめしますが、意外と盲点になるのが、大きな耳です。

耳先は特に冷えてしまい、血行も悪くなってしまうため、あまり冷やしておきたくない箇所です。そのため、同じ服を着せるのでも、フード付きの服を選んだり、スヌードなどで耳を保護してあげるのが大事になってきます。

意外と身体全体の防寒に気が向きがちですが、こうした先端部分の寒さ対策も講じておくと良いでしょう。また、夏場は直射日光や紫外線を受けてしまうため、外出時は薄手の服を着せて行くなどの対処も大事です。

年間を通じて、意外と洋服の出番は多いので、色々なパターンの服を揃えておくのも大事ですね。

ミニチュア・ピンシャーのしつけについて


ミニチュア・ピンシャーは、頑固で独立心が強い性質を持つため、自由奔放な環境でワガママに育ってしまうと、リーダーは自分だと勘違いしてしまう事もあります。

その結果、全然言うことを聞かなくなってしまったり、すぐに飼い主さんに噛み付くなどの攻撃的な性格を見せる場合もあります。ミニチュア・ピンシャーは、元々気性が荒いところがあり、誰かれ構わず攻撃的になることがあるので、しっかりと上下関係を築き、「従わせる」ということを理解させることが必要なのです。

体は小さいですが、護衛犬などの血も流れるミニチュア・ピンシャー。多少の厳しい環境にも動じない強さを持っている犬種ですので、ペットとして飼育する際には、ある程度厳しく、メリハリを持った態度で接することが大事になります。

ミニチュア・ピンシャーがかかりやすい病気

ミニチュア・ピンシャーは、「進行性網膜萎縮」という目の病気に注意が必要です。この病気は、網膜が萎縮して正常に働かなくなる遺伝子の病気です。まず、視力が低下して夜に目が見えなくなり、そのうち日中も見えなくなり、最終的には失明します。
他にも、あらゆる眼科疾患にかかりやすいと言われているので、日頃から目のチェックは欠かさずしましょう。

そして、ミニチュア・ピンシャーに多いとされる「拡張型心筋症」という心臓の病気があり、心臓が肥大し、心室内腔が拡張することにより、心臓のポンプ機能が低下していきます。初期の段階ではほとんど症状が見られず、病気が進行すると肺水腫を引き起こし、咳や呼吸困難になったり、不整脈を引き起こした場合は、ふらついたり、元気がなくなってボーっとしたり、失神するような症状があり、最悪の場合には突然死することがあります。

「拡張型心筋症」は、初期段階ではほとんど症状が見られないため、症状に気付いてから病院へ連れて行っても、手遅れという場合が多い恐ろしい病気のため、ミニチュア・ピンシャーを飼育されてる飼い主さんは、年に一度の定期検診を受けることをお勧めします。

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ミニチュア・ピンシャーの寿命

ミニチュア・ピンシャーの寿命は、おおよそ13年前後ほど。小型犬の寿命としてはやや短めの平均寿命となっています。

ミニチュア・ピンシャーは特に、骨折や関節のトラブルが起きやすい犬種です。一度こうした部位を痛めてしまうと、高齢になる頃に患部がぶり返したり、そのまま完治しきれずに成長したりもします。結果、思うように運動することもできなくなるなどの弊害が発生してしまうのです。

中でも「膝蓋骨脱臼」という病気も気を付けなければいけません。この病気は、後ろ足の膝蓋骨(膝のお皿)が正常な場所から、内側か外側にずれてしまう(脱臼する)状態になる病気です。最初のうちは気付かない場合も多く、放置していると、どんどん悪化していきます。愛犬が散歩中スキップしたり、足を上げて歩くような素振りを見せた場合は危険信号です。

健康的な生活を送るためには、まず膝に負担をかけないことです。フローリングなどの硬く滑る床には、カーペットやラグを敷きましょう。

ミニチュア・ピンシャーの価格について

ミニチュア・ピンシャーは日本でも比較的人気の犬種で、ペットとしても飼育しやすいサイズの犬種であることから、ペットショップでも見かける機会が多い犬種です。そのため、ミニチュア・ピンシャーを探す際には、容易に見つけることが出来るでしょう。

また、ミニチュア・ピンシャーを繁殖しているブリーダーからの直販もおすすめです。ペットショップでは、気に入っている毛色を見つけるのが難しいですが、ブリーダーからの直販であれば、そうした問題も少ないでしょう。

ミニチュア・ピンシャーの価格に関しては、おおよそ15万円前後ほど。血統や人気の毛色によっても価格は変わってきますが、高くとも20万円〜30万円といった個体は稀でしょう。

ミニチュア・ピンシャーの断尾について


日本を始め、未だ多くの国では「断尾」が行われています。ミニチュア・ピンシャーも例外ではなく、生後10日程で断尾をする習慣になっています。

昔から作業犬として仕事をする際、尻尾が作業の邪魔になるということから、断尾の習慣ができたと言われていますが、今や普通にペットとして育てられている子たちに、果たして断尾が必要なのでしょうか。

「生後10日で断尾されるので、子犬は痛さを感じない」と言われてきました。しかし、断尾される子たちの泣き叫ぶ声を聞くと、到底痛くないとは思えません。

イギリス、ドイツ、オランダなど、ヨーロッパを中心に、動物愛護の観点からすでに「断尾」「断耳」を禁止している国が多く、日本など「断尾」「断耳」が習慣になっている国の犬は、スタンダードから外される可能性が高いと言われています。
日本でも「動物愛護」という法律はありながら、今のところ断尾を禁止する動きがないのは不思議なことのような気がします。

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