うさぎの基本的な食生活は「ペレット」と呼ばれるごはんと「牧草」を中心に与えていきます。また、おやつ代わりやプラスαとして「野菜」や「果物」も取り入れると、よりよい食事管理が整うでしょう。今回はうさぎの食事と体に良い食べ物について解説します。
うさぎとのコミュニケーションの場に
毎日の食事の時間は、飼い主とうさぎにとってコミュニケーションがとれる楽しい時間であり、うさぎに必要な栄養を与える大事な時間ですね。うさぎの体に良いもの、必要な食べ物を知り、元気に過ごさせてあげましょう。
そして、エサを入れる容器、水を入れる容器を最適なものを選ぶことも、良い食事の時間にするポイントの一つ。また、エサを入れる適した容器は、うさぎの性格によっても変わります。おとなしいうさぎであれば心配はありませんが、元気なうさぎは食器をひっくり返してしまう恐れもあるためです。
元気なうさぎが容器をひっくり返さないよう、重いステンレス製の食器や陶製で口が広いタイプの食器を選ぶとがよいでしょう。木製やプラスティック製だと、かじられてしまうことがあります。また、ケージなどに容器を固定できる物を利用すると安心かもしれません。
食べ物の水分の量にも注意
エサと同じく必要なものに「水」があります。うさぎはたくさん水を飲む動物なので、大きめのボトルで用意してあげましょう。錆びる心配の無いステンレス製の吸い口のものがおすすめです。
設置する場所は、うさぎが飲みやすい位置に吸い口がくるよう、取り付けてあげてください。また、水も皿で用意する際には、エサの容器と同じように、重くて安定感のある容器を選ぶと良いと思います。
うさぎに与えて良い果物や野菜の中には、水分量が多い食材もたくさんあります。理想的なのは、こうして水をしっかりと用意してあげるようにし、食材からの水分量を抑えてあげることです。
意図とせず、食材の水分量が多いと、軟便になったり下痢を引き起こしてしまう可能性があるため、飲水だけで水分量をコントロールしたほうが飼い主さんとしてもわかりやすいのです。
うさぎに与えたいペレットについて
ペットショップなどでは、「うさぎ用ペレット」として販売されています。ペレットは牧草を小麦粉で固めたもので、様々な種類が売られています。
固い「ハードタイプ」、軟らかく食べやすい「ソフトタイプ」がありますが、うさぎの不正咬合を防ぐことを考えると、歯を削る作用が期待できる「ハードタイプ」が良いかもしれません。
原材料や栄養成分のチェックも忘れず、「保存料」「着色料」などの添加物を使用していない信頼できるメーカーのものを選びましょう。
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うさぎに与えたい干し草について
【アルファルファ系】
アルファルファ系のものは、風味が良いうえに、栄養も豊富なことから、ペレットの原材料として使われています。特に栄養を必要とする子うさぎや、妊娠中のうさぎに与えると良いでしょう。
【チモシー系】
アダルト期のうさぎのえさに適しています。チモシー系は、えさとしてだけではなく床材としても使われている干し草です。
これらの干し草のえさは、繊維質が多いことから、うさぎの食欲が落ちてきている時や、お腹の調子が悪くて下痢になってしまった時などに調子を整える作用があります。
また、うさぎが毛づくろいをしている時に飲み込んだ毛が、胃の中に溜まってしまう「毛球症」を予防できたり、牧草を歯ですりつぶすことで不正咬合を予防出来るので、チモシー系の牧草であれば、常に食べられるような状態にしましょう。
うさぎの好きな野菜や果物
【野菜類】
うさぎは野菜も大好きですから、新鮮なものを選びましょう。普通に手に入る、「コマツナ」「チンゲンサイ」「ニンジン」「カボチャ」「キャベツ」「ブロッコリー」や、「カブの葉」「ダイコンの葉」など、残留農薬が残らないように、よく水で洗い、水気を取ってからうさぎに与えます。
同じ野菜でも、「タマネギ」は、中毒を起こす可能性がありますから、うさぎに与えてはいけません。
【果物】
果物は主食というよりは、おやつとして一週間に数回程度にします。「イチゴ」「リンゴ」「バナナ」「ブドウ」などがよいですが、水分が多いものを与え過ぎると、腸の調子を崩して下痢になる可能性がありますから注意しましょう。
タマネギ同様、「アボカド」も中毒を起こすことがあるので、うさぎには与えないようにしましょう。
野草の注意点
【野草】
「タンポポ」「シロツメクサ」「ハコベ」「オオバコ」「ナズナ」など、うさぎが食べられる野草を摘んでくることができますが、農薬や衛生面の心配があります。
