犬を飼うと、必ず考えなければいけないのが、避妊・去勢を行うかどうかという問題です。愛犬の子孫を残したい場合には、特に考える事もないかもしれませんが、去勢や避妊を行わない場合、どのようなリスクがあるのかを見てみましょう。

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犬の「避妊」「去勢」について

愛犬の子供が見てみたい!という飼い主さんも多いのではないでしょうか。もちろん、避妊や去勢には賛否両論あると思いますが、ここでは去勢や避妊を行わない場合の、健康管理や病気のリスクについて見てみたいと思います。

それにはまず、オス犬とメス犬の体のメカニズムについて知る必要があります。

メス犬の「ヒート(生理)」について

メス犬は小型犬であれば生後7ヶ月前後、大型犬であれば生後12ヶ月前後に初めてのヒート(生理)を迎えます。大きく分けて3つの段階を経てメス犬のヒートが終了し、約4ヶ月後にまた同じサイクルでヒートを迎えます。

第1段階となる「発情前期」からは出血が始まり、約10日間程続きます。また、この期間のメス犬の尿にはフェロモンも含まれるため、オス犬はこのフェロモンに反応してしまいます。第2段階となる「発情期」には出血量も減り、排卵が起こります。その後の4〜5日間が妊娠可能期間となり、オス犬と交尾することで妊娠します。

最後は、約60日間ほど続く第3段階の「発情後期」。排卵を経てから4〜5日経つと、発情期は終わりを迎えて発情後期に移行します。メス犬は徐々に通常の体に戻っていき、興奮も落ち着いてくるでしょう。
気をつけなければいけないのは、出血が収まったからヒートも終わったと思われがちですが、出血が終わった後が妊娠するタイミングに入るため、オス犬との接触には注意が必要となります。

ヒートで引き起こす偽妊娠のリスク

約60日間ほど続く発情後期の間、メス犬の体には、黄体ホルモンと呼ばれるホルモンの分泌が続きます。この黄体ホルモンは、受精卵が着床しやすくするためのホルモンですが、偽妊娠は黄体ホルモンが出続けてしまうことで引き起こされます。

本来であればメス犬の体は、妊娠しなかった場合には黄体ホルモンの減少とともに、通常に戻っていくのですが、黄体ホルモンが分泌されている間には、メス犬の体も妊娠を受け入れる態勢のままなのです。そのため、黄体ホルモンが出続けてしまうと、メス犬の体は妊娠していると勘違いを起こしてしまい、偽妊娠を発症してしまうのです。

メス犬が偽妊娠を引き起こすと、乳腺が張ってきたり、お乳が出てきたりと言った症状が見られるようになり、本能的に子犬を産む準備をしようと、落ち着ける場所で巣作りを行ったり、ぬいぐるみ等を相手にして、子育てを行うなどの行動が見られる場合もあります。

偽妊娠の治療に関しては、特に何もしなくとも通常の状態に戻っていくため、特に治療を施さないといけないと言うわけではありませんが、毎回のヒートの度に偽妊娠を繰り返すようであれば、ゆくゆくは子宮蓄膿症や乳腺腫瘍といった病気を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。

避妊・去勢手術を行うのに適したタイミングとは

避妊手術・去勢手術には、犬にとって適したタイミングというものが存在します。その理由の一つにあげられるのが、手術に耐えられる体力の問題です。手術には全身麻酔を行わなければいけないため、高齢であればあるほど、手術を行うにはリスクが高くなります。そのため、避妊・去勢手術を行うには、より若年齢で体力がある頃に行うことが理想とされています。

また、犬の成長も大事なタイミングの一つになります。メス犬であれば、初めてのヒートを迎える直前の生後半年あたりが理想的です。メス犬の場合、ヒートを繰り返すにしたがって乳腺腫瘍を発症するリスクが高くなります。逆に、ヒートを経験する前に避妊を行うことで、乳腺腫瘍を発症するリスクを大幅に下げる事に繋がります。

オス犬に関しても生後半年頃に去勢手術を行うほうが良いとされています。オス犬に関しても、オスの繁殖機能が成熟する前に去勢を行うことで、オス犬特有の行動が抑えられる事のほか、生理的な行動や欲求も無くなるので、早い段階で去勢を行うほうが良いと言われています。

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避妊・去勢手術を行うことで下がる病気のリスク

これまで、早いタイミングでの避妊・去勢を行うという事を説明してきました。今度は、避妊・去勢手術を行うことで、オス犬やメス犬には、どのような病気のリスクから解放されるのでしょうか。

メス犬に関しては前述の通り、乳腺腫瘍を予防する事のほか、卵巣嚢腫、卵巣腫瘍といった卵巣の病気に加え、子宮蓄膿症の予防にも繋がります。
オス犬に関しては、精巣の腫瘍、前立腺疾患の予防、会陰ヘルニア、校門周囲腺腫などの病気を予防することに繋がります。

これらの病気は、避妊・去勢を行わないと必ず発症するという訳ではありませんが、去勢・避妊を行うことで、こうしたオス・メス特有の病気・疾患を未然に防ぐことができるため、愛犬の体調もよく、子を作る予定もないのであれば、病気のリスクを少しでも減らすために、真剣に考えてみてもよいのではないでしょうか。

まとめ

今回は避妊・去勢に関して解説していきましたが、病気のリスクを最小限に抑えることもでき、また、オス犬・メス犬特有の発情行動も抑えられるため、ぜひ真剣に考えてみてほしいところです。

デメリットとしては、術後はホルモンバランスが変わってしまうために、太りやすくなったりといった点が挙げられます。また、性格も多少穏やかになる傾向もありますので、人によっては元気が無くなったと感じる場合もあるかもしれません。

しかし、こうして穏やかな性格になるのは、生理的なものからくる様々なストレスから解放された事にも繋がっているため、下手な争いごとを好まなくなったり、攻撃的な面も和らぐといったように、家庭内では飼いやすい性格になるともいえます。

倫理観で反対する方もいらっしゃいますが、愛犬が様々な病気のリスクから解放されるのであれば、メリットとして捉えても良いのではないでしょうか。

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