「ビーグル」を飼っている方もこれから飼いたいと思っている方もいると思いますが、「ビーグル」を飼う上で、どのような事を理解し、気をつけなければいけないのでしょうか?今回は、「ビーグル」について、特徴や性質、飼育上の注意点などをチェックしてみましょう。

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ビーグルのルーツ

ビーグルは、ハウンドグループの中では最も小さいサイズの犬種であり、この犬種のルーツはとても古く、古代ギリシャでウサギ狩りに使用されていた、ハウンド系の子孫と言われております。また、敏感な臭覚は、ブラッド・ハウンドの血を譲り分けられたためです。

16世紀後半には、鞄に入れて持ち運べるような、馬の鞍の横に下げた袋にも入るような、体高25センチ以下の「ポケット・ビーグル」が流行し、大型のハウンド犬も入ることができない、険しい場所でも狩りができるようになりました。

一方、アメリカでこの犬種が知られるようになったのは、1642年のことで、当時のアメリカのビーグルは、イギリスのビーグルより大柄で、あまり似ていなかったようですが、南北戦争後イギリスのビーグルが輸入されるようになり、現在のビーグルの基礎が作られるようになりました。

ビーグルのウサギ狩りの方法とは

15世紀頃のイギリスでは、ビーグルは集団で獲物を追い、ハンターがラッパを吹いてビーグルに指示を出し、それらの音色を聞き分けて猟が行われていました。主な獲物はウサギ等の小動物だったようです。

猟の中でビーグルが獲物を追跡し、見つけた際には独特なビーグルの鳴き声で仲間を集めます。他のビーグルたちもこの声に反応し、合流してウサギを追い詰めていきました。

この時の、この独特なビーグルの鳴き声は、「森の鈴」「森のトランペッター」「草原の声楽隊」と呼ばれるようになりました。ちなみに「ビーグル」の名前の由来は、その独特な鳴き声から、古いフランス語で「開いた喉」という説や、フランス語の「小さい」という意味から来ているという説があります。

ビーグルの性格


ビーグルは、とにかく明るく、やんちゃで陽気な性格です。普段は落ち込むことがあるのかというくらい、いつも元気でパワフルなところがあり、子供や他の犬種とも仲良く遊ぶことができます。
昔から群れで狩猟していた素質があるので、多頭飼いにも向いています。

また、とても好奇心旺盛な性格のため、屋外に出て、何かに夢中になると、飼い主さんの声も届かなくなるところがあるので、幼少期から、愛犬に「おいで」と言えば飼い主さんのところへ戻ってくる、「呼び戻し」の訓練をするのが良いでしょう。

ビーグルは、家族に対して、とても従順で愛情深く、人との繋がりを大切にする犬種でもあります。それゆえ、寂しがり屋なところもあり、長時間の留守番が続くと、独特な声で鳴いて、近所迷惑になることもあります。日頃から、不安にならないようスキンシップを取ってあげましょう。

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ビーグルの被毛

ビーグルは、「ダブルコート」の被毛を持ち、硬く短い毛の「オーバーコート(上毛)」と柔らかく密生した「アンダーコート(下毛)」の2種類の被毛で覆われています。
被毛のカラーは、「トライカラー(黒・茶・白の3色)」や「レモン&ホワイト」などがあります。

被毛の手入れは比較的簡単で、汚れた時は、固く絞ったタオルで拭く程度で良いでしょう。また、年に2回の換毛期があり、その間は沢山の毛が抜けるため、犬アレルギーの人がいる家での飼育はあまりお勧めできません。

定期的なブラッシングをすることが望ましいですが、換毛期を迎えた時には、よりこまめにブラッシングをするようにし、常に清潔な体を維持させるようにしましょう。

ビーグルの運動量はどのくらい?


ビーグルはかつて、人間の狩猟を手伝っていた歴史からも分かる通り、多くの運動量を必要とする犬種です。また、その性格も非常に好奇心旺盛で、人とのコミュニケーションを楽しむ性格ですので、常に何かしていたい、遊びたいという欲求が強い犬種でもあります。

ビーグルに関しては、中型犬ながら1日1時間の散歩は欲しいところ。ビーグルの運動欲求やストレス解消のためにも、長い時間の散歩や、長い時間、飼い主さんと一緒に行動することが大事な犬種なのです。

また、ビーグルは太りやすい犬種でもありますので、ちょっと運動不足になると肥満体質になっていってしまいます。そのため、十分な運動も大事になり、食事の管理もしっかりと行う必要があるのです。

ビーグルがかかりやすい病気

ビーグルに最も多いのが、「椎間板ヘルニア」と言って、ビーグルのような軟骨異栄養症性(遺伝的に、軟骨の形成不全で骨が発育されなかったことにより、骨が短くなる病気)の犬種が、激しい運動や肥満により、背骨に負担がかかり、椎間板が損傷する病気です。また、重症になると神経麻痺が起こり、下半身不随になることもあります。

そして、「股関節形成不全」も気を付けたい病気の一つです。この股関節形成不全は、股関節が正常に形成されなかったり、変形されることで、歩き方に支障をきたす病気です。
肥満体型は股関節形成不全を引き起こすきっかけとなってしまいますので、子犬の頃から肥満にならないように、食事の管理は徹底するようにしましょう。

最後に「特発性てんかん」も、ビーグルに多い病気とされています。検査をしても脳に腫瘍や炎症などの異常がないにも関わらず、神経細胞に異常が起こることにより発症する病気で、全身が痙攣し、意識を失い、失禁する「全般発作」や、顔の一部や四肢が痙攣する「部分発作」といった症状が見られます。

ビーグルは暑さに強い?弱い?

