犬には様々な病気が存在するため、すべての病気を予防するという事は難しいでしょう。しかし、比較的多く見られる病気や、未然に予防策を取ることができる病気もたくさんあります。今回は、様々な病気の症状と気をつけたいポイントについて見てみましょう。

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目につくようで、見落としがちな目の病気

飼い主さんが、愛犬の不調にすぐに気が付きやすい箇所の一つにあげられるのが「目」でしょう。犬の目にも色々な病気がありますので、症状と合わせて見てみましょう。

目の症状には、「角膜炎」と「結膜炎」と呼ばれるものが存在します。前者の「角膜炎」は、目の表面を覆う「角膜」が傷つくことで発症するもので、涙やめやにが多量に出てくるといった症状が見られます。後者の「結膜炎」は、まぶたの内側を覆っている結膜が、「ウイルス」や「外傷」といった要因が炎症を引き起こしてしまうもので、結膜の部分が充血したり、めやにが多量に出てくるといった症状が見られます。

特に角膜炎に関しては、症状がひどいと失明する恐れもありますので、いずれの症状がみられた場合には、結膜炎だと思って油断せずに、すぐに病院に診断に行くようにしましょう。

同じく眼球が傷ついてしまうことで発症する「白内障」は、先天的な疾患である事も多いですが、視力の低下や、場合によっては失明してしまう恐れもある怖い病気です。年齢の割に、目が白く濁っているなと感じている場合には、なるべく早めに診断してもらうようにしましょう。

気が付きにくい、体の異変

一見して非常にわかりにくい、犬の体をコントロールするために不可欠な「ホルモン」の病気。このホルモンのバランスが崩れることで、「脱毛」といった症状や「太る・痩せる」といった症状のほか、「水を多く飲む」「おしっこの量が多い」と言った症状があらわれはじめます。これはホルモンの過剰分泌、もしくは分泌が減っている事で引き起こされるのですが、このような状態が見られる時には、内分泌器官の異常が疑われます。

ホルモンの病気で代表的なのが「糖尿病」ですが、「水を多く飲み、おしっこの量が増える」「食欲は増加するが、やせ細っていく」と言った症状が見られるようになります。また、よく似た症状に「尿崩症」と呼ばれる病気もあり、腎臓で水分を吸収できなくなるために、脱水症状や痙攣を起こすことも。

また、「副腎皮質ホルモン」の過剰分泌が原因となる「クッシング症候群」という病気では、「左右対称に毛が抜ける」「お腹が膨れる」「眠ってばかりいる」などの症状が現れます。「アジソン病」という病気では、「ショック症状」や「下痢」「嘔吐」「食欲の減退」などの症状が現れ、重篤になると命の危険もあるホルモンの病気も存在します。

日頃からしっかりと愛犬を観察している飼い主さんでも見極めが難しく、時には年齢のせいかもと勘違いされることも多いために、発見が遅れる場合も少なくないのがホルモンの病気の特徴でもあります。日頃の健康管理はもちろんのこと、ストレスの無い生活や食生活の管理はとても大事な要素になりますので、栄養バランスの取れた食生活を送らせる事を第一に考えましょう。

目に見えぬ脅威から犬を守るワクチン接種

散歩やお出かけをしていれば、ウイルスに感染するリスクも高くなりますが、これは外出に限られたことではありません。自宅内で飼育していても、飼い主さんが外からウイルスをしらずのうちに持ち込んできてしまうことも考えられなくは無いのです。

ウイルス感染によるリスクを軽減させるためにも、成犬であれば年に一回の「混合ワクチン」接種は非常に重要な事で、伝染病に対しての「免疫」をつけるための注射です。

・犬ジステンパー
・犬伝染性肝炎
・犬アデノウイルスⅡ型感染症
・犬パルボウイルス感染症
・パラインフルエンザ
・コロナウイルス感染症

これらのウイルスは、感染するとすぐに命を脅かすものもあれば、人間の風邪のようにはじまり、他の病気を併発してしまうことで危険を伴うウイルスなど様々です。基本的には上記にあげられたウイルスに対してのワクチンを接種することとなりますが、あくまでも室内飼育で適度に散歩に行くような、普通に生活を送っている事が前提となります。

ウイルスには他にも存在しますので、生活シーンや環境によっては他にもワクチンが必要なケースが出て来るでしょう。目には見えないウイルスだからこそ、ワクチン接種は病気にならないための基本的な対策となるのです。年に一度のワクチン接種は必ず行うようにしましょう。

高齢犬や肥満傾向の犬が気をつけたい関節の病気

愛犬の座り方がおかしかったり、歩く様子、立ち上がる様子、散歩中の様子などがおかしいと感じたことはないでしょうか。こうした様子が見られた場合には、関節や骨の病気を疑ってみても良いかもしれません。

特に愛犬が高齢期を迎えている場合には注意が必要で、犬の関節系の病気を発症する、およそ8割が高齢犬が締めているという数字も出されています。また、若年であっても油断はできません。特に肥満体型の犬は注意が必要になります。

犬の関節系の病気には、犬の免疫力に関係していて、手首や足首など、犬の四肢の末端の関節に症状が現れる「関節リウマチ」や、小型犬に多く見られ、遺伝性である場合や高いところから飛び降りた際に、膝に強い衝撃が加わることで発症する「膝蓋骨脱臼」、大型犬種に多く、足を引きずって歩いたり痛がると言う様子が見られ、歩き方がおかしくなったり、疲れやすかったり、元気がなくなったりと言った症状が出る「股関節形成不全」等が代表的な病気です。

また、「股関節形成不全」「膝蓋骨脱臼」等の病気を発症したことで「変形性骨関節症」と呼ばれる、骨と骨がぶつかり合って痛みや腫れも伴い、次第に関節も変形していく病気も併発する場合があります。また、高齢犬はもちろん、若年の犬でも肥満体質であれば発症してしまう場合も。こうならないためにも、まずは食生活をしっかりとし、肥満体型にならないように適度な運動を行い、丈夫な体を作るようにしましょう。

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