ハムスターを2匹以上飼う時にはどんな注意が必要なのでしょうか?ハムスターを飼育すると、もう1匹増やしたいと思ったり、ペアで飼育して子供が欲しいと思うようになります。しかし、安易に2匹以上飼うことはやめましょう。しっかりと知識をつけて、2匹以上飼育する場合のポイントを押さえておくようにしましょう。

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身近なペット「ハムスター」

体も小さく、犬や猫のように鳴き声もほとんど出さないうえ、慣れてくると飼い主の手の上に乗ってきたり、両手でエサを食べたり、可愛らしい仕草を見せてくれるハムスター。

お世話もしやすく、身近なペットとして人気のありますが、ハムスターの生態や、性質を理解していなければ、思いがけないトラブルなどにあってしまうかもしれません。

ハムスターの仲間には、

  • ゴールデンハムスター
  • ジャンガリアンハムスター
  • ロボロフスキーハムスター
  • チャイニーズハムスター
  • キャンベルハムスター

が、よく見られる種類として人気がありますが、2匹以上飼う時の注意や、飼い方などよく調べてからお家に迎えてあげましょう。

種類に注意しましょう


ハムスターを2匹以上、同じケージで飼うとなると、まず注意することは「種類」です。ハムスターは種類によっても体格が違えば、性格も違います。そのため、同じ種類だからといって同じケージに入れて飼育出来る種類、あまりおすすめできない種類が存在するのです。

また、別品種で同じケージ内に入れるのも考えもの。こうしたパターンにしても、同じケージで飼うのに適している・適していない種類が存在しますので、多頭飼育を考えているのであれば、まずはハムスターの種類について理解する必要があるのです。

多くは、ハムスターを飼育する際にケージありきでハムスターの種類を決めてしまいがちですが、それは間違いで、飼いたいハムスターを決めてから、ケージサイズが決まり、同居させるべきかどうかを考え始めるのが正しいと言えます。

ゴールデンは多頭向き?不向き?

では具体的に種類別に解説していきたいと思います。まずご紹介するのはゴールデンハムスター。

ゴールデンハムスターは、一般的に、一つのケージの中に2匹以上同居させるとケンカをすることが多いといわれています。野生のゴールデンハムスターは、縄張り意識がとても強く、単独で生活しているので、ペットとして飼う場合にも一つのケージに一匹で飼うことが望ましいでしょう。

また、ゴールデンハムスター×ジャンガリアンなど、大型と小型を混ぜるのも危険と言えます。ゴールデンハムスターは力も強く、体格も大きいため、ジャンガリアンハムスターがいじめられると言うよりかは、命を落としてしまう可能性も高いと言えます。もちろん、ゴールデンハムスターの性格も個体差がありますが、あまりお薦めはできないペアではあります。

ジャンガリアンは多頭向き?不向き?

ドワーフ系と呼ばれる小型の「ジャンガリアンハムスター」「キャンベルハムスター」「チャイニーズハムスター」などの種類は、一緒のケージで数匹を飼育出来ることが多いです。しかし、全てのドワーフハムスターが2匹以上で飼えるとも限りません。

種類としては多頭飼育のし易い種類ではあるものの、ハムスターにも性格は様々ありますので、気の強いハムスターもいれば、気の弱いハムスターもいるのです。基本的には同居は可能、ただし性格がそれぞれ違いすぎると、喧嘩が多かったり、いじめられてしまったりと言ったケースも出てきます。

まずは一緒に同居させてみて、数日様子を見て見るようにしましょう。あまりに喧嘩が多いようであれば、あまり同居に向いているペアではないと思いますので、別のケージで飼育するようにしましょう。

ロボロフスキーは多頭向き?不向き?

ハムスターの中でも特に小型の種類で知られる「ロボロフスキーハムスター」。

ロボロフスキーハムスターは、ハムスターの中でも最も多頭飼育に向いている種類と言えます。ロボロフスキーハムスターは共同作業や共に移動したりと、基本的に単独行動ではなく、集団行動を好む種類です。

警戒心が強い品種ですので、それぞれ協調しあいながら生活していくのが特徴と言えるでしょう。そのため、ハムスター同士の揉め事と言っても、ほんの小さな揉め事で、致命傷を負うほどの大喧嘩というのも、そうそうみられません。

逆に、2頭飼育ではなく、5〜6頭飼育しているほうが、本人たちも安心感があるかもしれませんので、 1頭飼育ではなく多頭飼育した方が良いとも言えるでしょう。

ハムスター同士のケンカ

ジャンガリアンハムスターを始めとしたハムスターは、多頭に向いてはいますが、いざこざが耐えない種類とも言えます。餌を取られたですとか、寝床を取られたといった揉め事はしょっちゅう起きます。

しかし、ドワーフ系のハムスターはちょっとしたケンカは多いものの、はじめてのケンカで命を奪い合うほどのケンカはあまりしません。長く同居していて、ずっともめている同士がいよいよ大喧嘩し、命を奪い合うというケースはありますが、そのまえに一度は大怪我を負う程度のケンカをしているのが多いです。

