犬の種類には様々な特徴や気をつけなければいけない事などがあり、犬を飼う上では犬種別に特徴を理解することが必要になります。今回は犬種の一つ「イビザン・ハウンド」について、飼っている方もこれから飼いたいと思っている方もチェックしてみましょう。

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イビザン・ハウンドとは


大きくピンと立った耳が特徴で、鹿のような容姿のイビザン・ハウンドは、超越した跳躍力を持ち、直立した状態で、かなり高く飛ぶことで知られています。
日本ではほとんど見かけることがない「イビザン・ハウンド」ですが、スペインでは人気の犬種で、町中あちらこちらにいるようです。

イビザン・ハウンドのルーツ

古代エジプトのツタンカーメンの墓にある絵画や彫刻には、イビザン・ハウンドによく似た犬種が描かれていたと言われていることから、イビザン・ハウンドの祖先である犬は、古代エジプトで狩猟犬として存在していたと考えられています。

紀元前8世紀頃、この犬たちは、フェニキア人の商人たちによって、エジプトからスペイン領のイビザ島へ持ち込まれ、「イビザン・ハウンド」と呼ばれるようになりました。食糧も少なく、過酷な環境下にあったこの島では、優れた猟犬の存在は必要不可欠で、猟犬としての大切な能力でもある、「臭覚」や「聴覚」、「視覚」が備わったイビザン・ハウンドだけを選んで繁殖するという風習があったようです。このような厳しい環境で生存競争に打ち勝った、優秀なイビザン・ハウンドだけが生き残り、昼夜を問わず、ウサギ狩りに使用されるようになり、島の人々の間で重宝されていました。

イビザン・ハウンドは、1956年にアメリカへ渡り、1979年にアメリカの愛犬家団体「AKC」に登録され、現在はルアーコーシング(擬似餌を追いかける競技)や家庭犬として飼育されています。

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イビザン・ハウンドの性格


飼い主さんや家族にはとても明るく、友好的に接するイビザン・ハウンドですが、見知らぬ人に対しては、警戒心が強く、臆病な態度を取ることがありますので、幼少期から家族以外の様々な人と接する機会を設けると良いでしょう。

また、イビザン・ハウンドは、狩猟犬としての気質が強く、小さい動物を見ると、本能的に追っかけて、襲ってしまう場合がありますので、小動物や猫などとの多頭飼いはあまりお勧めできません。

イビザン・ハウンドの被毛

イビザン・ハウンドの被毛は、「スムースヘアー」と「ワイヤーヘアー」の2種類のタイプあり、両方とも硬い毛質で覆われています。

被毛の手入れに関しては、スムースヘアーの場合は、固く絞った蒸しタオルなどで体を拭いてあげるか、ゴムでできたラバーブラシなどでブラッシングする程度で良いでしょう。ロングヘアーの場合は、週に1度ブラッシングして、むだ毛を取り除いてあげましょう。

イビザン・ハウンドの被毛のカラーは、「レッド」や「ホワイト」の単色、「レッド&ホワイト」が認められています。また、「フォーン」もスタンダードに近い場合は認められていますが、ロングヘアーに限ります。

イビザン・ハウンドがかかりやすい病気

イビザン・ハウンドは、厳しい環境下で、強くて優秀な個体だけを選択繁殖させてきた歴史があるため、基本的に丈夫で、あまり死に至るような病気はありませんが、「股関節形成不全」という骨の病気に注意しましょう。大型犬に発症することが多く、股関節が正常に形成されなかったり、変形されることで、歩き方に支障をきたす病気です。

肥満体型は、股関節形成不全を引き起こすきっかけとなってしまいますので、子犬の頃から肥満にならないように、食事の管理は徹底するようにしましょう。

また、イビザン・ハウンドは、麻酔薬には大変敏感な犬種なので、動物病院で麻酔を使用する際は、獣医師さんとよく相談してから行いましょう。

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イビザン・ハウンドと暮らすために


イビザン・ハウンドは、かなりの運動量が必要な犬種です。毎日の長時間散歩の他にも、ドッグランなどの自由運動を組み合わせると尚良いでしょう。また、この犬種は、身体能力があり、ジャンプ力もずば抜けていますので、軽々とフェンスを飛び越えて脱走してしまいます。ドッグランに行く際は、背の高いフェンスがあるところを選びましょう。

室内では比較的大人しいイビザン・ハウンドですが、狩猟犬の気質から、一歩外へ出ると豹変することがあり、散歩などで猫や小動物などを見かけた途端、全速力で追いかけて攻撃することがありますので、絶対手からリードを離さないように注意しましょう。

イビザン・ハウンドのしつけに関しては、独立心が強く、自由を好む性格なので、厳し過ぎるしつけではなく、自由にしてあげる部分と、厳しく接する部分の両方をバランスを持ちながら、メリハリを付けてしつけをするのが良いでしょう。

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