アイムスのドッグフードは、ドッグフードのコーナーでも、ひときわカラフルなパッケージでお馴染みの「IAMS(アイムス)」。原産国はアメリカの老舗ブランドのドッグフードですが、今回はアイムス社の理念やドッグフードの内容について調べてみようと思います。
アイムスのドッグフード
日本でもお馴染みのドッグフード「IAMS(アイムス)」。カラフルなパッケージで明るい印象を受けるアイムス社のドッグフードは、アメリカ原産の老舗ブランドです。一昔前は動物病院等でしか見かける機会はありませんでしたが、今ではホームセンターなどでも購入することができる、身近なドッグフードとなっています。
アイムスの歴史
アイムスの創設者「ポール・F・アイムス」は、「新しいことを実行する」という哲学のもと、当時ではまだ当たり前ではなかった、一切の妥協のない高品質のドッグフードを作るために1946年に創業、「犬や猫の健康に有用な最先端の栄養価を」という信念のもとにペットフードの会社を作ったことからアイムスの歴史は始まりました。
1950年代にはアイムス初となる「IAMS 999」という動物性タンパク質を主とした製品を開発、1970年代には現在のアイムスのロゴマークである「肉球」のマークが誕生します。1980年代には現在のアイムスのパッケージイメージとなるカラフルなパッケージとなり、この頃に「子犬用ペットフード」が販売、さらにキャットフードも誕生しました。
1990年代には日本での販売も開始され、今では当たり前になった皮膚や被毛の健康を維持する「オメガ6脂肪酸」や「オメガ3脂肪酸」に着目、その後も子犬用製品に脳の発達に欠かせない「DHA(ドコサヘキサエンサン)」を配合するなど、質の高いドッグフードの開発が進んでいます。
アイムスが推奨する「3つのサイン」
アイムスの考えでは、愛犬の健康は毎日の「3つのサイン」から判断することができるとしています。その3つのサインとは「健康的なウンチ」「輝く毛ヅヤ」「理想の体重」です。
「健康的なウンチ」は非常に重要な要素で、「ウンチが臭いと寿命が短い」といわれるほどに、腸内環境の健康は、愛犬の体の健康に直結している大事な要素なのです。人間でもヨーグルトや牛乳を飲んで、善玉菌を増やして腸内環境を良くしようといいますよね。犬でも同じことが言え、腸内環境が良い状態に保たれていなければ、健康的なうんちは出てこないのです。
また、「輝く毛ヅヤ」に関しても同じです。犬の被毛や皮膚は、愛犬の健康状態に直結している部分です。犬の体調が悪いと、毛ヅヤが悪くなると言ったように、犬の健康状態と毛ヅヤはリンクしている部分なのです。もちろん、ブラッシングやシャンプーなどでも毛ヅヤの維持は必要ですが、元となる毛ヅヤは健康状態が良くなければ維持できません。
近年では肥満傾向の犬も増えてきていますが、「理想の体重」の管理も大事な要素です。これは人間も犬も同じで、肥満の人が病気になりやすいのと同じことが犬にも言えます。肥満の犬は、健康の維持どころか、関節や内蔵にも悪影響が及んできます。そのため、犬の体型にあった適正体重を飼い主さんが理解し、理想の体重を維持させる必要があるのです。
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アイムスの製品ラインナップ
アイムスの基本ラインナップは「子いぬ用」「成犬用」「シニア用」で、合わせて小型犬でも食べやすい小粒に設計された「小型犬用」が揃います。また、基本となる主原料は「チキン」が採用されていますが、「ラム」を主原料に含んだ「健康維持用」のシリーズも展開されています。
前述したとおり、アイムスのドッグフードには、抗酸化成分である「ビタミンE」や、健康的な皮膚や被毛を維持させるために必要な「オメガ3脂肪酸」「オメガ6脂肪酸」、健康的な腸内環境を維持させるために重要な「食物繊維」が配合されています。3つのサインとなる成分は、しっかりとカバーされていますね。
また、子犬用には脳の発達に配慮した「DHA」も配合されていたり、歯の健康維持にも注目し、「カルシウム」や「リン」といった成分も配合されています。
体重管理用の内容は?
