毛づくろいが大好きな猫ですが、耳の中の掃除までは、なかなか自分では出来ないものです。しっかりと耳掃除をしなければ、様々な耳の病気を引き起こしてしまいます。常に耳は清潔な状態に保つようにしましょう。今回は猫の耳掃除について解説します。

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猫の耳掃除について

猫は、品種によって耳掃除が特に必要な場合や、適度な頻度でも問題ない品種がいます。といっても、どの猫も本来であれば月に2〜3回の頻度で耳掃除を行う事が望ましいとされています。仮に、耳掃除をせずに放おっておいてしまうと、次第に耳の中は汚れていき、様々な病気を引き起こす結果となります。

まず耳掃除を行う前に、猫の状態をチェックしてみましょう。頭をしきりに振っていないでしょうか、耳を擦りつけたり異常に掻いていないでしょうか、近くで音がしているのに無反応ではないでしょうか。こういった行動が見られる場合には、一度、動物病院で診察してみたほうが良いかもしれません。

また、みるからに耳の穴が汚れている場合もあります。この場合には耳疥癬や外耳炎といった病気が疑われます。実際に耳掃除を行うようにし、全体的に酷く汚れていたり、臭いがきつかったりした場合にも、一度、動物病院で診察してみることをお奨めします。

猫の耳にダニが繁殖する「耳ダニ感染症」

猫の耳に関係する病気には、色々な病気があります。怪我をすることで引き起こされる病気、細菌に感染する病気、寄生虫に寄生される病気など様々です。

この中でも、臭いや汚れが目立って酷くなるのが「耳ダニ感染症」と呼ばれる病気です。「耳疥癬(みみかいせん)」とも呼ばれるこの病気は、耳の中にダニが繁殖してしまう病気で、ダニは血液や耳垢を餌に繁殖していきます。耳ダニに感染すると、強い悪臭と黒っぽい耳垢が大量に出てきますが、この殆どがダニの糞なのです。

耳ダニ感染症になると、猫は耳が痒くなってしまい、しきりに頭を振ったりこすったりといった行動を取るようになります。状態が酷くなると「耳血腫」などの病気も引き起こされてしまいます。こんな状態になる前に、しっかりと耳掃除を行う必要があるのです。

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ケガや病気で併発する「耳血腫」

猫の耳の病気「耳血腫(じけっしゅ)」。この病気の症状は、猫の耳の「耳介(じかい)」と呼ばれる部分が腫れ上がってしまう病気です。この耳介の軟骨が何かしらの影響を受けてしまうことで、耳介の中で出血が起きてしまい、中に血液が溜まってしまうことで腫れ上がるようになってしまいます。

どこかに耳を強打してしまった、他の猫などと遊んだり喧嘩をしている最中、中耳炎や耳疥癬などを発症した時など、これらの症状でもある痒みや痛みがあるために、耳をかきむしってしまったり、頭を振り続けてしまうことで耳血腫が引き起こされてしまいます。

耳血腫を放おっておくと、耳介の軟骨がどんどん変形してしまうようになり、完治しても耳の形そのものが変形し、非常にいびつな形状になってしまう場合もあります。命にかかわるわけではないにしても、完治した時には耳が変形してしまう恐れもあり、また、変形してしまった形状によっては、別の病気を引き起こす結果にもなりかねません。

猫の耳のケアについて

このように、ひとつの病気が他の病気をも引き起こす場合もあるのです。こうならないためにも、こまめに耳掃除を行う必要があります。とはいえ、なかなか耳掃除をさせてくれない猫も多いかと思います。いきなり綿棒を耳に突っ込むのではなく、徐々に耳掃除の感覚に慣れさせていくようにしましょう。

本来であれば、綿棒を使用して耳掃除を行ったほうが、より耳垢も取りやすいのですが、慣れていない猫であれば、ティッシュなどに耳掃除用のクリーナー(イヤークリーナー)を付着させて、耳の見える部分だけでも拭いてあげるようにしましょう。綿棒が大丈夫そうであれば、綿棒にクリーナーを染み込ませて、こすらないようにして耳掃除を行います。

あまり激しく擦りつけてしまうと、耳の中で炎症が起きてしまいますので、やさしく、ゆっくりと耳掃除を行うようにしましょう。また、猫の耳の中の構造は、途中で折れ曲がったようになっています。そのため、あまり奥まで掃除する事はできません。綿棒を真っ直ぐに入れ、途中であたる辺りまでにしておきましょう。

イヤークリーナで揉み掃除

猫が耳掃除に慣れてきたら、イヤークリーナーを耳の中に直接垂らし、揉むようにして耳を掃除します。こうしてある程度、汚れを浮かせて、後は耳の中が傷つかないようにガーゼなどで拭き取りましょう。汚れが取れていなかったら、綿棒にイヤークリーナーを染み込ませて、軽く拭き取るようにしましょう。

こうするだけでも、猫の耳掃除ケアが行えます。月に最低1回はじっくりと猫のケアに時間を当てて、愛猫の体に異常が無いかを確かめながら、耳掃除を行うようにしましょう。また、こうしてこまめに耳掃除を行うことで、耳垢の溜まり具合や、愛猫の耳の状態も把握しやすくなります。

前回はこんなに汚れていなかったなと思った場合には、耳掃除の回数を増やし、それでも耳垢が多いようであれば、何かしらの病気を発症しているかもしれません。また、臭いでも病気の判別が付けられますので、ただ耳掃除を行うのではなく、こうした臭いや状態を常に把握できるような飼い主さんになれるようになりましょう。

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