ドッグフードやキャットフードのパッケージには「正規輸入品」や「並行輸入品」という言葉が記載されていることをご存知でしょうか。その名の通り、その商品の輸入に関しての方法になるのですが、今回はその大きな違いについて解説していきます。

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国内と海外のキャットフード

キャットフードのパッケージに記載される「正規輸入品」や「正規品」、もしくは「並行輸入品」といった記載。日本国内のキャットフードでは見る機会もありませんが、「ロイヤルカナン」や「ニュートロ」「ヒルズ」といった海外ブランドのキャットフードでは、こうした記載がパッケージに記載されています。

この記載があると、単に日本国内で製造・販売されている、もしくは海外で製造・販売されている商品という意味ではなく、キャットフード自体の品質や保証、価格といったほぼ全ての面で違いが発生してくるものでもあるのです。簡単に言えば輸入の仕方という事になりますが、この方法に関してもそう単純なことではありません。

品質と販路を広げる「輸入代理店」の存在

フランスの大手ブランド「ロイヤルカナン社」のキャットフードで例を挙げてみましょう。ロイヤルカナン社はフランスに本社を置き、製造に関してもフランス(商品によって変わりますが)で行われていますが、日本へ輸入する際には、日本にロイヤルカナン社の代理店(正規代理店)である「ロイヤルカナンジャポン合同会社」を置き、商品を輸入・販売しています。

ここで言う「輸入代理店」や「代理店」と呼ばれるものは、いわゆる「店」の意味ではなく、輸入を受け取り、販売を行う「窓口」のようなイメージとなります。ロイヤルカナン社がキャットフードを製造し、日本へと商品を輸入、日本で商品を受け取るロイヤルカナンジャポンが「代理店」という訳です。

ロイヤルカナンなどの大きな企業であれば、自社、もしくは親会社が輸入のルートを確保・販売していますが、もっと小さなブランドが商品を輸入・販売するには、日本で商品を受取り、販売をしてくれる「輸入代理店」を探す必要があるということです。

「正規輸入品」は品質の保証

「正規輸入品」や「正規品」とは、その字の通り「正規」にキャットフードを輸入・販売しているという意味になります。例に挙げたロイヤルカナン社の場合、ロイヤルカナン本社から、代理店であるロイヤルカナンジャポンへのルートが「正規品(正規輸入品)」となります。

正規品である場合、大きな違いは商品の品質に関してと言えるでしょう。日本に代理店を置くということは、商品に関するサポートや窓口も、全てが代理店が担当することになります。代理店を置くことで、日本語でのサポートも可能になり、また、パッケージに関しても日本語に変更、場合によっては「リパック(再包装)」されることとなります。

また、輸入方法に関しても、日本へ輸入されることがわかっていますので、当然、「日本向け」に製造される事となります。日本へと輸送する間には、多くの日数がかかるなど様々なリスクが生じますが、こうした問題も正規品である以上、その品質も保持される事となります。

「正規品」である必要は、メーカーが意とした品質を保ち、消費者である飼い主さんをしっかりとサポートすることができるといった面で大きな意味を持ちます。

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「並行輸入品」は安いだけ?

一方の「並行輸入品」は、輸入元となる国から日本へと「直接」商品を輸入している商品という意味になります。

直接、商品を輸入していますので、もちろんパッケージに関しても輸入元となる国のパッケージのままとなります。また、何か商品に問題が生じた場合、輸入元となる国へ連絡をする事となります。ロイヤルカナン社で言えばフランス語での対応ということですね。

また直接、商品を輸入することとなりますので、品質の保持も行われません。長い日数をかけて輸入することは「正規品」と変わりませんが、正規品はあくまでも「日本」で販売されることを想定しているので、輸入工程ももちろん想定して製造・輸入されますが、並行輸入品である場合には、日本に運ばれること・販売されることは想定していません。そのため、輸送工程には大きな差が発生しています。(酸化が早い事や、賞味期限等)

並行輸入品のメリットと言えば「価格の安さ」といえます。正規品である場合、多くの保証が約束される反面、しっかりとした品質を保持するために、輸送にも多くのコストが発生するため、商品自体の価格も高騰してしまいます。並行輸入品は現地で仕入れ、そのまま運んでくる形になるので、当然、品質に際するコストはかかりません。そのため、ほぼ現地の価格に近いような価格で販売されることが多いようです。

価格だけ?愛猫の健康を第一に考えましょう。

コストだけで選ぶのであれば「並行輸入品」という選択になりますが、はたしてキャットフードを選ぶのに価格が安いだけで良いのでしょうか?

そもそも、キャットフードを食べるのは愛猫。愛猫の健康が約束されなければ、いくらブランド品であっても、品質が良くなければ意味がありません。価格だけに飛びついて、安くて低品質のキャットフードを購入するくらいなら、しっかりと品質が約束されている製品を買わなければ、安物買いの銭失いという状態になるでしょう。

メーカーホームページを確認して、良いフードだと思って、そのメーカーの製品を購入しても「正規品」でなければ、その品質は約束されません。正規品は、それだけの責任もありますが、愛猫の健康を守る責任は飼い主さんにあります。酸化も進んだような安いブランドフードを買うくらいなら、しっかりと正規品を求めるようにしましょう!

※内容は2017年4月時点での情報になります。原材料、商品名等の内容は変更している場合があります。

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