「ブリュッセル・グリフォン」について、飼っている方もこれから飼いたいと思っている方もいると思いますが、「ブリュッセル・グリフォン」を飼う上でどのような事を理解し、気をつけなければいけないのでしょうか?今回は、「ブリュッセル・グリフォン」について特徴や性質、飼育上の注意点などををチェックしてみましょう。

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ブリュセッル・グリフォンとは

「ブリュッセル・グリフォン」??
一見おしゃれなネーミングですが・・・初めて聞く方もいるのではないでしょうか。

こんなおしゃれな名前とはうらはらに、とてもユニークな顔立ちのブリュッセル・グリフォン。顎はしゃくれ、鼻は潰れ、顎ヒゲや口ヒゲが豊かなブサカワな犬種です。
実はSF映画の「スターウォーズ」に登場するチューバッカは、このブリュッセル・グリフォンをモデルにして作られたそうです。

ブリュッセル・グリフォンのルーツ


ブリュッセル・グリフォンのルーツは、ベルギーのブリュッセルが原産とされ、15世紀頃に「アーフェンピンシャー」と、様々なベルギーの土着犬と交配されたものが、この犬種の祖先であり、当時は地元ブリュッセルで、ネズミなどの害獣駆除をしていました。

1800年後半になると、隣国のオランダで人気だった「パグ」と掛け合わせたことによって、頭部がより大きくなり、粗くて硬く長い被毛のラフコートと、短い被毛のスムースコートの2種類のタイプが作られ、ラフコートは「ブリュッセル・グリフォン」、スムースコートは「プチ・ブラバンソン」と分けられるようになりました。

また、1880年頃には「ヨークシャ・テリア」や、ルビー色の「キング・チャールズ・スパニエル」とも掛け合わせられ、今のブリュッセル・グリフォンの基礎を作りました。
同時にこの頃、ベルギー王室で寵愛されたことがきっかけで、この犬種の人気が急速に高まりました。

ちなみに、「ブリュッセル・グリフォン」という名前の由来は、ベルギーの都市である「ブリュッセル」と、「グリフォン(針金のような硬い毛質)」から来ています。

ブリュッセル・グリフォンの性格

ブリュッセル・グリフォンは、気まぐれで自尊心が高く、自己主張が強い性格の持ち主のため、愛犬の機嫌によっては、飼い主さんの言うことを聞こえないフリをすることも・・・。抱かれることも、好んでする子は少ないようです。しかし、基本的には、信頼関係にある飼い主さんや家族に対しては、深い愛情を持って接します。

とにかくエネルギッシュなブリュッセル・グリフォンは、やんちゃでいたずら好きなところもあるので、ストレスが溜まると、留守番中にゲージを登って脱走することもあります。「ボール投げ」や「追いかけっこ」など、精神的にも肉体的にも刺激になるような運動を取り入れるのが良いでしょう。

ブリュッセル・グリフォンの大きさはどのくらい?

ブリュッセル・グリフォンの大きさは、体重がおおよそ3kg〜5kgほど、体高は20cm前後程となっています。分類としては超小型犬に分類され、家庭犬としても飼育しやすいサイズとなっています。

ルーツにもあるように、ブリュッセル・グリフォンはプチブラバンソンやベルジアン・グリフォンと親戚関係にある犬種です。そんな両犬種ですが、プチブラバンソンに関しては、体重がおおよそ3.5kg〜6kg、体高が約20cm前後というサイズ。また、ベルジアン・グリフォンに関しては体重が2.5kg〜5.5kg、体高が18cm〜20cmほどと、それぞれに微妙な違いがあります。

毛の長さやカラーで分けられるこれらの犬種ですが、しっかりとその特徴で分けられており、それぞれに違った個性を持っているのです。

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ブリュッセル・グリフォンの被毛

グリフォンには被毛によって、3種類のタイプがあります。

【ラフコート(長毛種)】
・「ブリュッセル・グリフォン」
針金のように硬く、赤い(茶色い)被毛

・「ベルジアン・グリフォン」
針金のように硬く、黒い被毛

【スムースコート(短毛種)】
・「プチ・ブラバンソン」
硬くて短い被毛

また、ラフコートの被毛に関してはトリミングが必要になり、一般的にはクリッピング(バリカンで毛を刈られること)されていることが多いです。

中には、ストリッピングといい、グリフォン本来の硬い毛や色を保つためや、毛量を増やすために、頭や背中毛を完全に抜くトリミング方法もあります。これは、毛を抜くことで毛質が丈夫になり、通気性も良くなるので、皮膚の状態が良好になると言われています。
しかし、皮膚も赤くなり、見た目も痛々しく、トリミング費用も高額になるため、日本ではあまりストリッピングするグリフォンは見かけないかもしれません。

ブリュッセル・グリフォンは抜け毛が少ない?

