猫にも歯磨き?と思うかもしれませんが、野生下で生活している猫とは違い、ペットとして飼われている猫は、歯の病気になるリスクが非常に高いのです。今回は、猫の歯のチェックの仕方や病気を予防するための方法について解説していきます。

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猫の歯と、食生活の違い

突然ですがここでクイズ。猫の歯は何本あるかご存知でしょうか。
猫の歯は人間の歯と違い、食べ物をすりつぶすという形状ではありません。そのため、食べ物は基本、丸呑みで食べるのです。そのため、人間や犬に比べると食べかす等が歯につきにくく、虫歯等の病気に悩まされる事が少ないといえます。

しかし、ペットとして飼われている猫はどうでしょうか。猫の祖先でもある虎や自然界に生きる猫種は、魚や肉を食いちぎって食べていますが、ペットとして飼われている猫の食事は基本、キャットフードが中心となっています。キャットフードは、猫の栄養バランスをより良いバランスで摂取出来る反面、食べかす等が付きやすい食べ物でもあるのです。

そのため、食べかすが猫の歯に付着したままになっていると、当然、猫でも虫歯を引き起こしてしまいます。先ほどのクイズの正解ですが、猫の歯は30本。老齢猫になるまで、しっかりとこの30本を守っていかなければいけませんね。

猫とデンタルケア

残念ながら、ペットとして飼育されている3歳前後の猫のほとんどは、虫歯や歯肉炎になっていると言われています。その数も、約85%とのこと。近年では、犬の歯磨きは一般的になってきつつあり、歯磨きを兼ねたおもちゃやおやつ、ドッグフードまで展開されています。一方の猫ですが、猫の歯磨きという観点はまだまだ浸透していないのが現状かもしれません。

また、猫を飼育している方の中でも、猫の歯や奥歯をしっかりと見たことがない方も多いようです。今後は猫のデンタルケアというのも当たり前の事になるかもしれませんが、現状では、おやつタイプのデンタルケアや歯ブラシはありますが、どのようにケアしたらよいのか、どんなことに気をつけたら良いのかという疑問がほとんどでしょう。

猫の仕草で簡単チェック

では実際に猫の歯のチェックをする時には、どういったポイントを確認したら良いのでしょうか。いままで歯のチェックなんかしたことない猫にとっては、突然、歯を見られるのは何事だと警戒するだけです。そこで、まずは下記のような様子が見られないかチェックしてみましょう。

・食事の時に、片方だけで噛んでいないでしょうか。
・頭をひねるような仕草を取りながら、食事をしていないでしょうか。
・口の片側だけ、汚れや毛が変色していないでしょうか。

非常に簡単なチェックですが、最低限これらの項目に当てはまるような仕草を取っているようであれば、一度、動物病院に行って歯の検診を行ってみても良いかもしれません。

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まずはチェックしたい、猫の「臼歯」

猫が歯を見せてくれるようであれば、猫の奥歯(臼歯)を確認してみましょう。臼歯は猫の犬歯から奥側の歯になります。この臼歯が一番歯垢が溜まりやすい部分です。特に、上の臼歯の直ぐ側には唾液腺があり、そのため上の臼歯が歯石になりやすいです。この臼歯は、猫の30本の歯の内、上下合わせて14本あります。

やや高齢の猫になってくると、すでに歯肉炎の症状が進んでしまって、歯が抜け落ちているなんてこともあるようです。数えられるようであれば、一度数えてみても良いかもしれません。また、歯茎の色にも着目してみてください。健康な歯茎をしていれば、ピンク色のはずです。歯茎の色が赤すぎたり、黒ずんでいた場合には、要注意です。

猫の歯に関係する病気

猫の虫歯や歯肉炎が進行してしまうことで、どのような病気が待ち受けているのでしょうか。中には気が付かないままという病気もあると思います。猫の歯に関係する病気について、簡単に説明していきます。

【ネックリージョン(破歯細胞性吸収病巣)】
ネックリージョンと呼ばれる本病は、4歳以上の半数近くが発症している病気と言われています。虫歯のような症状に似ていますが、ネックリージョンは歯の付け根に穴が空いてしまう病気で、これを吸収病巣と呼んでいます。

また、症状が進んでいくと歯だけではなく、顎の骨にも進行していき、歯が抜けてしまうだけでは収まらなくなってしまいます。また、発見することも難しいため、麻酔を打ち、レントゲンによる検査が必要になってきます。

【歯肉炎】
歯垢が溜まり、細菌が繁殖し続けていくと、歯肉炎や歯周炎といった症状に進行していきます。人間でもお馴染みの症状なので想像が付くかもしれませんが、こうした病気を予防するためにも、歯垢を常にチェックし、ケアすることが重要になってきます。

まとめ

猫の歯磨きは、猫自身も、飼い主さんも慣れなければ、なかなか難しいケアの一つでもあります。まずは動物病院にいって、簡単にチェックしてもらい、家でのケアは、いきなり歯ブラシを使わずに、飼い主さんの指でこすることから始めましょう。

いきなり歯ブラシを突っ込んでしまうと、歯ブラシを見ただけで逃げ出したり、口元を触られるだけで嫌がるようになってしまいます。歯磨きも大事ですが、まずは定期的に歯を診ることができるようになりましょう。そのためには、ゆっくりと焦らず、猫が自然と口もとや歯を見せてくれるようになるまで、やさしく触れていくことが大事です。

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