狩猟犬として活躍してきたビーグル。暑さや寒さに関しては、実はどちらも体制がある犬種なんです。極端な温度は無理ですが、ちょっとした暑さや寒さは、ビーグルにとっては問題ない場合が多いです。

とはいえ、ビーグルの垂れた耳はしっかりと清潔な状態を保つようにしておきましょう。特に暑い夏は耳の中も蒸れやすく、雑菌が繁殖しやすい環境が整ってしまいます。日頃から耳掃除を行わずにいると、耳が蒸れてしまい、耳の病気を引き起こしてしまう場合があります。

毎日のように耳掃除を行う必要はありませんが、たまに耳を裏返すなどして、耳の中をチェックするようにしましょう。耳垢が溜まってきたなと感じたら、専用の液体や綿棒を使用して、やさしく耳掃除を行います。耳の中はそこまで汚れることもありませんが、数週間おきに汚れているようであれば、もしかすると「耳ダニ」がいるかもしれませんので、病院へ行って検査を行いましょう。

ビーグルの寿命はどのくらい?

ビーグルの寿命に関しては、おおよそ12歳〜15歳といったところ。中型犬としては一般的な寿命になっています。あくまでも平均的な寿命なので、前後はしますが、ビーグルの寿命をしっかりと全うさせるためにも、若年期からの運動は欠かさず行うようにしましょう。

ビーグルは肥満になりやすい体質の犬種です。そのため、日頃から運動の習慣がなければすぐに太っていってしまうのです。また、高齢になると、足腰も弱くなってしまうために、さらに運動を行わなくなる事も考えられます。

肥満は健康な体を維持するのには避けたいもの。肥満になってしまうと、様々な病気を引き起こす要因にもなるため、健康的な食事を与え、しっかりと運動を行うことがビーグルには大事なのです。

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ビーグルのブリーダー


ビーグルは比較的、日本でも人気の高い犬種ですので、ペットショップなどでも出会える確率は高いでしょう。常時居る犬種ではないものの、年に数回は入ってくる犬種ですので、こまめに通えばいつかは会えるでしょう。

また、ビーグルのブリーダーから直販で迎え入れるのもおすすめです。ブリーダーから迎え入れるメリットは、親の顔やビーグルについての専門知識が得られるところです。また、場合によってはペットショップよりも安価に迎え入れられる場合もあります。

ビーグルの相場はおおよそ20万円ほど。高くとも40万円を越えるのは稀でしょう。ブリーダーに関しては主に関東近郊と中部に集中していますが、ブリーダーを探すこと事態はそんなに難しくないでしょう。

ビーグルと暮らすために

ビーグルと言えば、とにかく元気でやんちゃな性格の持ち主です。いたずらは日常茶飯事。いつも愛犬に振り回されている飼い主さんも多いことでしょう。

「うちの子は、一体いつになったら落ち着くのかしら」
ビーグルを飼っている飼い主さんからよく聞くセリフです。
他の犬種なら2歳くらいで落ち着きますが、ビーグルの場合は4歳になっても、じっとしていない子が多いのです。

忙しいのにいたずらされて、余計な仕事が増えることもあるでしょう。
留守番させると、部屋をぐちゃぐちゃにされて、イライラすることもあるでしょう。

でも、ビーグルはとても愛情深い犬種です。遅く帰宅する飼い主さんの帰りを、ずっと待ってるのです。寂しがり屋で賢いビーグルは、待ってる間に、ついいたずらを思いついちゃうんです。いたずらしてる間は、時間が経つのも早いですからね。

スキンシップをとりながら、根気良くトレーニングをしていれば、必ず愛犬に伝わり、最良のパートナーになる時が必ず来ます。
それに、犬が年を取る早さは、意外に早いものです。「昔はあんなにやんちゃしていたのに・・」と寂しくなることさえあります。

ビーグルについて知っておいて欲しいこと

ビーグルを飼っている方なら、知っている方も多いとは思いますが、ビーグルという犬種は、小型で扱いやすく、性格も優しくて噛むような犬種でないということから、昔から実験動物として、今の医学に貢献してきた犬種です。

こんなに明るく元気なビーグルですが、実は普段飲んでいる医薬品などは、この犬種の犠牲があるという現実を、どうか忘れないでいて欲しいです。

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