市販の野菜にも言えることですが、体調を崩すリスクを考えると、自分で牧草や野菜を育てるということも出来ます。園芸店などで、アルファルファや、クローバーなど色々な種が扱われていますから、うさぎにとって体に良い物を育ててあげれば、安心ですね。
夏バテの時には
日本の気候は高温多湿で、すぐに夏バテに陥ってしまうような気候をしています。特に真夏は室内でも夏バテの危険がありますが、うさぎが夏バテになってしまい、食事も思うように摂れていない場合には、飼い主さんがいち早く異変に気が付き、しっかりと栄養を摂取できる食べ物を与える必要があります。
最も効果的なのが果物をトッピングしてあげることですが、うさぎの体長や便の状態をよく確認し、適量を与えるようにしましょう。あくまでも食欲を「焚きつける」ためのものですので、適度に水分を摂取でき、食欲も増進するような果物が適しているのです。
ただし、うさぎによっても好みは別れますので、日頃からうさぎの好みを把握しておく必要があります。
冬に適した食べ物とは
今度は冬に適したうさぎの食べ物について見てみましょう。
基本的には季節に応じて、季節の野菜を与えるという考え方で問題はありませんが、前述の通り、野菜であれば何でも良いというわけではありませんので、うさぎにとって適した季節の野菜を選ぶようにしましょう。
冬であればかぼちゃやブロッコリーがおすすめです。これらの野菜を「温野菜」で調理して、しっかりと温度を冷ましてから与えてみましょう。室内の温度にもよりますが、あまりみずみずしい状態の野菜を与えてしまうと体が冷えてしまいかねませんので、常温にまで冷ました野菜を与えてあげるようにしましょう。
また、カボチャを薄くスライスしてチップスにしてみるのも良いかも知れません。
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うさぎにきのこを与えてもよい?
うさぎに「きのこ」を与えられるかという質問がありますが、与えないほうが賢明というのが答えになります。サプリメントなどではキノコが使われているものもありますが、それは確実にうさぎのからだに害がないと判断されたものです。
きのこであれば何でも良いというわけでもなく、また、近所の草むら等に生えているきのこも危険と言えるでしょう。近年はうさぎと一緒に外で散歩を楽しむ「うさんぽ」なども流行っていますが、大きな公園等にもキノコが生えている場合がありますので、注意しましょう。
キノコ自体に毒があるかないかもわかりませんし、そもそも排気ガスや様々な物にまみれたような場所に生えているきのこですので、健康に良いとは決して言えません。うさぎには念の為、キノコを与えないようにしましょう。
食欲不振の時には
うさぎの体調が優れなかったり、体長を崩してしまって食欲不振に陥ってしまっている時には、先ず第一に、栄養云々よりも食べてくれる食べ物を与えるようにしましょう。
うさぎの食欲不振は命を落としてしまう可能性が非常に高く、絶食させてしまうと取り返しのつかない自体になります。早ければ数時間の勝負となるでしょう。
こうした事態に陥る前に、なんでも良いのでうさぎが食べるものを与えるようにします。先にあげた、リンゴやバナナは水分量が多い分、少量でも食事と水分を摂取することができますので、細かく刻むか、すりつぶしたものを「シリンジ」等で強制給餌させる方法があります。
まずは絶食させないよう、最新の注意を払って食事を与えるようにしましょう。
うさぎの食事はバラエティ豊かに
うさぎの食事は、ペレットを基本に干し草や野菜、おやつとして果物を与えるという形になります。うさぎが食べたい分だけあげるというわけではなく、ペレットの場合は、決められた分量をきちんとチェックしてから与えましょう。
うさぎは、一日二回、朝と夕方にえさを与えますが、前のえさが残っていた場合は、全て捨ててください。カビや傷んだものを食べて体調を崩す恐れがあります。いつも、新鮮なものを用意するようにしましょう。
水もうさぎにとって、とても必要なものです。屋外で飼っているうさぎの場合は、冬の期間の水の凍結に気を付けましょう。いつでも、新鮮な水が飲めるように用意してあげてください。与えるえさは、ひとつのものに偏らず、栄養バランスを考えて体に良いバラエティに富んだものを選んであげましょう。
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