犬の種類には様々な特徴や気をつけなければいけない事などがあり、犬を飼う上では犬種別に特徴を理解することが必要になります。今回は「アイリッシュ・ウルフハウンド」について、飼っている方もこれから飼いたいと思っている方もチェックしてみましょう。

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アイリッシュ・ウルフハウンドとは

アイルランドの国犬であるアイリッシュ・ウルフハウンドとは、体高80~90cm、二本足で立ち上がると2mにもなる超大型犬種で、全犬種中最大の体高を持つ犬として知られています。

また、その名の通り、オオカミ狩りに使用され、オオカミと対等に渡り合ってきたり、闘犬として勇敢に闘ってきた歴史も持ちますので、一見、威圧的で近寄りがたいという印象を受けますが、実際は温厚で優しい性格の持ち主です。

アイリッシュ・ウルフハウンドのルーツ

アイリッシュ・ウルフハウンドのルーツは定かではありませんが、紀元前273年頃には既に存在していたと言われる、非常に古い歴史を持つ犬種の一つです。紀元前15世紀頃にはギリシャからアイルランドへと渡り、だんだんと大型化されたと考えられています。

アイリッシュ・ウルフハウンドは、その優美さや、堂々とした風貌で人気を博しており、特に、狼とも対等に戦える勇敢な犬として知られていたので、その優美な姿はもちろん、勇敢な狩猟犬としても人気の高い犬種でした。

古い記録では紀元前400年頃、古代ローマへの貢物としてアイリッシュ・ウルフハウンドが献上されていたという記録も残されており、アイリッシュ・ウルフハウンドがただの犬として扱われていなかったと言うことが、史実からも伺えます。

狩猟犬として活躍したアイリッシュ・ウルフハウンド

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アイルランドでは、1800年代頃まで農家で飼育されていた家畜が、オオカミやキツネといった野生動物に襲われる事が多く、こういった野生動物の襲撃から家畜を守るために、アイリッシュ・ウルフハウンドの存在は必要不可欠となっていました。

古代アイルランドでは、大型の猟犬は「ク」という勇敢さを意味する呼び名があり、アイリッシュ・ウルフハウンドも、その当時は「ク・ファオイル(勇敢な猟犬)」と呼ばれ、重宝されていたようです。また、その勇敢さから闘技場で獰猛な動物と闘う闘犬として活躍していました。

しかし、その後オオカミの数が激減し、それに伴ってアイリッシュ・ウルフハウンドの需要が無くなったこと、さらには1845年の飢饉が原因で、この犬種は絶滅の危機に陥りますが、1862年にイギリスの陸軍大尉ジョージ・グラハムが、アイリッシュ・ウルフハウンドを軍用救助犬として使途できるように育種し、頭数復活に尽力しました。

アイリッシュ・ウルフハウンドの性格

アイリッシュ・ウルフハウンドは、基本的にはとても穏やかで優しく、忍耐強くてのんびりとした性格の犬種です。特に、小さい子供がいる場合には、吠えたり噛んだりすることもなく、辛抱強く子供の相手をしてくれるような、心のやさしい犬種です。

昔オオカミ狩りをしていた時代は、自分の身を犠牲にしてでも、オオカミから子供を守ってきた事もあるという逸話も存在するなど、アイリッシュ・ウルフハウンドは飼い主に対しても、子供に対しても、心の優しい一面を覗かせる犬種です。

このように、アイリッシュ・ウルフハウンドは飼い主さんや、その家族に対しても忠実な性格を持ちます。しかし、一方で家族以外の人などには強い警戒心を持つこともあるので、幼少期から様々な人に会わせる機会を作ってあげると良いでしょう。

アイリッシュ・ウルフハウンドの、しつけに関する注意点とは

我慢強い性格を持つアイリッシュ・ウルフハウンドは、留守番といった多少の我慢が必要なシーンでは問題ありませんが、基本的には感受性も豊かで、ストレスを抱えやすい一面もある犬種です。ですので、急な環境の変化などは体調を崩す場合もありますので、慎重に接してあげるようにしましょう。

また、アイリッシュ・ウルフハウンドは素直な性格で、賢く、物覚えも早いので、しつけも入りやすい犬種です。こうした性質が、狩猟犬として農民からも重宝されていたのでしょう。

しかし、幼少期の内にきちんとしたしつけを怠ると、体が大きい分、飼い主さんのコントロールが利かなくなり、周囲を危険に晒す事も考えられますので、飼育には注意が必要です。アイリッシュ・ウルフハウンドを迎え入れる際には、幼少期からの服従訓練を徹底しておくことが大切です。しつけに自信が無いのであれば、早いうちにトレーニングのスクールに出すこともお勧めします。

アイリッシュ・ウルフハウンドの被毛

アイリッシュ・ウルフハウンドの針金のような硬い被毛は、寒さや湿気、敵の襲撃から身を守る役割を果たしています。また、この被毛は濡れても乾くのが早いので、シャンプーなどのお手入れも比較的楽でしょう。

アイリッシュ・ウルフハウンドの被毛のカラーは、「ブラック」「グレー」「フォーン」「ブリンドル」「レッド」などが認められています。

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アイリッシュ・ウルフハウンドがかかりやすい病気

【股関節形成不全】
股関節形成不全とは、股関節が正常に形成されなかったり、変形されることで、歩き方に支障をきたす骨の病気です。
肥満体型は、股関節形成不全を引き起こすきっかけとなってしまいますので、子犬の頃から肥満にならないように、食事の管理は徹底するようにしましょう。

