「ケアーン・テリア」を飼っている方もこれから飼いたいと思っている方も多いと思いますが、「ケアーン・テリア」と一緒に暮らすために、気をつけなければいけない事があります。犬種別の特徴を理解することが大切です。特徴や性質をチェックしてみましょう。

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ケアーン・テリアのルーツ

ケアーン・テリアといえば、映画「オズの魔法使い」の主役ドロシーの愛犬である「トト」役でとても有名になった犬種です。
イギリスのケアーン・テリア・クラブでの標語「The best little pal in the world(世界で一番小さな相棒)」でもあるように、この犬種はとても重宝されていたようです。

ケアーン・テリアのルーツは、スコットランドのスカイ島が原産であり、15世紀頃から農作物を荒らすキツネやアナグマ、カワウソなどの小害獣を駆除するための使役犬でした。ケアーン・テリアは、この小害獣が生息していた、積石の狭い隙間や穴に入り、追い出すことを得意としていました。

この頃、スコットランドにいたテリアは、白やグレー、レッドなど様々なカラーがあり、スコットランド原産ということから、全てひとまとめに「スコッチ・テリア」と呼ばれていました。

しかし、1837年にスコッチ・テリアから、まず「ダンディ・ディモント・テリア」という名称で独立し、残りのテリアは「スカイ・テリア」と称されましたが、1881年にスカイ・テリアは、「スカイ・テリア」と「ハードヘアード・テリア」に分離し、さらにハードヘアード・テリアは、「スコティッシュ・テリア」と「ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア」「ケアーン・テリア」に分けられ、ようやく今のケアーン・テリアが誕生しました。

ちなみに、「ケアーン・テリア」という名前の由来は、積石(cairn)にちなんで付けられました。古くからあるテリアで、犬種名で地名が使われない例は珍しいようです。

恐れ知らずなケアーン・テリアの性格

ケアーン・テリアの性格は、飼い主さんに対して忠実な性格で、常に期待に応えようと一生懸命になるところがあるようです。

元は使役犬として、主人となる飼い主とともに働いてきた犬種だけあり、しっかりとした躾を行ない、主従関係を良好に築くことができれば、飼い主さんに対して非常に忠実な犬種になるのです。

しかし、家族以外の人や他の犬に対しては友好的ではなく、特に去勢をしていないオス同士を会わせると、ケンカになることもあるので気を付けましょう。
また、使役犬の素質から、小動物を執拗に追っかけることがあるので、ウサギやフェレットなどの小動物との多頭飼いは避けた方が良いかもしれません。

ケアーンテリアは、怖いもの知らずな所があり、いざという時が来たら、飼い主さんや家族を守ろうと勇敢に向かっていく性質を持ち、番犬にも適している犬種なのです。

使役犬の本能が強いケアーン・テリア


元々は使役犬として、獲物を追っかける本能を持ち合わせているケアーン・テリア。ケアーン・テリアにおすすめの遊び方は、そんな使役犬としての本能をくすぐらせるような、「ボール遊び」や「追いかけっこ」など、家族で楽しめるような遊びを一緒にするのがベストです。

ケアーンテリアの性格は、とても明るく活発であり、子供に対して友好的に遊ぶことを好み、頑丈な体質であることから、子供から多少乱暴に扱われても気にせず遊びます。そのため、ちょっと激しいかな?くらいの遊びでも、ケアーン・テリアは楽しんでくれることでしょう。

小さなお子様がいる家庭では、しっかりと飼い主さんが主人となってケアーン・テリアのボスとなり、子供ともこうして遊べるような関係を築くことができれば、ケアーン・テリアにとっても、お子様にとっても唯一無二の関係を築くこともできます。

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ケアーン・テリアの被毛

ケアーン・テリアは、雨風に強い剛毛の「オーバーコート(上毛)」と、柔らかく密生した「アンダーコート(下毛)」の二層構造からなる「ダブルコート」の被毛の持ち主です。
ケアーンテリアの被毛のカラーは、「クリーム」「ウィートン」「レッド」「サンド」「グレー」「ブリンドル」などがありますが、「純黒」「ブラック&タン」「ホワイト」は認められていません。

一般的に飼育されてるケアーン・テリアのトリミングは、クリッピング(バリカンで毛を刈られること)されていることが多く、毛質が柔らかい子が多いです。

中には、ストリッピングといい、ケアーン・テリア本来の硬い毛や色を保つためや、毛量を増やすために、頭や背中毛を完全に抜くトリミング方法もあります。これは、オーバーコートを抜くことで毛質が良くなり、アンダーコートを抜くことで通気性も良くなり、皮膚にも良いとされています。

ケアーン・テリアとトリミング

ケアーン・テリアは皮膚が弱い犬種であるため、前述でも触れたストリッピング(もしくはプラッキングとも呼ばれます)を行うのが推奨されます。

ストリッピングには、被毛を抜いて毛の生え変わりを手助けする役割もありますが、こうして毛を抜くことで皮膚を鍛えると言う効果も得られます。ケアーン・テリアに限らず、多くのテリア種は皮膚が弱いのが弱点であるため、テリア種全般はこのストリッピングが行われることも多いのです。