現代の犬たちは肥満体型の犬が多いですが、アイムスの体重管理用について見てみましょう。
成犬用の「体重管理用 チキン小粒」では、第一主原料に「とうもろこし」が利用され、「小麦」と続きます。第3主原料に「肉類(チキンミール、家禽ミール)」が利用されていますが、脂質を抑えるために主原料は残念ながら穀物類のとうもろこしが利用されているため、腹持ちは良いでしょうが、消化には良いとはいえないです。
脂質については8.5%と、同じアイムスの成犬用「健康維持用 チキン小粒」の12.5%よりぐっと脂質が抑えられています。タンパク質に関しては健康維持用が24%、体重管理用が21%となっています。肥満体型の犬には最適な成分バランスになっています。
酸化を防止する個包装
ドッグフードの大敵となるのが空気に触れることによって起きる「酸化」。酸化したドッグフードは風味が落ちるだけでなく、犬の健康にも悪影響を与えるもので、酸化したドッグフードを食べ続けてしまうと、病気を引き起こすことも考えられます。
ドッグフードの酸化を防ぐには、しっかりと真空状態で保存することが重要となりますが、アイムスのドッグフードは小分けに包装されているので、酸化の心配も少ないです。1ヶ月間も空気に触れていると、後半のドッグフードは酸化も進んでしまうため、こうして小分けになっているのは非常に助かる設計です。
チキンアレルギーの犬はNG
以前のアイムスのドッグフードは主原料に「チキン」が使用されていました。残念ながら現在においては「肉類(チキンミール、家禽ミール)」となってしまいました。ミール類は、正直な所どのような部位が使用されているかもわからないため、あまり安心とはいえない内容となってしまいました。
また、以前はラムを使用した健康維持用でも、肉類として「チキン、ターキー、ラム」の順に主原料が配合されていましたが、現在は第一主原料に「とうもろこし」が使用されるようになり、以前のアイムスとはまるで違う内容となっています。
不要な成分が残念
アイムスについてここまで説明してきましたが、残念ながら成分にはあまり摂取したくない成分が含まれます。それが酸化防止剤のBHA(ブチルヒドロキシアニソール)、BHT(ブチルヒドロキトルエン)です。以前までは使用されていなかったのですが、リニューアルを機に改悪とも呼べる成分内容になってしまいました。
この2種の酸化防止剤に関しては、多くのペットフードにも使用されているものですが、アメリカで行われた研究では発がん性や消化器系にダメージを与える可能性があることがわかっています。
ただし、少量であれば問題がないともされ、多くのペットフードでも使用されている状況ですが、近年においてはこうした合成添加物の使用を避ける傾向にあり、代わりに自然由来の酸化防止剤として「トコフェロール(ビタミンE)」が利用される方が多くなってきています。
価格の安さは魅力的ではあるものの
アイムスのドッグフードに関しては、リニューアル後、前述のような理由から、残念ながらあまり良いといえる内容ではなくなってしまいました。こうして合成添加物が利用されている理由は、おそらくは価格を抑える、コストを下げるということが念頭にありそうです。
自然由来の酸化防止剤よりも、やはり合成添加物の酸化防止剤のほうがあっという敵にコストも抑えられるはずですので、アイムスのように安売りの対象になるドッグフードにはだいたい、こうして合成添加物が使用されています。
愛犬の健康を考えるのであれば、できるだけ毒になるような成分は避けたいところではないでしょうか。いくら原材料を気にしていても、こうした成分が原材料に含まれると、健康被害のほうが心配になってきてしまいます。
食事量と価格の比較
アイムスの食事量・給餌量に関しては、成犬用の健康維持用 チキン小粒で見てみると3kgの小型犬で一日量が、おおよそ60gという給餌量。一般的なドッグフードとほぼ同じくらいの給餌量となります。
価格面と給餌量を比較していくと、他のプレミアムフードとは大きな差が出てきますが、正直な所、リニューアル後のアイムスに関してはプレミアムフードと呼べる内容ではなくなってきているため、他のプレミアムフードとの比較も難しくなってきています。
価格面だけで見ていくとたしかに割安であり、特売にもなりやすいドッグフードなのですが、穀物類が多いこと、「ミール類」が使われていることを考えると、与え続けることで起きる影響については少々心配なものがあります。
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アイムスの評判は?
某ショッピングサイトにて、アイムスの評判について調べてみたところ、食いつきや安さについてのコメントが多く、概ね高評価と言った印象です。
高いフードは厳しいために、アイムスに落ち着いたというコメントも多く見られますが、前述の通り、正直なところあまり安全と言える内容ではなくなってしまっているため、少々疑問の残るところではあります。
悪い評価としては、便の量が増えた、便の匂いが臭くなったといったコメントや、やはりリニューアル後の改悪から食いつきやフードの質が大きく変わってしまったために、他フードへ切り替えると言ったコメントも多く見られます。
リニューアルについては、残念ながら「アイムス」ではあるものの、以前のアイムスとは比較にならないものとなってしまったのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。アイムスのドッグフードは、基本的な品質を維持した、標準的なドッグフードと言えるでしょう。
残念ながらチキンアレルギーの犬には不向きなブランドとなってしまいますが、主原料に穀物類を使用していない点は重要です。穀類は消化にもあまり良くなく、アレルゲンにもなりますので、穀物類が主原料になっているフードと比較すると、動物性タンパク質が豊富なアイムスを選択した方が良いでしょう。
と、以上のまとめは2016年12月のものでしたが、前述の通り、リニューアル後の改悪によってあまりおすすめしたいドッグフードではなくなってしまいました。価格面だけで考えれば、良いフードかもしれませんが、内容と価格はあまり伴ってるとはいえません。
※以上、全て2018年2月時点での情報になります。内容は変更している場合があります。
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