【胃捻転】
胃の内容物が発酵し、発生したガスで胃がパンパンになり、その胃が捻転してしまう病気で、大型犬に多く見られ、致死率も高い病気です。ついさっきまで元気にしていると思ったら、急にぐったりとするなど、早急に処置をしないと、最悪の場合死に至る病気です。
予防としては、食事の後はしばらくは安静にさせることや、水のがぶ飲みは避けること、早食いさせない事など、十分に気を付けてあげましょう。

【肥大型心筋症】
肥大型心筋症とは、心臓の筋肉が内側へ向かって厚くなり、心室が狭くなってしまうことで、全身に十分な血液を送ることができなくなる病気です。そのため、体はバランスを取るために心拍数や血圧を上げるようになります。

初期の症状は、すぐに疲れてしまったり、じっとしていることが増えたり、少しの運動でも息切れするなど、犬の老化と間違われることが多いため、なかなか初期の発見は難しいと言われています。そして進行すると、肺水腫や胸水を引き起こしたり、血管や心臓の中で血液が固まる血栓症になり、最悪の場合死に至る恐ろしい病気です。

アイリッシュ・ウルフハウンドに限らず、超大型犬種は大きい体の割に心臓が小さく、心臓に掛かる負担が大きいと言われていますので、年に一度、定期的に心臓の検査を受けることをお勧めします。

アイリッシュ・ウルフハウンドのブリーダーは?

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アイリッシュ・ウルフハウンドは、一般的にはペットショップ等で販売されることは無い、珍しい犬種でもあります。そのため、もし飼いたいと考えるようであればブリーダーに直接依頼するといった方法で、アイリッシュ・ウルフハウンドを手に入れる必要があります。

といっても、アイリッシュ・ウルフハウンドのブリーダー自体も多いわけではありません。一つの方法としては、ブリーダーのポータルサイト等で紹介されている、アイリッシュ・ウルフハウンドのブリーダーに問い合わせてみると良いでしょう。調べでは、千葉県と愛知県の2県のみですが、出張販売も行っているようです。

また、どこかでアイリッシュ・ウルフハウンドを散歩している人等に情報を聞いてみるのも一つかもしれません。どこでも販売されている犬種ではありませんので、こうした口コミは重要になるでしょう。

アイリッシュ・ウルフハウンドの販売価格やブリーダーは?

気になるアイリッシュ・ウルフハウンドの販売価格ですが、相場ではおおよそ30万程度となっています。アイリッシュ・ウルフハウンドは、犬種の中でも大きな犬ですが、価格もなかなかの大きさです。

希少犬のため、ペットショップ等で売られている小型犬等の価格とは大きく違いますので、しっかりとアイリッシュ・ウルフハウンドを飼育していくという、強い意思のもと、アイリッシュ・ウルフハウンドを迎え入れるようにしましょう。

安易に買える価格でもありませんが、犬種自体も安易に飼うことができる犬でもありません。迎え入れる際には、家のサイズや飼育環境、ストレスがかからないような生活を送らせることができるかなど、価格以外にもハードルは高めとなるでしょう。

アイリッシュ・ウルフハウンドの驚きの体高!

アイリッシュ・ウルフハウンドは、体高が80cmを超える「超大型犬種」です。さらに2本足で立ち上がると、2m弱ほどにもなりますので、成人男性の身長ほどの高さになります。超大型犬種は大きさももちろんですが、体重や力も非常に強いので、しっかりとしつけをいれていなければ、散歩中に引きずられてしまうでしょう。

また、アイリッシュ・ウルフハウンドが急な発病や老衰などで自力で動けなくなった時、年配の方や女性が一人で病院へ運ぶ事はできないでしょう。しかし、万が一という事もあります。アイリッシュ・ウルフハウンドを迎え入れる際には、自宅へと往診してくれる獣医師さんがいる病院を探しておくと良いかもしれません。

その際には、病院にアイリッシュ・ウルフハウンドを治療できるような設備や、搬送車があるか否かということもリサーチしておいたほうが良いでしょう。

アイリッシュ・ウルフハウンドと暮らすために

温厚で優しい性格を持ち、賢いのでしつけもしやすいアイリッシュ・ウルフハウンドですが、体の大きさゆえに、日本のような狭い住宅事情だと、少し暮らしにくいところがあるかもしれません。この犬種と暮らすためには、寝床や犬舎、庭など、広い住宅スペースの確保が必要となります。また、寒い国原産の犬種で、比較的高温多湿のような環境には弱いため、熱中症には十分気を付けましょう。

残念ながらアイリッシュ・ウルフハウンドの平均寿命は6~8歳くらいと言われており、小型犬の半分くらいしか生きられません。アイリッシュ・ウルフハウンドと一緒に、どのように生きて、どういう死に方をさせるかまでを考えないと、最終的に不幸にさせてしまうこともあるので、簡単に飼える犬種ではないということは間違いないでしょう。

アイリッシュ・ウルフハウンドは、短い寿命とは思えない程の喜びや幸せを、飼い主さんや家族に与えてくれます。この限られた時間だからこそ、愛おしく思い、濃厚で充実した人生を過ごさせてあげたいと思うのでしょうね。

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