猫の種類には様々な特徴や性質、気をつけなければいけない事などがあり、猫を飼う上では猫の種別に特徴を理解することが必要になります。今回は猫種の一つ「エキゾチックショートヘア」についてチェックしてみましょう。

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エキゾチックショートヘアとは

エキゾチックショートヘアといえば、驚いたような大きな目、ツンと上を向いてぺちゃっと潰れた鼻、その鼻を中心に膨らんだ頬。ペルシャを短毛種にしたようなその姿は、「パジャマ姿のペルシャ」とも呼ばれています。

エキゾチックは、おっとりしたペルシャに、性格の明るい「アメリカンショートヘア」を足したような性格で、とても人に懐き、抱っこも大好きで、飼い主さんや家族を楽しませてくれるでしょう。

エキゾチックショートヘアのルーツ


エキゾチックショートヘアは、1960年代「手間のかからない短毛種のペルシャが欲しい」というブリーダーたちの願いから、ペルシャを基礎に、アメリカンショートヘアや他の短毛種の猫などを掛け合わせて作り出されました。1966年には、アメリカの猫登録団体「CFA」に公認されています。
エキゾチックショートヘアは作出が始まってから、まだ50年程度の比較的新しい猫種です。

エキゾチックショートヘアは、ペルシャとは被毛の長さは違うものの、性格や体型、体質はほとんど同じですが、劣性遺伝子として長毛種が生まれることがあります。長毛のエキゾチックは、CFAと同じアメリカの猫登録団体「TICA」ではペルシャとして見なされ、審査の厳しいCFAではずっと認められていなかったのですが、2009年に「エキゾチックロングヘア」として条件付きではありますが、ようやくキャットショーの参加資格を与えられることとなったのです。

エキゾチックショートヘアの性格

エキゾチックショートヘアの性格は、ほぼペルシャに近く、温和でおっとりしていますので、他のペットとも仲良くでき、また、あまり鳴かないので、集合住宅でも問題なく飼育できます。さらに、アメリカンショートヘアの血も入っているためか、ペルシャより甘えん坊で、常に人の傍に寄り、抱っこが大好きです。

エキゾチックショートヘアは愛情深く、人とスキンシップを取ることが何よりも大好きなので、飼い主さんが忙しくて留守が多かったり、構ってあげられない状態が長く続くとそれがストレスになり、すねてしまうところもあります。

エキゾチックショートヘアは運動神経がよくありません

エキゾチックショートヘアは、運動神経が良い猫とは言えません。体型的にはペルシャを引き継いでいるために、運動能力はそれほど高くないのですが、アメリカン・ショートヘアの血も引いているので、活発で遊び好きな一面もあります。

そのため、好奇心も旺盛で、色々なものに興味を示すことも多いです。例えば、高いところに登ったのに、降りられなくなるとか・・・こんな不器用なところがまたエキゾチックショートヘアの魅力でもあるのでしょうね。

何も考えずに高いところに登ってしまったり、窓際で様子を観察するといった行動も取りますので、家庭内の置物や配置には、十分に注意しましょう。壊されたら困るものもそうですが、大事なのは愛猫の健康です。怪我をしてしまうような配置は危険です。猫なので大丈夫だろうと思わず、なるべく危険な物や落とされそうな場所にあるものは、別の場所に移動させるなどの配慮が必要です。

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エキゾチックショートヘアの被毛


エキゾチックは、少し長めの「オーバーコート(上毛)」と、柔らかく密生した「アンダーコート(下毛)」の2種類の構造からなる「ダブルコート」の被毛を持ちます。
被毛の手入れはとても簡単で、1日1回くらい、スキンシップも兼ねてブラッシングしてあげるのが良いでしょう。

エキゾチックの被毛のカラーは、「シルバー・クラシックタビー」「ブラウン・クラシックタビー」「レッド・タビー」「クリーム・タビー」や「ブラック」「ホワイト」「クリーム」「ブルー」「レッド」のような単色など、アメリカンショートヘアやペルシャで公認されている全てのカラーが認められています。

また、シャムのような、顔や耳、四肢や尻尾などに濃い色が入り、他の部分は薄い色になるという「ポイントカラー」もあります。

エキゾチックショートヘアのキャリコ

「キャリコ」と言えば、三毛猫カラーの毛色を指しますが、エキゾチックショートヘアに関してもキャリコは存在します。キャリコは人気の毛色でもありますので、他の毛色と比べると比較的高価である場合が多いようです。

1例としては、「レッドタビー&ホワイト」のオスの子で13万円で販売していますが、「ダイリュートキャリコ」のメスである場合には、30万円で販売されているといった感じです。毛色の入り方によっても価格は大きく変わってきますが、他の毛色と比べると高値である場合は多いです。

