膝蓋骨脱臼や股関節形成不全などを発症することで、「変形性関節症」を併発する恐れが高いですが、こうした病気にならないように、日頃から病気への知識と、予防策について考えてみてはいかがでしょうか。今回は「変形性関節症」に関して解説します。

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「変形性関節症」とは

最近、愛猫の歩き方がおかしかったり、大好きだったキャットタワーを登らなくなったなどという様子は見られないでしょうか。このような様子がある場合は、もしかすると「変形性関節症」の疑いがあるかもしれません。

変形性関節症とは、関節軟骨がすり減って、骨と骨がぶつかり合い、関節が変形することで痛みを伴う病気です。このような関節や骨といった部分に症状が現れる病気には、「股関節形成不全」といった病気や、「膝蓋骨脱臼」等が代表的に挙げられますが、変形性関節症に関しては、こうした病気を発症したことで併発する場合が多いです。

では、実際に変形性関節症の症状について調べてみましょう。

変形性関節症の症状について

変形性関節症を発症すると、猫が歩きたがらなくなったり、階段の昇り降りを避けたりといった様子が見られるようになります。また、寝ていることが増えたり、座り方が不自然になるといった症状も現れます。こうした症状に合わせて、痛みや腫れも伴うようになります。

これは、骨と骨がぶつかり合ってしまうためで、次第に関節も変形していくのですが、症状が重くなるにつれ、関節が動くたびに捻髪音(ねんぱつおん)が聞かれるようになります。

変形性関節症の原因とは

こうした症状が変形性関節症の特徴となりますが、主に高齢の猫に起こりやすい病気でもあります。しかしながら、前述の通り、膝蓋骨脱臼や股関節形成不全などの病気を発症することでも変形性関節症を併発する恐れもあるため、単に高齢だけではなく、若年の猫でも肥満体質であったり、栄養バランスが悪かったりすると、変形性関節症を発症してしまう場合もあるのです。

また、激しい運動なども悪影響となる場合があります。激しい運動をすることで関節や筋肉が損傷してしまうことで、足の関節に負荷がかかってしまい、結果として変形性関節症を発症することもあるのです。

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変形性関節症の治療に関して

変形性関節症を発症した場合の治療に関しては、まずは痛みの緩和をするための対症療法が行われます。また、関節炎などを引き起こさないように、抗炎症剤などが投与されます。
こうした投薬治療を行い、変形性関節症を悪化させないように、また同時に食事の管理を徹底し、体重を減らすことや軽く体を動かすような治療・予防策を行います。

そして、何かしらの病気によって変形性関節症を併発している場合には、原因となる病気の治療を行うようにしなければ、変形性関節症の治療も難しくなるため、元となる病気の特定と、治療が急がれます。

その他にも、まだ日本では普及に至ってはいませんが、近年海外で、「幹細胞療法」という治療法が続々と報告されているようです。この治療法とは、関節症を患った猫の細胞から培養した幹細胞を、患部に直接注入することで、変形した軟骨や靱帯を修復するというものです。今後のこの治療法に期待したいですね。

変形性関節症にならないために

変形性関節症は高齢期に起きてしまう病気としては、非常に確率の高いものです。高齢猫が発症する関節の疾患では、12歳以上の猫の約90%が変形性関節症の兆候が見られるというデータもあるため、高齢猫にとって、関節や骨といった部分は、常に気をつけなければいけない部位となります。こうした病気を発症することで、歩くことをやめてしまい、やがては寝たきりとなってしまい、また別の病気を発症してしまう恐れもあります。

このような関節症を患わせないようにするためには、適度な運動をすることで、関節や骨も鍛えられ、重い体重を支える骨や関節を丈夫にする効果もあります。激しい運動は危険ですが、最低限のしっかりとした足腰になるよう、愛猫の丈夫なからだつくりを意識するようにしましょう。

その他にも、緑イ貝、コンドロイチン、グルコサミンなどが含まれているキャットフードやサプリメントを与えることもお勧めです。毎日食べさるだけでも、愛猫にとって関節の不快感を減らせることができる手軽な方法でしょう。

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肥満体型にならないように

特に肥満体型の猫に関しては、そもそもの体重が重いため、関節への負担は避けられないものです。幼少期から、しっかりとした食生活を管理して、肥満体型にならないように適度な運動をさせることが必要です。

体型そのものも問題ですが、主食以外にもおやつや、人間の食べるものを与えていたりしないでしょうか。こうした「間食」は、猫の内臓を苦しめるだけではなく、関節や骨などにも影響を与えてしまいます。おいしいのは一瞬だけですが、後々苦しむのは愛猫の方です。こうした行為を行っている場合には、すぐにやめるようにしましょう。

肥満体型は、何もよい結果を残しません。適切な体重を維持するようにし、丈夫で健康な老後を過ごせるように、飼い主さんも責任をもって飼育するようにしましょう。

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