こうして文章として書くと単純に毛を抜く作業のようですが、当の本人にしてみると毛を無理やり抜かれるわけですから、当然痛みが生じるため、ストリッピングにはある程度の技術が必要になります。そのため、ケアーン・テリアをトリミングに出す際にはストリッピングについての技術も求められます。

飼い主さんが行えるようになれば、定期的に飼い主さんがストリッピングを行ない、全体的なトリミングはトリマーさんに任せると言う方法が理想的かもしれません。

ケアーン・テリアがかかりやすい病気

ケアーン・テリアは、「アトピー性皮膚炎」など皮膚疾患も多い犬種として知られています。

アトピー性皮膚炎とは、アレルギーの原因であるアレルゲンが、何らかの要因で体内に入ることで、皮膚のバリア機能を低下させ、皮膚炎を引き起こす病気です。アトピー性皮膚炎は一度発症すると完治が難しく、一生付き合わなければならない事がほとんどです。

また、ケアーン・テリアは、「緑内障」などの目の疾患にも気を付けなければいけません。緑内障とは、眼圧(眼球の内圧)が高くなることによって視覚障害を引き起こす目の病気です。

瞳孔が開きっぱなしになったり、眼球が飛び出るというような症状があり、この他にも、目の痛みのせいで頭を触られるのを嫌がったり、失明することがあります。

ケアーン・テリアの寿命


ケアーン・テリアの寿命はおおよそ13歳〜15歳ほど。中には15歳を越える子も珍しくありません。

ケアーン・テリアの寿命は小型犬の一般的な寿命と同じですが、出来るだけ長生きしてもらうために大切なのが、ストレスや運動不足です。

ケアーン・テリアは非常に活発な犬種ですので、多くの運動量を必要とします。使役犬としてやってきたわけですから、その運動量は想像がつくでしょう。そのため、ドッグランや毎日の散歩は欠かせない要素となります。

運動不足や遊ぶことが少ないとストレスを貯める原因にもなってしまいます。ストレスは人間と同じく、犬にとってもよくないもの。ストレスが原因となって、肥満を招いたり、体に支障をきたしてしまうこともあるのです。

日頃からしっかりと運動不足にならないような生活を送らせるようにし、また、しっかりとした主従関係を保つようにして、ストレスのない生活を送れるようにしてあげましょう。

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ケアーン・テリアのブリーダー

ケアーン・テリアは希少犬種というわけではありませんが、比較的ペットショップで見かける機会の少ない犬種でもあります。そのため、ケアーン・テリアを探す際にはペットショップを巡るよりも、ケアーン・テリアの繁殖を行っているブリーダーを探したほうが良いかもしれません。

しかし、ケアーン・テリアの繁殖を常時行っているブリーダーも多いわけではないため、ウェブなどの情報を頼りにブリーダーを探すこととなるでしょう。

ペットショップでも、ごくまれに見かけることはあるものの、確実にケアーン・テリアを迎え入れると考えれば、やはりブリーダーから迎え入れるのがおすすめといえますので、根気強くブリーダーを探すようにし、お気に入りのケアーン・テリアを迎え入れられるようにしましょう。

ケアーン・テリアの販売価格

前述の通り、ケアーン・テリアはやや希少種といったレベルではあるので、安価な価格で取引される犬種ではありません。しかし、飛び抜けて高価というわけではなく、相場価格としてはおおよそ15万円前後といったところ。価格が高騰しても20万を大きく越える事も無いでしょう。

ブリーダー直販である場合にはこれくらいの価格で、ペットショップに並ぶとすると、これよりもやや高額な金額になるでしょう。

ケアーン・テリアは非常に活発な犬種ではあるので、ケアーンテリアを迎え入れる際には、しっかりと飼育環境を整える必要があります。

また、ケアーン・テリアを探す際にもやや時間を要すると思いますので、探している間にしっかりとケアーン・テリアについての知識を高めるようにし、いざケアーン・テリアを発見した時にはすぐに迎え入れられるような体制を整えておきましょう。

ケアーン・テリアと暮らすために

ケアーン・テリアは、小型犬と言えども、体力があるため、運動量はそこそこ必要になります。毎日の散歩の他にも、ドッグランへ連れて行くなどの自由運動も取り入れると、尚良いでしょう。

また、独立心や自尊心が強いせいか、トレーニング中に頭ごなしに叱ったり、無理強いしたりすると、愛犬の失意のきっかけとなり、思うようにトレーニングできなくなります。
ちゃんと出来たときは思いっきり褒め、ダメな時はちゃんと叱るなど、躾にメリハリをつけた「飴と鞭」作戦でトレーニングをすると効果的かもしれません。

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