愛犬の健康を維持するのに必要不可欠なのが「免疫力」です。免疫力は病気にならない体を作り、健康で丈夫な体を維持するのに大切なものです。そして、この免疫力を向上させるのに重要となるのが、腸内環境を良くすることなのです。

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犬の免疫力を低下させる原因とは?


犬の健康を維持するために重要となるのが、犬が持つ「免疫力」の状態です。免疫力とは、病気などに対する抵抗力であったり、体内で発生するがん細胞やウイルスを撃退する働きを持ちます。風邪などのちょっとした病気を頻繁に起こしているようであれば、愛犬の免疫力が低下しているのかもしれませんね。

犬の免疫力を低下させる原因には、上記のように病気を引き起こすことで低下するケースが多いですが、病気を引き起こしてしまう要因に挙げられるのも、免疫力の低下によるものです。

免疫力は日頃から維持・向上させる必要がありますが、食事の管理やストレスの多い環境など、様々な要因で低下してしまうため、毎日の生活下でも免疫力の維持については気にかけておく必要があります。

免疫力を向上させるには?

では、犬の免疫力を維持・向上させるにはどのような方法があるのでしょうか。

手っ取り早く犬の免疫力を維持させるには、サプリメントでビタミンC等のビタミンや栄養を摂取するのが簡単です。サプリメントで犬の健康維持・免疫力の維持を行なうのは簡単かつ、確実な方法ではあるのですが、犬の免疫力を向上・維持させるために基本となるのは、犬の腸内環境の改善・腸内環境を整えることが一番の近道となります。

犬の免疫力を向上させるのに、腸内環境?おなかの状態を良くすること?と思うかもしれませんが、「免疫細胞」と呼ばれる、免疫力を維持するのに欠かせない細胞の約7割は腸内で作られているのです。そのため、腸内環境の向上・維持=免疫力の向上・維持に繋がるものなんです。

「NK細胞」について

免疫力を高めるサプリメントというと、「アガリクス」等のきのこ類のサプリメントも挙げられますね。きのこ類には「βグルカン」と呼ばれる成分が多く含まれますが、アガリクスに関してはこのβグルカンの含有量が多いことでも知られます。

βグルカンは「NK細胞(ナチュラルキラー細胞)」と呼ばれる細胞を活性化・強化する働きを持つのですが、このNK細胞というのは体内でウイルスやがん細胞と戦う細胞なんです。そして、このNK細胞は免疫細胞の一つ、すなわち腸内で作られるものなのです。

ですので、いくらアガリクスを摂取してNK細胞を強化させていても、腸内環境が乱れているとNK細胞の量も少ない事になりますので、少数勢力を強化させているようなイメージになります。

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免疫力の向上は腸内環境の改善にある


一方、アガリクスを摂取させる時点で腸内環境が万全の状態であれば、たくさんのNK細胞も作られているので、アガリクスなどの免疫力を向上させるサプリメント等を摂取することで、NK細胞の大軍をさらに強化しているようなイメージになります。

手っ取り早く犬の免疫力を向上させるために、アガリクス等のサプリメントを摂取することも効果的ではありますが、あくまでも一時的なもの。犬の免疫力を向上させたいと考えるのであれば、まず先にすべきことが腸内環境の正常化や向上が大事という考え方になるのです。

このように、免疫力を向上させるためには腸内環境の改善が大事と言うことがわかりましたが、腸内環境を向上させるためにはどのような方法があるのでしょうか。

腸内環境を健康にさせる「プレバイオティクス」

腸内環境を良くするものの一つに「食物繊維」を多く摂取するという考え方があります。

食物繊維は消化を良くし、腸内環境を改善させる働きを持ちます。人間も腸内環境の改善のために野菜を沢山摂取することが推奨されますが、犬は人間と違い、肉食の動物と考えられています。

と言いたいところですが、実は現代の犬は雑食性の動物です。犬の祖先であるオオカミは肉食動物ですが、オオカミもまた、獲物の胃腸で消化されている微量の食物繊維を摂取することで、腸内環境を整えてきました。

肉食動物と言えど、肉ばかり摂取していると栄養のバランスが崩れてしまうため、実は適度な食物繊維も必要としているのです。犬にとっては食物繊維は消化のしにくいものですが、消化しやすい肉と、消化しにくい食物繊維でバランスをとっているのです。

バランスの取れた食事はドッグフードで

食物繊維を摂取するためには、野菜を食べることが大事になりますが、ドッグフードを食べていれば、ある程度の食物繊維は摂取出来ていることでしょう。もちろん、ドッグフードの質にもよりますが、近年のドッグフードは犬そのものの栄養はもちろん、原材料にもこだわっている物が多くなってきています。

