愛猫が鼻水を垂らすような様子は見られませんか。鼻炎や副鼻腔炎の初期症状となるこうした症状は、ウイルスやアレルギーといった原因から引き起こされているのです。では、鼻炎や副鼻腔炎を予防するために、どのような対策を講じれば良いのでしょうか。

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猫の「鼻炎」と「副鼻腔炎」

愛猫が最近、鼻水を垂らしていたり、くしゃみが多かったり、呼吸が荒かったりという様子が見られないでしょうか。こういった症状が見られる場合には、もしかすると「鼻炎」などの疑いがあります。鼻炎とは、鼻の中の粘膜に炎症が起こることですが、鼻炎は、人間と同様、猫にも存在する症状です。

鼻炎の初期症状には、このようにサラサラとした水っぽい鼻水やくしゃみと言った症状が見られますが、症状が悪化してくると、次第に黄色や緑色の膿が混ざったような、ドロドロとした鼻水に変わっていきます。そして更に症状が悪化し、慢性化していくことで「副鼻腔炎」といった病気を引き起こしてしまいます。

副鼻腔炎とは?

「副鼻腔炎」とは、猫の鼻(鼻腔)の奥側にある「副鼻腔」と呼ばれる空洞部分に炎症が生じたものです。鼻腔と副鼻腔は繋がっていますので、鼻腔に炎症が生じると、副鼻腔にも炎症が起きてしまうことがあるのです。副鼻腔炎は、こうして鼻腔の炎症と併発して起きてしまいますが、副鼻腔が炎症して副鼻腔炎を発症した際に、副鼻腔に膿が溜まってしまう症状を「蓄膿症」と呼ばれています。

副鼻腔炎を発症して膿が溜まっていくと、鼻が詰まって呼吸が荒くなるなど、呼吸にも影響が出はじめ、呼吸困難を起こすような様子が見られることがあります。また、目やにが増える等の症状も出てきます。こうした状態が悪化し、膿がたまることで前述の蓄膿症を発症するのです。

鼻炎の原因とは

猫の鼻炎の原因は、「猫ヘルペスウィルス」や「猫カリシウィルス」など、鼻炎を発症する90%が、このようなウィルス性の猫風邪からくることが多いと言われています。また、「クリプトコッカス」や「クラミジア」など、真菌の感染によって鼻炎を発症する場合もあります。こうしたウイルスや細菌が鼻腔内や副鼻腔内に感染してしまう事で鼻炎を引き起こしてしまうのです。他にも、鼻腔内を爪で引っ掻いたり、何かしらの原因で傷ついてしまうことでも、細菌などに感染してしまい、鼻炎を引き起こすこともあります。

この他、「腺ガン」や「骨肉腫」、「リンパ腫」など、鼻腔内にできもの(腫瘍)ができることで鼻の中の粘膜に傷が付き、鼻炎を引き起こすことがあります。また、「猫白血病ウィルス」や「猫エイズウィルス」に感染することで、猫自体の免疫力が落ちると、鼻炎を起こしやすくなるとも言われています。

さらには、歯周病などの影響で鼻炎を発症したり、何かしらのアレルギーが要因して鼻炎を引き起こす場合もあります。こうした原因が、長く続いてしまうことで、副鼻腔炎も引き起こす結果となってしまうのです。

原因が特定しにくいアレルギーの症状

上記に挙げたアレルギーですが、人間と同じように猫にもアレルギーというものが存在します。このアレルギーが原因で、鼻炎を引き起こしてしまうことを「アレルギー性鼻炎」と言います。アレルギーには様々なタイプ・原因がありますが、ハウスダストやイエダニ、排気ガスや花粉などが原因とする場合や、食物アレルギーによって引き起こされている場合など、なかなか特定するのが難しいところです。

しかし、アレルギーの原因となっているものを特定しなければ、アレルギー症状も治まらないため、鼻炎などの症状も沈静化していきません。普段の生活から、こうした症状にすぐに気がつけるようにしたいところですが、例えば、新しくフードを変えたタイミング、引っ越して環境が変わったタイミングなど、猫の環境や食べ物が変わったタイミングを意識するようにして、1〜2週間は様子を見るようにしましょう。

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鼻炎・副鼻腔炎の治療に関して

こういった原因が関係しているため、鼻炎や副鼻腔炎を治療する際には、原因となるウイルスや細菌を退治する必要があります。抗生物質の投与や、消炎剤の投与が行われますが、これらの原因の他にも、鼻炎等を引き起こしている病気を発症している場合には、それらの病気も治療しなければ鼻炎が治まることはないでしょう。

鼻炎や副鼻腔炎を治療する際には、こうした原因となっている根源を治療し、鼻炎などの症状を緩和させるための対症療法を行うのが、通常の治療法となるでしょう。

しかし、症状が重く、呼吸困難を起こしている場合は、吸入器を使用して、症状を軽減させる治療を行います。また、副鼻腔に膿が溜まる蓄膿症を発症している場合は、チューブなどを用いて、溜まった膿を洗い流すような外科手術が行われることがあります。

鼻炎や副鼻腔炎を予防するために

鼻炎や副鼻腔炎を予防するには、ウイルスによる感染を予防することが最善の策となります。そのため、猫ヘルペスウィルスや猫カリシウィルスなどのウイルス感染を防ぐための予防接種が有効的となります。こうしたウイルス感染を防ぐことが、鼻炎や副鼻腔炎を発症するリスクを大きく軽減します。

鼻炎を引き起こす原因として最も多いのが、猫ヘルペスウィルスや猫カリシウィルスなどのウイルス感染等となりますので、しっかりと予防接種を受け、病気にならないような体作りが重要です。免疫力や抵抗力が低下していると、こうした病気を引き起こしますので、日頃から健康に気遣った飼育を心がけましょう。

また、アレルギーが原因となる場合には、前述のように、日頃からの観察が重要になります。ちょっとした愛猫の変化にも気がつけるような飼い主さんになれるように、たくさん愛情を注ぎ、たくさんの知識を身につけるようにしましょう。

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