猫の結膜炎は、猫の病気の中で非常に多い病気で、人と同じく目に入ったゴミやウイルス、細菌などが原因で炎症を起こしてしまう病気ですが、この結膜炎を未然に防ぐ為の方法や治療はどういったものなのでしょうか?今回は結膜炎に関して、またどういった症状になるかを解説していきます。

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猫の目の構造について

猫がかかってしまう病気の中でも、非常に多い割合を締める目の病気のひとつ「結膜炎」。

人間でも結膜炎になる事が多いですが、これは猫の世界にも通じる病気・炎症の一つでもあります。

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人間の白目にあたる部分は「眼球結膜」と呼ばれるもので、微生物の侵入などを防いだり目の機能を補助するためのものですが、猫の目は「虹彩(光量を調節する膜)」が目の殆どの部分を占めています。

猫の目の場合の「結膜」は、まぶたの内側を覆っている「眼瞼結膜(がんけんけつまく)」と、眼球の前を覆う「眼球結膜」の2つが存在します。

猫の目は虹彩が非常に大きいため、一見して白目部分を確認することができません。

結膜炎の原因とは

結膜炎は、この、まぶたの内側を覆っている結膜に「ウイルス」や「外傷」といった要因によって炎症を起こしてしまう状態の事を言います。

また、結膜炎は他の病気を発症した時に、結膜炎を併発する場合もあります。

主に、

  • 猫ウイルス性呼吸器感染症
  • 猫カリシウイルス感染症

といった、いわゆる「猫風邪」と呼ばれる病気を発症した際に、症状のひとつとして発症する場合があるのです。

結膜炎を引き起こす原因は、「ヘルペスウイルス」を代表とするウイルスによる感染の他に、マイコプラズマ感染症やクラミジア感染などの細菌が原因の場合、さらにはアレルギーやドライアイ、目に入ったゴミが要因という場合もあり、結膜炎を引き起こす要因は多岐に渡ります。

マイコプラズマ感染症とは?

猫の結膜炎を引き起こすマイコプラズマ感染症。マイコプラズマとは真正細菌のひとつで、マイコプラズマに感染することで結膜炎の他、くしゃみや鼻水、発熱などの症状がみられるようになります。また、発熱も認められ、関節炎などの症状が見られる場合もあります。

マイコプラズマは通称「猫風邪」とも呼ばれ、主に猫の免疫力が低下してきたときに症状が見られるようになります。感染経路にはマイコプラズマに感染している猫との接触、もしくは飛沫感染となります。

マイコプラズマ自体の感染力はさほど強くはないですが、同室内で飼育している場合には感染を防ぐことは難しいでしょう。ただし、基本的には免疫力の低下している猫が発症してしまうため、予防策としては感染猫の隔離・治療、そして同居猫の免疫力を低下させないことが大事になります。

アレルギーで引き起こされる結膜炎

人間にもアレルギーが存在しますが、当然、猫にもアレルギーは存在します。アレルギーにも様々なパターンがあり、環境によるものや食べ物によるものなど色々です。中でも結膜炎に繋がりやすいのは環境によるアレルギーです。

環境によるアレルギーでは、人間で言うところの花粉症のようなもの。実は猫にも花粉症になる猫はいて、時期によって結膜炎を引き起こしてしまうことも。また、特に注意したいのはハウスダストによるアレルギー症状です。

ハウスダストはホコリやカビ、ダニの糞便・死骸など様々なものが挙げられますが、根本的には飼育環境が悪かったり、掃除が行き届いていないことが原因と言えるでしょう。

猫がハウスダストによるアレルギーを引き起こしているのであれば、おそらく飼い主さん自身にも何かしらの症状が見られるのではないでしょうか。ハウスダストによる影響は改善出来なくはないので、すぐに改善に取り掛かりましょう。

原因を突き止めることが予防策に


このとおり、猫の結膜炎を引き起こす要因にはいくつかの原因が関係していますので、愛猫が結膜炎を引き起こしている場合には、根本となっている原因を突き止めることが大事になってきます。

中には結膜炎自体を解決しても、根本となっている原因を改善できていなければ、すぐに結膜炎の症状をぶり返してしまう可能性もありますので、イタチごっこの状態にもなり得るのです。

結膜炎は比較的、飼い主さんにもわかりやすい症状ではありますので、日頃からしっかりと愛猫の顔を見るようにし、目や鼻水が出ていないかなどの簡単なチェックを行う癖を付けるようにしましょう。

