「つい最近まで元気に遊び回ってたのに、もう老猫の心配?」と思う方もいるとは思いますが、猫の年を取る早さはアッという間なのです。ここでは、そんな愛猫が老猫になった時、どのように接したら良いのかを考えてみましょう。

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老猫の介護について

「この子の人生、最期まで面倒を見よう」と心に決め、愛猫と暮らし始める方が多いと思います。しかし、その愛猫が老猫になった時、思った以上の苦労や予期せぬ事態に、飼い主さんが頭を抱えてしまうこともあるでしょう。

今回は、愛猫が老猫になった時に、どのように気配りをして、どのような介護をしたら良いのか、「あの時、もっとこうしてあげられたかもしれない」「もっとこうしてあげれば良かった」と、愛猫が亡くなった後に後悔しないような介護を考えていきましょう。

老猫の食事

猫は年を取ると、自然に食事の量も減りますので、いかに少量のフードで、いかに十分な栄養を摂らなければいけないかが重要なポイントとなります。また、消化機能が衰えたり、代謝機能が低下してしまうため、消化吸収の良いキャットフードを選ぶ必要があるでしょう。

また、老猫になると、自分で喉の渇きを自覚しにくくなるため、水を飲む量が減り、脱水症状を引き起こしたり、腎臓や肝臓に負担をかけてしまうことがあります。愛猫が自ら水を飲めなくなった時は、定期的にシリンジやスポイトを使い、新鮮な水を飲ませてあげることが必要です。そのためにも、嫌がってストレスにならないように、シリンジやスポイトを使って水を飲むことに慣れておいた方が良いかもしれませんね。

老猫の食事の与え方

キャットフードの粒が大きくて食べづらい場合は、水かぬるま湯でふやかしたり、キャットフードを砕いてみると良いでしょう。
また、愛猫の鼻が老化によって効かなくなって、匂いに鈍感になり、食欲が湧かなくなった場合は、柔らかくしたキャットフードを電子レンジで数秒温めることで匂いを感じさせるようになります。

もし、愛猫が立てなくなり、自ら食事ができなくなった場合、愛猫を抱っこなどをして頭を少し高い状態に保ちながら食事を与えます。この時、寝たまま食事を与えてしまうと、フードが飲みきれなかった場合、食道にフードが詰まってしまうことがあります。

愛猫が寝たきりの状態になり、流動食を食べさせる場合も、抱っこをしたりクッションなどを使って、頭の位置を少し高くして、シリンジなどで流動食を口の横から流し入れるように与えましょう。

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老猫の運動

猫は犬のように散歩へ行くことができないので、なかなか適切な運動を取り入れることが難しいため、猫の老化による筋力低下を抑えることができません。そのため、部屋の中を少しでも動き回れるような工夫が必要になります。低めのキャットタワーを置いてみたり、寝床や食事をする場所まで低い段差を付けてみるなど、愛猫にとって無理のない程度で運動させてあげましょう。

立つことができなくなったり、寝たきりになった子は、動かなくなると筋肉も落ちて、関節も硬くなってきますので、リハビリやマッサージなどして、コミュニケーションを取りながら、愛猫の心のケアも一緒にしてあげると良いでしょう。

老猫になると、家の中でも動く機会が減り、寝てることが増えてしまいます。寝たきりになると、足腰も動かなくなり、食事や排泄も自分でできなくなってしまい、介護をしなければいけないことも増えるため、飼い主さんの負担も大きくなります。寝てばかりいるからと、ずっと寝かせるのではなく、できるだけ愛猫の心に刺激を与えて、気持ちを若く保たせることも必要です。

老猫の床ずれ

愛猫が寝たきりになった時、気を付けなければいけないのが床ずれです。特に痩せて骨が出やすくなる肩や腰、足の関節は床ずれを起こしやすく、血流が悪くなり、皮膚の一部が壊死してしまいます。また、痛みや痒みを伴う傷ができたり、水ぶくれが破裂してジュクジュクと化膿することもあります。

床ずれの初期の場合は「湿潤療法」という、傷口を乾燥させず、湿らせた状態を保つことによって、細胞が活性化しやすくなり、傷を早く治すという治療法があります。これは、水洗いした傷口にワセリンを塗り、その上に食用のラップを巻いてテープで止めるという、家にいながらケアができる治療法ですが、あまり傷口が悪化するようなら病院へ連れていきましょう。

また、床ずれができた場合の愛猫の寝床は、普段寝ている場所に低反発マットやウォーターベッドなど、体の一部分に圧力が集中するものではなく、広い面に圧力が分散されるようなものに変えると良いでしょう。

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老猫の排泄

老猫になると、尿が出づらくなるため、膀胱炎になったり、便秘になることがありますので、水分を多めに摂らせることが必要になります。
また、自力での排尿や排便が難しくなった場合、愛猫の体をマッサージや圧迫をすることで排泄を促しますが、マッサージの仕方は、その子の症状や性別によっても異なってきますので、獣医さんの指導を仰ぎましょう。

痴呆になると、所構わず排泄してしまうことが増えてきてしまいます。しかし、そんな時は決して叱ったりしないで下さいね。愛猫がトイレを失敗してしまう時は、ペット用のオムツを使用するのが良いでしょう。オムツを使用する際、予めお尻周りや肛門周りを短くカットして置いた方が、愛猫の汚れも最小限で済みます。

また、オムツを嫌がる子は、寝床一面にペットシーツを敷き詰めるのですが、この時ペットシーツの下に撥水性のタオルシーツを敷くと、裏面がラバーのようになっているので、排尿しても寝床に染みこまず便利に使用できます。また、この場合、オシッコで体が汚れがちになりますので、綺麗にして清潔な状態を保ってあげましょう。

さいごに

老猫を介護をしていると、不安になったり、イライラが募り、「もういい加減にして!」と怒鳴ってしまったことで自己嫌悪に陥ってしまったり、「この先、こんな生活がいつまで続くんだろう」と、終わりが見えない介護に時間が、とてつもなく長く感じることもあると思います。

そんな時は、一人で思い詰めるのではなく、家族や病院の先生に相談してみましょう。また、日頃から猫ちゃんのママさん友達を作り、交流しておくと、愛猫の介護に行き詰まった時に、良き相談相手になってくれるでしょう。

「話をする」
ただそれだけで気が楽になることもありますよ。

老猫を介護することは、並大抵の苦労ではありません。介護にかかる労力や時間、経済的や精神的にも負担はかかるでしょう。
今や、簡単にペットが手に入る時代ですが、そのペットが老猫になった時、自分は何歳になるのか、最後まで育てることができるのか、猫を飼おうと思う前に、飼育できる環境にあるのか、もう一度見直す必要があるのではないでしょうか。

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