お気に入りの毛色がある場合には、探すのが大変にはなりますが、あくまでも毛色だけで選ぶのではなく、しっかりと中身の性格を重視して迎え入れるようにしましょう。

エキゾチックショートヘアがかかりやすい病気

エキゾチックショートヘアの病気で気を付けたい病気に「肥大型心筋症」があります。エキゾチックショートヘアが高齢にさしかかってくると、運動量もぐっと落ちてしまうために、病気の判断がつきにくい病気の一つでもあります。

肥大型心筋症は、心臓の筋肉が内側へ向かって厚くなり、心室が狭くなってしまうことで、全身に十分な血液を送ることができなくなる病気です。そのため、体はバランスを取るために心拍数や血圧を上げるようになります。

初期の症状は、すぐに疲れてしまったり、じっとしていることが増えたり、少しの運動でも息切れするなど、猫の老化と間違われることが多いため、なかなか初期の発見は難しいと言われています。そして進行すると、肺水腫や胸水を引き起こしたり、血管や心臓の中で血液が固まる血栓症になり、最悪の場合死に至る恐ろしい病気です。

ペルシャから受け継ぐ、エキゾチックショートヘアの遺伝病

エキゾチックショートヘアはペルシャの血を引いていますが、ペルシャに好発すると言われる「多発性嚢胞腎」も、エキゾチックショートヘアは受け継いでいる遺伝病になりますので、注意が必要です。

多発性嚢胞腎とは、腎臓に嚢胞(液体を含んだ袋状のもの)が幾つもできて、腎臓の機能が低下するという病気で、進行すると慢性腎不全を引き起こし、死に至ることもあります。
エキゾチックは遺伝的にこの病気にかかりやすいと言われており、親のどちらかが発症していれば、50%の確立で発症し、治療法もないと言われています。

この病気の症状は、食欲が無くなったり、体重が減ってきたり、水を飲む量が増えたり、血尿といった症状がみられます。エキゾチックは普段から大人しい性格なので、気付きにくいこともあるかもしれませんが、小さな事でも何か変わったことがあれば、獣医さんに診てもらいましょう。

エキゾチックショートヘアは暑さに弱い


エキゾチックショートヘアのように、鼻がぺちゃんこな猫は、温度の変化や気圧の変化に弱い猫種でもあります。エキゾチックショートヘアに限られた話ではなく、エキゾチックショートヘアの祖先でもあるペルシャなども注意が必要となります。

これらの猫種は、鼻腔が狭く、体内の熱を外へと逃がしにくいという特徴を持ちます。そのため、あまり外気温が高いと体内に熱がこもってしまい、長時間温度の高い部屋や環境に置かれると、熱中症などを引き起こす可能性が高くなってしまうのです。

エアコンを設置するなど、部屋の温度には十分に注意するようにしましょう。ただし、外気温が暑いからといって温度を下げすぎるのもよくはありません。できるだけ寒暖差のない適温な温度を保てるように注意しましょう。

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エキゾチックショートヘアに必要な運動量は?

エキゾチックショートヘアは、多くの運動量を必要とはしませんが、肥満には気を付けなければいけない猫種でもありますので、ある程度、運動が行えるような環境作りが大事になってきます。家の中に低めのキャットタワーを設置するだけでも違いますので、キャットタワーすらない場合には用意してあげましょう。

エキゾチックショートヘアは太りやすい体質のため、適度な運動が行えなければすぐに肥満体型になっていってしまいます。そのため、食事の管理や運動の管理も大切なポイントとなってくるでしょう。

特に、食事で栄養管理を行うのは大変なことですが、運動量を考慮しつつ、食事の管理を行うことで肥満を回避できますので、運動量に見合った食事量や栄養をあたえられるようにすると良いでしょう。

エキゾチックショートヘアと暮らすために

エキゾチックのように鼻が短い「短吻種」の猫は、体の構造上、元々スムーズに呼吸がしづらい体質でもあり、さらに暑熱環境で悪化するため、熱中症に気を付けなければいけません。また、短吻種の猫は、飛行機での輸送を断られることがありますので、飛行機を利用する際は、予め航空会社に確認しましょう。

エキゾチックは基本的に家でゴロゴロするのが好きで、あまり積極的に運動するほうではないので、肥満には注意しなければいけません。しかし、人との触れ合いを好むため、「猫じゃらし」や「ボール」などで遊んであげると、喜んで参加したがるので、愛猫とのスキンシップも兼ねて、肥満予防のためにもたくさん遊んであげましょう。また、運動できるようにキャットタワーなどを置いてあげるのも良いでしょう。

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