また、アレルギーによるげんいんであれば、場合によっては動物病院で検査を行い、何がアレルギーを引き起こしているかを知ることも大事になってきます。

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結膜炎の症状

結膜炎の症状には、「結膜の部分が充血」する場合や「めやに」が多量に出てくるといった症状のほか、「眼球が腫れる」「目が開かなくなる」といった症状もでてきます。

また、結膜炎を発症した猫の行動も、しきりに目をこすったり床に顔をこすりつける、まばたきが多くなったりと、目が痒い為にこうした行動を起こすようになります。

一般的には命に関わる病気ではありませんので、緊急を要するまでではありません。ただし、結膜炎をほおっておくと、目から呼吸器へと細菌やウイルスが移動していき、呼吸器系の病気も併発してしまうこともありますので、あまり放置せずに、見つけたら治療を行うようにしましょう。

また、猫の目には、「瞬膜(第三眼瞼)」と呼ばれる、目を守る為の薄い膜があります。

この瞬膜は、猫の目の内側にあり、目についたゴミや目に潤いを与えるために、内側から外側に向かって動いて目を保護していますが、結膜炎によってこの瞬膜に炎症が起きると「チェリーアイ」などの症状を発症してしまうこともありますので、気を付けるようにしましょう。

結膜炎の治療方法とは?

結膜炎の治療方法は、その多くは点眼薬による治療が一般的です。単に点眼薬といっても、その原因となるものによって点眼薬が変わり、クラミジアなどの細菌が原因だった場合は抗生剤の点眼薬が処方されます。

また、点眼薬以外にも経口薬や軟膏タイプの抗炎症薬もありますので、場合によってはこちらを処方されることもあるでしょう。

ウイルス感染による結膜炎の場合は、抗ウイルス剤の点眼薬に加えてインターフェロンの投与がなされる場合もあります。

特に症状がひどくない場合は、点眼薬による治療で2〜3日で治るものもありますが、症状が重くなると時間もかかるようになりますので、早めの治療を心がけるようにしましょう。

根本となる病気を治療する必要がある場合も


ウイルス感染、いわゆる猫風邪が原因の場合は、結膜炎がひとつの症状となりますので、結膜炎の治療を優先するよりも、原因となっているウイルスを優先的に退治する必要があり、このウイルスを先に退治しなければ結膜炎も長期化してしまう事になります。

そのため、猫風邪などのウイルス感染による結膜炎の場合は、猫の体調を良くしていく必要があり、食欲などが落ちてしまっている場合は、点滴や栄養のある食事が必要になります。

根本となる原因を治療することが、結膜炎を治療する事に繋がりますので、まずはしっかりと原因となっている病気を突き止め、対処していくことが大切になります。結膜炎ばかりに気を取られて見逃さないようにしましょう。

猫の結膜炎は人にもうつる?

愛猫が結膜炎になって、飼い主さんとして気になる所が人間にも猫の結膜炎が映るのかどうかという点ではないでしょうか。

結論としては猫の結膜炎が人間にうつることはありません。とは言え前述の通り、結膜炎は単に結膜炎だけで発症する場合もあれば、病気で引き起こされる場合もあります。この病気がズーノーシス(人畜共通感染症)である場合、当然ながら人間にも病気がうつりますので注意が必要です。

ズーノーシスにはウイルス性のものや、細菌性のものなど、色々な種類があります。結膜炎に限らず、ズーノーシスから引き起こされる症状も色々ありますので、十分に注意しなければなりません。

ズーノーシスである病気について学ぶ必要がありますが、まずはこうした病気に感染しないような体つくりを飼い主さんも行なうことが大切です。

猫の結膜炎は非常に多い目の病気!【症状と対処法は?】のまとめ

結膜炎を予防するためには、ワクチンの予防接種が大切です。

予防接種を受けることで、猫風邪に代表されるウイルス感染を防ぐ事ができるので、結膜炎も未然に防ぐことが可能となります。

また、外を出歩く機会がある猫もリスクを伴いますので、外へと自由に出入り出来るような環境は止めましょう。

外ではどんなウイルスが蔓延しているかわかりません。たとえワクチンを接種していても、リスクはつきまといますので、室内飼いが最も理想的です。

さらに、人間の風邪予防と同じで、飼い主も手洗いを心がけましょう。細菌やウイルスはどこに潜んでいるかわかりません。

飼い主さんがウイルスを媒介する事も無くはないので、外で猫と触れ合う機会があった場合などは、自宅に帰ってからは手洗いや消毒をするようにし、飼い主さんもウイルス対策を心がけると安心です。

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