コロコロ太った子も可愛いと思いますが、犬にとっての肥満は病気を誘発し、犬自身を苦しめてしまう結果に。病気になってしまう前に、今からでも健康に気を使い、肥満にならないようにしていきましょう。今回は肥満の犬の健康管理について考えてみましょう。

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たかが1kg、されど1kg

「ポッチャリくらいの方が可愛い」「うちの子はよく食べるから仕方ない」と、愛犬の肥満についてあまり重要視してない飼い主さんが多いのではないでしょうか。

体重5kgの犬にとって1kg増えるということは、体重60kgの人間にとって12kg増えたことと同じことなのです。「愛犬の体重がたった1kg増えただけと」軽んじていると、後に愛犬の健康を損なってしまうということにもなりかねません。犬も人間と同じように、肥満が原因となって様々な病気を引き起こしてしまうのです。

肥満になることで体にかかるリスク

肥満体質になることで、体に大きなリスクが伴います。愛犬が太ってしまうと、呼吸をする気道にも脂肪がついてしまい、呼吸すること自体が困難になります。血中の酸素量も低下してしまい、心臓への負担も増加し、呼吸器系の病気や心臓の病気を引き起こしかねない結果となってしまうのです。

また、愛犬が手術をする場合、肥満のせいで正しい麻酔量のコントロールが難しくなり、麻酔が効き過ぎたり、効き目が弱すぎたりして、手術に対するリスクが増すことがあるようです。

そして、肥満になることで糖尿病等の病気も引き起こします。人間が食べるような食べ物を犬に与えたりするのは非常に危険です。万が一、糖尿病を発症してしまうと、一生完治することはありません。また、インシュリン注射等を定期的に投与しなければならず、その後の生活に大変な支障をきたしてしまうのです。

歩けなくなることも・・・?!

体重が重くなることで、体への負担が大きくなり、体重を支えている足や腰に悪い影響を及ぼす場合もあるのです。こうしたことで、関節や靭帯等に負荷がかかり、痛めてしまうことで犬が関節炎を患ってしまったり、捻挫をしてしまうことだってあるのです。

また、椎間板ヘルニアを発症する場合もあります。ヘルニアを発症してしまうことで、動くことで激しい痛みを感じるようになってしまい、運動することができなくなってしまいます。こうした症状が重症化してしまうことで、やがては歩けなくなり、痛みすら感じない状態へと悪化してしまうのです。

こうして動けなくなることで、更に他の弊害が発生してしまい、完治することもできずに介護を要する体になってしまうのです。

飼い主さんが原因による愛犬の肥満

愛犬が肥満になる原因で最も多いのが、食べ過ぎと運動不足によるものでしょう。食べ過ぎと言っても、犬は勝手に食べることはできません。

「美味しそうに食べるから」「ずっと見つめられると、ついついあげちゃう」など、飼い主さんがおやつや人間の食べ物を愛犬に与え過ぎてしまうことで肥満に至ってしまうです。「ちょっとしかあげてない」と、家族みんなで同じようにおやつを与えていれば、それはとても多くのおやつを与えていると言うことなのです。

運動不足による肥満とは、愛犬が食べた分きちんと運動していれば何の問題もないのですが、慢性的に運動不足が続くと太りやすい体になるのは人間も一緒です。また、一度太ってしまうと愛犬も散歩がしんどくなり、さらに運動をしたがらなくなるという悪循環が生まれます。慢性的な運動不足にならないよう、定期的に散歩へ連れ出しましょう。

これらの原因は、飼い主さんが原因で肥満を引き起こすと言うことになりますので、飼い主さんは普段から食事と運動のバランスを考えて、愛犬の体調をチェックしましょう。

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その他の肥満の原因

愛犬が病気やケガによって、肥満になることもあります。例えば、関節炎にかかっていたり、下半身不随や動けなくなってしまった場合は、運動量が少なくなりますので、食事の量を調整する必要があるでしょう。また、甲状腺機能低下やクッシング症候群など、内分泌系の病気にかかると食事や運動面などきちんと管理されているのに、肥満になることがあります。

そして、愛犬の避妊や去勢手術をしたことにより、体内のホルモンバランスが変わって、基礎代謝の低下や食欲が増して、肥満になりやすい体になりますので、愛犬の適切な食事や運動などを考えてあげる必要があります。

肥満にさせないためには

愛犬を肥満にさせないためには、日頃からの食生活、生活環境が非常に重要な要素となります。
栄養バランスのとれた食事は当たり前のことですが、毎日の食生活が乱れることで、様々な病気を引き起こす結果となりますので、しっかりとした食生活を送らせるようにしましょう。特に、人間が食べる物を愛犬に与える行為はとても危険です。犬の必要な栄養と、人間とでは大きく違います。

そして、愛犬にとって楽しく運動させることも必要です。毎日の散歩のルートを変えてみたり、ドッグランなどで「ボール投げ」や「かくれんぼ」など、愛犬が楽しみながら、気付いたら運動していたという状況を作ってあげると良いでしょう。また、家でボーッとするより、新聞を持ってきてもらうなども、愛犬にとっては刺激になりますので、愛犬とスキンシップを取りながら少しでも体を動かせてあげることが大切です。

愛犬が可愛いのは分かりますが、可愛がることと甘やかすことは全く違います。愛犬にとって肥満は「百害あって一利なし」であり、愛犬の体調管理は飼い主さんの責任です。余計な食べ物は与えず、適切な運動をさせるようにしなければ、可愛い愛犬が苦しむ結果となってしまうのです。愛犬と、より多くの時間を共に過ごせるよう、今からでも健康に気を使った生活を送らせるようにしましょう。

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