飼い主さんは、ちょっとした変化も見逃さないようにし、大怪我を負っていたら危険なサインと捕らえ、別ケージで飼育するなどの方法を取るようにしましょう。

メスの取り合いにも注意

繁殖を希望していて、オスとメスで飼う場合や、集団で飼いたい場合は、子供の時から一緒に過ごさせることが大切です。大人になってから一緒のケージに入れても、それぞれが一人で生活することに慣れているため、うまくいかないことが多いかもしれません。

大人同士でケンカを始めてしまった場合は、一度のケンカでも大きなケガにつながりかねないので、すぐに違うケージに移し、同居させることはやめたほうが良いでしょう。

特に、多頭飼育ですと他のオスのハムスター同士がメスの取り合いでケンカが起きてしまうと大変ですので、ジャンガリアンハムスターを数匹で飼育している際には、性別にも注意して飼育するようにしましょう。

また、ハムスターは非常に簡単に繁殖してしまいます。予定がないのであれば、オスとメスは分けて飼育することをおすすめします。

繁殖を望む前に


もともとハムスターが生活していた環境は天敵が多いため、それに負けない強い繁殖力を持っています。一度の妊娠で5頭から10頭の子供を産むことが出来るので、子供たちの分のケージを用意して置くスペースがあるのか、貰って育ててくれる方の当てがあるのか決めておきましょう。

ハムスターの種類も注意することがあります。例えば、同じドワーフの種類でも「ジャンガリアンハムスター」と「ロブロフスキーハムスター」では性質が違うこともあり、一緒に飼育することは難しいでしょう。

繁殖できたとしても、「雑種」となるため遺伝子に問題があったり、体の弱いハムスターが生まれてしまうこともあるので、種類の異なるハムスターを一緒のケージでは飼わないようにしましょう。

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繁殖するためには

オスのハムスターは生後7~8週間でメスを呼ぶためのマーキング(におい付け)が始まり、メスはオスより少し早く生後6~7週間で大人の体になりますが、繁殖には2カ月半から3カ月くらいが適しています。1歳半を過ぎたハムスターは、元気な赤ちゃんを産めなくなる可能性があるので繁殖は辞めましょう。

繁殖に適した環境にも注意しましょう。

・生まれて2カ月以上経っていること
・気温が20~22℃
・日照時間が12~14時間ある
・栄養をしっかりとっている

といった条件があれば良いです。
私たちが普段生活している環境では、1年中この条件を満たしているのでいつでも繁殖できますが、真冬や真夏などは体力が衰えてしまっているので、春や秋のほうが適しているといえます。

太っているハムスターは、甲状腺機能の低下などで発情しにくいと言われています。太り過ぎは様々な病気のもとにもなるので、日ごろから気を付けてあげましょう。

繁殖に成功するために


まずは「お見合い」をしましょう。最初から、オスとメスのペアで一緒のケージで飼育していない場合は、いきなり同じケージに入れてもケンカをしてしまう可能性が高いので注意します。4~5日の間ケージを隣り合わせに置き、お互いの様子を見ましょう。メスは4日に一度、12~20時間だけ発情するのでこの間がお見合いの成功率が高まります。

お互い、気になっている様子が見られたらメスをオスのケージに移してみます。
ハムスターは、メスが気が強いので、オスのケージに移したほうが、うまくいくことが多いでしょう。

移したばかりの時は、ケンカをしていても、しばらくすると仲良くすることがあるので焦らず様子をみますが、ケンカが激しくなったりして危ない様子が見られたら、すぐにケージから出して別々のケージに移しましょう。

一緒のケージに移してから、オスがメスを追いかけはじめ、メスがお尻を突き出して止まるポーズをとったりする様子が見られたら、交尾を始める合図で、20~60分の間、繰り返しおこなわれます。交尾の間は静かに見守りましょう。

妊娠〜出産まで

妊娠したメスのハムスターは気が荒くなって、オスを攻撃したりすることがあるので違うケージに移します。ハムスターの妊娠期間は、ドワーフで約18日、ゴールデンで約16日と短いので、早めに出産準備をしましょう。

巣材になる、干し草やティッシュペーパーなどをたくさん入れてあげて、落ち着けるように静かな場所にケージを置き、エサや水をあげる以外は近づかずに、お掃除も控え、出産に向けてそっとしておいてあげます。ハムスターは安産なので心配いらないでしょう。

出産した様子が感じられても、ケージに近づいたり覗いたりしてはいけません。出産後のお母さんハムスターはとても神経質になっていて、不安な状態になると赤ちゃんを隠そうとして、食べてしまうことがあったり、育児放棄をしてしまうことがあるからです。

赤ちゃんハムスターはあっという間に成長し、生後1か月を過ぎると繁殖出来るようになります。この頃に注意することは、兄弟で繁殖しないようにすることです。オスとメスに分けて飼育しましょう。
ハムスターが大人の体になるまでの期間はとても速いので、小さな頃から2匹以上飼うときには予想外に増えてしまわないように注意しましょう。

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