猫の種類には様々な特徴や性質、気をつけなければいけない事などがあり、猫を飼う上では猫の種別に特徴を理解することが必要になります。今回は猫種の一つ「メインクーン」について、飼っている方もこれから飼いたいと思っている方もチェックしてみましょう。

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メインクーンとは

メインクーンは、「ジェントルジャイアント(穏やかな巨人)」とも呼ばれ、体重10kg、体長100cmを超えるメインクーンも多く、2010年には体長123cmのメインクーンが「世界一巨大な猫」としてギネスの認定を受けています。

「メインクーン」という名前の由来は、アメリカのメイン州の「メイン」と、大きな体と太くて長い尻尾が「アライグマ(ラクーン)」に似てるということから名付けられたようです。

メインクーンのルーツ

メインクーンのルーツに関しては諸説あり、定かではありませんが、アメリカの北東部のメイン州に生まれ、短毛種のイエネコと長毛種のアンゴラとの間で自然発生したと言われています。

他にも幾つかの逸話があり、マリーアントワネットが処刑される前にアメリカへ船で亡命しようとして、彼女が大切にしていた猫を乗せたのですが、彼女の亡命は失敗に終わり、猫だけがアメリカにたどり着き、その猫が後のメインクーンの祖先であるという説や、カナダの野生猫とアライグマとの交配で生まれたという説もあります。

また、バイキングの船に乗っていた猫が各地方の土着猫との間に子猫を設け、その子猫がアメリカへ渡ったという説もあります。これは、同じくバイキングによって渡米したノルウェージャン・フォレストキャットと外見が似ていることから、この説が浮上したのではないかと考えられています。

さて、現実のメインクーンは、1600年代から農作物を荒らすネズミなどの害虫駆除をしていた「ワーキングキャット」として飼育されていました。この猫は、北アメリカの厳しい天候や環境で生き抜くうちに、肉体的にも精神的にも逞しい猫へと変貌を遂げることとなりました。その後、1860年頃にキャットショーに出陳され、1985年にアメリカの猫登録団体「CFA」に公認となりました。

メインクーンの性格

ワイルドな見た目とは反して、温和で大人しい性格のメインクーンは、順応性や協調性もあるので、子供や他のペットとも仲良くできます。好奇心旺盛で、遊び好きなところもあるので、子供には楽しい相棒になるでしょう。体も大きいので安心して任せられるのではないでしょうか。

メインクーンは、人と共に長く暮らしてきた歴史から、人と共存する術を本能的に身に付けています。ずば抜けて利口で賢く、飼い主さんがやることを常に観察していて、扉や引き出しを開けたり、水道の蛇口をひねることもあるようです。また、犬のようにボールを投げれば、咥えて戻ってくる遊びもできます。基本的に物覚えも早いので、飼い主さんを手こずらせるようなことはないでしょう。

メインクーンは愛情深く、甘えん坊である反面、独立心も持ちますので、過度のスキンシップは苦手で、飼い主さんや家族に対してベタベタするのではなく、気が付けば傍にそっと寄り添う感じです。しかし、甘えモードに入っている時は、家の中やトイレにもお風呂にも付いてくるストーカーになります。

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メインクーンの被毛

荒々しい気候の中生き抜いてきた歴史があるため、メインクーンの被毛は、防水・保温効果に優れています。長さはセミロングで、ペルシャなどの長毛種の猫と比べると、毛量は少なめで毛玉になりづらいのですが、毛球症(毛繕いの際に、飲み込んだ自分の体毛が消化器官内に留まり、吐くことも排便することもできなくなる状態)や皮膚病の予防のためにも、1日1回はブラッシングをして抜け毛を取り除いてあげましょう。

メインクーンの被毛のカラーは、「ブラック」「ホワイト」「レッド」「クリーム」「ブルー」などの単色や、スモーク、これらのタビー(縞模様)、パーティカラー(ホワイトを入れた二色)、キャリコ(三毛猫)などがあります。しかし、「チョコレート」「ラベンダー」「ポイントカラー(シャムのように部分的に色が入ること)」は認められていません。

メインクーンがかかりやすい病気

【肥大型心筋症】
心臓の筋肉が内側へ向かって厚くなり、心室が狭くなってしまうことで、全身に十分な血液を送ることができなくなる病気です。そのため、体はバランスを取るために心拍数や血圧を上げるようになります。

初期の症状は、すぐに疲れてしまったり、じっとしていることが増えたり、少しの運動でも息切れするなど、猫の老化と間違われることが多いため、なかなか初期の発見は難しいと言われています。そして進行すると、肺水腫や胸水を引き起こしたり、血管や心臓の中で血液が固まる血栓症になり、最悪の場合死に至る恐ろしい病気です。

【股関節形成不全】
股関節が正常に形成されなかったり、変形されることで、歩き方に支障をきたす病気です。
歩く時に腰が左右に動いたり、後ろ足を折りたためなかったり、ウサギ跳びやスキップのような仕草が見られたら要注意です。

また、肥満体型は股関節形成不全を引き起こすきっかけとなってしまいますので、幼少期から肥満にならないように、食事の管理は徹底するようにしましょう。

メインクーンと暮らすために

メインクーンは成猫になると、どんと落ち着いてしまい、あまり積極的に運動するほうではないので、肥満には注意しなければいけません。しかし、人との触れ合いを好むため、「猫じゃらし」や「ボール」などで遊んであげると、喜んで参加したがるので、愛猫とのスキンシップも兼ねて、肥満予防のためにもたくさん遊んであげましょう。
また、運動できるようにキャットタワーなどを置いてあげるのも良いでしょう。キャットタワーを設置する場合は、体が大きくて重いため、安定感のあるものを選びましょう。

メインクーンの筋肉質の体型を維持するためにも、高タンパク、高カロリーのフードを選び、よく運動させることが必要となります。しかし、運動不足や高齢になり、高タンパク、高カロリーの食事をそのまま摂っていると肥満になることもありますので、愛猫に合った食事の管理が大切です。

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