国内製造・国内原料にこだわった日清ペットフードのキャットフード「jpスタイル」シリーズ。国内産であるだけに、その内容に関しては安心のキャットフードなのでしょうか。今回はjpスタイルの内容に関して調べてみました。

スポンサーリンク

「国産」にこだわったペットフード「jpスタイル」

人間用の小麦粉などでもお馴染みの「日清製粉」グループ。この日清製粉のペットフードを手がける会社が「日清ペットフード株式会社」です。日清ペットフードでは様々なペットフードが開発・販売されており、中でも日清ペットフードの代表といえるのが「jpスタイル」という製品です。

jpスタイルは、国内での研究・開発、製造、国産主原料にこだわったペットフードで、ステージ別でフードを選べる他、バランスの良い配合がされている「トータルボディケア」や、こだわりの条件で選べる「セレクトヘルスケア」と言ったラインナップが揃います。

また、同じjpスタイルでも「jpスタイル ゴールド」はペット専門店でのみの取扱という、よりグレードの高くなったjpスタイルが展開されています。スーパー等の量販店で購入できるのが「jpスタイル」、専門店でのみ扱っているのが「jpスタイル ゴールド」という分け方ですね。

日本産だと安心?

人間用の食品であれば「国産」である安心感は大きなものですが、実はペットフードに関しては「国産」である安心感は、それほどでもないというのが現状です。というのも、ペット先進国であるドイツ等では、ペットフードに使用される主原料に関しても人間と同じレベルである「ヒューマングレード」が当たり前という状態。さらに、食品添加物に関しても一切使用しない、というよりも使用が認められていません。

一方の日本ですが、日本はまだまだペット先進国と呼ぶには程遠いような状況なのです。ペットフードに関しても、日本ではまだまだヒューマングレードのペットフードもごくわずか。一部、添加物に関しての「決まりごと」は定められたものの、規制されるまでには至っていません。そのため、非常に安価な価格で作られているペットフードも多く見られ、内容に関しても粗悪な商品が多いのが現状です。

また、国産のフードに関しては栄養基準も曖昧なものが多いのです。海外では「AAFCO」と呼ばれる、ペットフードの栄養基準値を数値化した機関が存在し、それぞれのメーカーがこのAAFCOの栄養基準を元にペットフードを開発しています。(もちろん海外といえど、粗悪品もありますが)AAFCOの基準値は今や世界的な基準値にもなっているので、国産フードに関しても参考にしてもらいたいところですが、現状はまだまだレベルが低いという感じです。

jpスタイルに関しては「国産」を特徴としたキャットフードですが、正直なところ日本以外のアジア諸国で作られているペットフードよりは安心という程度でしょうか。上記にも挙げたように、ペットフードに対する安心感は、AAFCOの基準値による開発や、素材の新鮮さ、使用される部位、添加物の不使用という点であり、全てが「国産」であるというポイントではありません。

スポンサードリンク

主原料の違いは?

「国産」に対する厳しいコメントが続きましたが、jpスタイルの原材料を実際に見てみましょう。ここでは「jpスタイル」と「jpスタイル ゴールド」の両者を比較していきたいと思います。

【jpスタイル 和の究み トータルボディケア猫用 1〜6歳までの成猫用 原材料】
小麦全粒粉/チキンミール/でんぷん/削り節ミール/ビーフオイル/馬鈴薯たんぱく/コーングルテンミール/ビートパルプ/ホミニーフィード/中白糠/粉末セルロース/フィッシュパウダー/フィッシュオイル/小麦粉/オリゴ糖/β-グルカン/ユッカ抽出物/有胞子性乳酸菌/ミネラル類(カルシウム/リン/カリウム/ナトリウム/塩素/鉄/銅/マンガン/亜鉛/ヨウ素)/フマル酸/アミノ酸類(メチオニン/タウリン)/ビタミン類(A/D/E/K/B1/B2/B6/パントテン酸/ナイアシン/葉酸/コリン)/酸化防止剤(ローズマリー抽出物)

【jpスタイル ゴールド 和の究み 猫用 1〜6歳までの成猫用 原材料】
小麦全粒粉/チキンミール/でんぷん/削り節ミール/ビーフオイル/馬鈴薯たんぱく/コーングルテンミール/ビートパルプ/ホミニーフィード/中白糠/粉末セルロース/フィッシュパウダー/フィッシュオイル/小麦粉/オリゴ糖/β-グルカン/ユッカ抽出物/有胞子性乳酸菌/CoQ10/ミネラル類(カルシウム/リン/カリウム/ナトリウム/塩素/鉄/銅/マンガン/亜鉛/ヨウ素)/フマル酸/アミノ酸類(メチオニン/タウリン)/ビタミン類(A/D/E/K/B1/B2/B6/パントテン酸/ナイアシン/葉酸/コリン)/酸化防止剤(ローズマリー抽出物)

両者を比較してみると、jpスタイル ゴールドに配合される「CoQ10(コエンザイムキューテン)」以外は同じ原材料で作られていることが分かります。全体的に見てみると、さすがは日清製粉といった感じでしょうか。主原料には「小麦全粒粉」が使用されています。

日清製粉の得意とする全粒粉ではありますが、猫にとっては穀物となりますので、正直なところ猫が求める栄養というわけではないようです。また、近年では穀物アレルギーを持つ猫も増えていることから、アレルギーを持つ猫はjpスタイルは避けたいところでもあります。国産という点は良いものの、もう少し猫の栄養にに沿った原材料配分が望まれます。

成分の違いは?

次にjpスタイルの成分に関してみてみましょう。こちらはjpスタイルとjpスタイル ゴールドで違いが見られます。食物繊維の量も増え、消化に配慮された内容となっており、他の成分のバランスも考えられた内容となっています。

【jpスタイル 和の究み トータルボディケア猫用 1〜6歳までの成猫用 成分】
水分(10.0%以下)/たんぱく質(30.0%以上)/脂質(12.0%以上)/粗繊維(5.0%以下)/灰分(9.0%以下)

【jpスタイル ゴールド 和の究み 猫用 1〜6歳までの成猫用 成分】
水分(10.0%以下)/たんぱく質(30.0%以上)/脂質(12.0%以上)/粗繊維(5.0%以下)/灰分(9.0%以下)/食物繊維(8.0%(標準値))リノール酸(0.8%以上)カルシウム(1.0%以上)リン(0.8%以上)マグネシウム(0.09%(標準値))ナトリウム(0.5%(標準値))

まとめ

今回は日清ペットフードのjpスタイルに関して調べてみました。「国産」にこだわる姿勢は良かったものの、残念ながら猫にとって最良と呼べるキャットフードでは無いかもしれません。とはいえ、国内の安価なキャットフードと比較すると、無駄な添加物も使用されておらず、国内のキャットフードで比較すると良いキャットフードに入る内容です。(海外産の一部のキャットフードよりも良いかもしれません)

猫にとっては消化のしにくい原材料が多く含まれており、ミール類も目立つことから、安価なキャットフードという位置づけにはなりますが、国内産であることが重要と考えるのであれば、良いフードになるかもしれません。消化に悪いキャットフードは肥満を引き起こしますので、十分な運動量を維持しつつ与えるのがおすすめです。

※内容は2017年4月時点での情報になります。原材料、商品名等の内容は変更している場合があります。

スポンサーリンク