ブリュッセル・グリフォンに限らず、シングルコートの犬種は抜け毛が少なめです。そのため、家庭内での飼育にも向いており、ブリュッセル・グリフォンの性格的なものもペットとして向け入れやすい、穏やかな性格ですので、部屋も汚れずに飼育しやすい犬種の一つと言えそうです。

ただし、被毛自体はやや細めの毛質をしており、ちょっとなまけていると被毛が絡まってしまうこともありますので、定期的なブラッシングは必要になります。また、ブラッシングは被毛をとかすだけではなく、皮膚にも適度な刺激を与えることができるため、皮膚の健康維持にも役立つものです。

毎日のようにブラッシングする必要もありませんが、コミュニケーションと皮膚のチェックも兼ねて、ブラッシングを行うようにすると良いでしょう。

ブリュッセル・グリフォンがかかりやすい病気

ブリュッセル・グリフォンがかかりやすいとされているのが「膝蓋骨脱臼」という病気で、後ろ足の膝蓋骨(膝のお皿)が正常な場所から、内側か外側にずれてしまう(脱臼する)状態になる病気です。

膝蓋骨脱臼に関しては最初のうちは気付かない場合も多く、気付かずに放置していると、どんどん悪化していってしまいます。注意深く観察していれば、何かしらのサインが見られますが、特に愛犬が散歩中スキップする様子や、足を上げて歩くような素振りを見せた場合は危険信号です。

膝蓋骨脱臼を予防するためには、まず膝に負担をかけないことです。フローリングなどの硬く滑る床には、カーペットやラグを敷きましょう。また、後ろ足を掴んだりするようなことも、絶対にしてはいけません。

ブリュッセル・グリフォンと暮らすために


ブリュッセル・グリフォンは、「二重睫毛」にも気を付けなければいけません。これは、まつげが二重に生えることで、内側に生えたまつげが眼球を傷付けてしまう病気です。

常に眼球にまつげが刺さっているので、違和感があったり、痒くなって目をこすってしまい、目の表面だけでなく、角膜にも傷を付けることになり、さらに炎症を引き起こしてしまいます。

ブリュッセル・グリフォンのような他の犬種よりも大きな目は、どうしても目玉がやや飛び出ているために傷付きやすく、他の犬種よりも目のトラブルを招きやすいのです。

目のトラブルは安易に放おっておくと酷くなる場合もありますので、症状が重症化してしまう前に、日頃から愛犬の目への配慮とチェックは欠かさず行いましょう。

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ブリュッセル・グリフォンの飼い方で注意したい点

ブリュッセル・グリフォンを飼う上で気をつけなければならないのが、この犬種の特徴でもある「短吻種(目の前から口までの長さが短い犬のこと)」だと言う事です。短吻種の犬種は、体の構造的に呼吸器の機能が弱く、麻酔を行う場合は若干リスクが高くなるので配慮が必要です。

また、短吻種の犬種は「体温調整が苦手」な犬種でもあります。散歩する時間を考えたり、常に水が飲める状況にしておくなど、熱中症にならないように十分気を付けましょう。

さらに、短吻種の犬種は熱や気圧の変化にも弱いことから、飛行機での輸送を断られる場合があるので、飛行機を利用して旅行に行く際は、予め航空会社で短吻種の輸送が可能かどうかを確認するようにしましょう。

ブリュッセル・グリフォンの出産リスク

ブリュッセル・グリフォンの妊娠におけるリスクは高く、そもそも妊娠しにくい犬種ということが知られています。また、仮に妊娠できたとしても、母体に対して子犬が大きくなってしまうため、リスクの高い帝王切開での分娩が必要になります。

さらに、ブリュッセル・グリフォンの新生児は虚弱体質の個体が多く、生後数週間の死亡率はなんと約60%と、非常に高い死亡率となっているのです。子犬だけではなく、先述したようにブリュッセル・グリフォンは麻酔にもあまり強くないため、帝王切開を行うにも大きなリスクを伴うわけです。

数多くのリスクをかかえるブリュッセル・グリフォンの出産。実際に出産を考える場合には、獣医さんとよく相談して考える必要があります。

ブリュッセル・グリフォンの値段はどのくらい?

ブリュッセル・グリフォンの相場価格は、おおよそ20万円ほど。高い個体でも25万円前後といった所でしょう。

ブリュッセル・グリフォンは比較的珍し目の犬種ですので、ペットショップなどでも見かける機会はまれかもしれません。まったく見かけないわけではありませんが、常時配置される犬種ではありませんので、ブリュッセル・グリフォンを探す際にはブリーダーを探して迎え入れたほうが手っ取り早いでしょう。

ブリュッセル・グリフォンのブリーダーに関しては、個人ブリーダーに加えて、関東にも存在しています。実際に犬舎に行って確認したい場合には、関東地方に出向く必要がありそうです。

ブリュッセル・グリフォンのような犬種は近所でも飼っている場合が少なめですので、ブリーダーから迎え入れて、相談相手を作るという意味でも、ブリーダーから迎え入れるのはおすすめですよ!

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