手作りキャットフードへ変えてみたいと思う方もいると思いますが、栄養素やカロリー等の重要なポイントを理解してるでしょうか?栄養過多・栄養不足になってしまう可能性もありますので、今回はこの「手作りフード」に必要な要素を解説してみます。

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キャットフードと手作りごはんの違い

単純に手作りフードを作りたいと思っても、実は簡単なことではありません。

昔ながらの「ねこまんま」のようなご飯は、カロリー計算もなされていない上に、「味噌汁」の具に猫の体にとって有害な成分が含まれていないとも言い切れません。

たとえ具が入っていなくても、溶け出した煮汁に成分が含まれているので、避けたほうが無難といえます。

一般に市販されているキャットフードには、

  • 猫に必要な一日分のカロリー
  • 栄養素
  • 体に有効な食材

が計算されて配合されており、バランスの取れた食事を簡単にとることが可能となっています。

手作りフードを作りたいと考えた場合は、この「1日分のカロリーと栄養素」「体に有効な食材」に注意して、ご飯を作っていくことがポイントとなります。

このようなカロリー計算や食材の選定は難しい事ではありますが、手作りフードを極める事は愛猫の「体調管理」や「食事管理」に繋がり、そして何よりも愛猫への手作りごはんには愛情が込められているので、猫も喜んで食べてくれる事でしょう。

猫の1日に必要なカロリーとは

ひとつの参考になるのが、現在食べているキャットフードの裏面に記載されている「原材料表示」と「成分表記」の欄です。

初めの一歩としては、おおよそこうした数値を目指すことになりますが、猫の体調や食いつきなどによって、微妙に配合を変えていけるのが手作りフードの強みです。

<1日に猫が必要なカロリー>は、

  • 1歳未満〜 250kcal〜700kcal
    1歳(成猫)〜 500kcal前後
    7歳(老猫)〜 成猫時よりも若干多め

以上に挙げたのが、一般的な猫の一日に必要なカロリー。

これをふまえて、猫の「年齢」や「体重」、さらには猫の「体調」をしっかりと確認しながら、1日のカロリーを計算してみましょう。

猫に必要な栄養素を知る

猫が肉食動物だと言うことは皆さんもご存知だと思いますが、猫にとっての必要な栄養素は私達人間と同じ、

  • タンパク質
  • 脂質
  • ビタミン
  • ミネラル
  • 炭水化物

の5大栄養素に加え、

  • 水分
  • 食物繊維

となります。肉食動物とは言え、肉ばかりを食べるわけではなく、バランスの取れた食事を摂ることが必要なのです。

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肉食動物は草を食べないイメージがありますが、これは「草食動物」が食べた食物繊維を、肉食動物が草食動物を捕食することで体内に取り込み、栄養のバランスを保っているのです。

こうした食物連鎖による食事が飼い猫には難しいため、必要な栄養素をしっかりと理解することが大事です。

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「タウリン」と必須アミノ酸について

猫にとってのタンパク質で重要なポイントは、タンパク質に含まれるアミノ酸の一種「タウリン」。

このタウリン、猫は体内で合成出来ないため、非常に重要な成分なのです。このタウリンが不足することで、失明や心筋症などの症状を引き起こします。

この他、猫の「必須アミノ酸」はタウリンを含めて11種類あり、「アルギニン」も非常に重要な成分となっています。

脂質と炭水化物

タンパク質と同様に、猫のエネルギー源となるのが「脂質」で、肉などの脂肪分から必要なエネルギーを吸収しています。

肉食である理由のひとつに、猫が「リノール酸」「アラキドン酸」といった成分を体内で作ることができないため、食事から摂取する必要があるのです。

これらは猫の「必須脂肪酸」と呼ばれ、脳や筋肉を動かすために必要不可欠な成分となっています。

こうした肉食ばかりの食事で、偏りがちな栄養素にバランスを持たせる役割を果たすのが米やとうもろこし等の「炭水化物」。

ほぼ全てのキャットフードにも含まれる、こうした米などの穀物に含まれる炭水化物は、必要不可欠とまではいかないものの、常に正常な栄養バランスを保つのに必要な栄養素なのです。

ビタミンとミネラル

カルシウムやナトリウム、マグネシウムといった血液や神経に必要な栄養素が「ミネラル」です。

猫の健康な生活を送るために重要な栄養素であるミネラルですが、このミネラルが体内に増えすぎると「結石」ができやすくなってしまうので、適度な量を摂取する事が必要です。

キャットフードには「尿路結石」に対応したフード=ミネラルバランスを整えているフードが最近では増えてきています。

おやつに煮干やかつおぶしなどをあげることが多いと、マグネシウム量が多いために結石に繋がりますので、注意が必要です。

「ビタミン」は人間でもおなじみの栄養素ですが、猫の体はビタミンAをはじめとした、B1、B2、B6、Dといったビタミン群を体内で生成できないため、食事から摂ることが必要となります。

他の栄養素とのバランスを良くするために必要不可欠なビタミン。中でも「ビタミンE」「ビタミンD」は特に必要なビタミンでもあります。

手作りキャットフードへ変えたい時に役立つ知識!【必要なカロリーや栄養素は?】のまとめ

こうしてみてみると、キャットフードがいかに簡単に、より正確に猫の栄養素を補える食事だと言うことがわかると思います。

しかし、こうした栄養素について詳しくなることで、より適切な「食事」や「おやつ」について理解できるという事に加え、猫の体調が不調だなと感じた時に「健康食」のような考え方で、プラスアルファの食事を与えることも可能となります。

少々難しいですが、愛猫の栄養士さんになるような気持ちで勉強してみると、楽しく学ぶことができますよ。

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