多いものではタンパク源となる肉を6割〜8割程度使用しているドッグフードや、タンパク源と食物繊維の割合を6:4や7:3の割合にしているドッグフードもたくさんあります。

犬にとって旨味や栄養のもととなるのは肉ですが、腸内環境を維持するために食物繊維もしっかり摂取する必要があるのです。また、穀物類はより消化のしにくい食物となるため、食物繊維よりも必要とする量は限りなく少ないです。

プレバイオティクスは重要なポイント

腸内環境が悪化すると、便臭がきつくなったり、ウンチの状態が固かったり柔らかかったりと、安定しない状態が続きますが、犬にとって適性なドッグフードを与えることで、便の状態も安定することでしょう。

逆に犬に合わないドッグフードを与え続けると、上記のような便の安定しない状態になったり、免疫力の低下につながってきます。免疫力が低下すると、皮膚や被毛にも変化が見られ始めるようになります。

こうした状態を回避するため、質の良いドッグフードを与えたり、食物繊維などを摂取させて腸内環境の改善を行うことが、免疫力の向上に繋がります。このように食物繊維等を摂取し、腸内の善玉菌を活性化させて腸内環境の改善を図ることを「プレバイオティクス」と呼びます。

プレバイオティクスには、食物繊維の摂取だけでなく、オリゴ糖の摂取による腸内環境の改善も含まれます。プレバイオティクスは免疫力の向上に繋がるものとも言えるのです。

乳酸菌を腸内へ届けて改善する「プロバイオティクス」


プレバイオティクスが、食物繊維等の摂取によって腸内の善玉菌を活性化させる方法ですが、同じような言葉で「プロバイオティクス」と呼ばれるものがあります。

プロバイオティクスとは微生物のことを指しますが、腸内環境を改善させるために善玉菌等を送り込む方法が、プロバイオティクスの腸内環境の改善方法です。人間用で言えばヤクルトやヨーグルトを摂取するイメージですが、乳酸菌を腸内に送り込み、腸内の善玉菌を増やしていくという方法ですね。

犬用のサプリメントでも乳酸菌のサプリや、ドッグフードにも乳酸菌が配合されているものがあります。乳酸菌は腸内の善玉菌を活性化させる働きがありますので、乳酸菌を摂取し、腸内環境の改善を図る方法がプロバイオティクスと呼ばれるものなのです。

2つの力で腸内を改善「シンバイオティクス」

プレバイオティクスとプロバイオティクス、似たような言葉ですが、腸内環境を改善させる方法としては全く別物なのだということがわかりますね。とはいえ、腸内環境を改善させるという目的は同じもの。そこで登場するのが「シンバイオティクス」という物です。

シンバイオティクスとは、簡単に言うとこの両者を合わせた方法で腸内環境を改善させる事や方法のことを指します。

人間用のサプリメントでもシンバイオティクスという言葉を見たことがあるかと思いますが、現在ではサプリメントなどにこのシンバイオティクスを取り入れた物が大半になっています。

プレバイオティクス、プロバイオティクス、シンバイオティクスと、似たような言葉ではありますが、それぞれが違う意味であることがわかります。

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食事からも栄養を摂取

シンバイオティクスの例に挙げられるのが、乳酸菌も配合しつつ、原料にはオリゴ糖も含まれている等です。オリゴ糖等で善玉菌を増やしつつ、同時に乳酸菌を送り込み、腸内環境を改善させるという事になりますが、この乳酸菌にも様々な種類があり、効果の強さも変わってきます。

「生きたまま腸に届く」「乳酸菌〇〇万個」など、乳酸菌に関連する表記はありますが、乳酸菌は量も大事ですが、乳酸菌の種類・タイプが重要です。単に「乳酸菌配合」とだけ記載されていても、足しにならないような場合もあるのです。

ドッグフードに乳酸菌配合と記載はされているものの、実際のところは乳酸菌の量や種類に関しては記載されていることも稀なため、サプリメントや食事等で別に乳酸菌を摂取することが大事ではあるのです。

単に乳酸菌を摂取しているだけでは、完全な腸内環境の改善にはならないのです。

まとめ

愛犬の免疫力を向上させるためには、まずは腸内環境の改善、腸内環境の健康維持が大きなポイントとなるのです。そのためには、まずはしっかりと腸内環境の健康管理を行ない、必要に応じて乳酸菌などを摂取させることが大事になってきます。

ちなみに、乳酸菌に関しては過剰症などの心配はなく、できるだけ多くの乳酸菌を摂取することが望まれます。ドッグフードに配合されているような量ではとても改善が期待できる含有量ではないため、別の方法で乳酸菌を摂取させることをオススメします。

※内容は2017年3月時点での情報になります。原材料、商品名等の内容は変更している場合があります。

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