ドッグフードにはいくつかのタイプが存在しますが、今回はその中のひとつ「半生タイプ」のドッグフードについて解説していきたいと思います。半生タイプ、食いつきは良いものの、果たしてその原材料は体に良いものなのでしょうか。
ドッグフードの種類
ドッグフードにもカリカリとした食感の「ドライタイプ」のフードと、「ウェットタイプ」と呼ばれる、缶詰やパウチ等に代表されるフードがあります。
一般的にはこの2種に分けられますが、他にも「半生タイプ」と呼ばれる、ドライタイプよりも柔らかい半生状のドッグフードも存在します。この半生タイプのドッグフードは、「セミモイスト」や「セミドライ」「ソフトドライ」等とも呼ばれる事があります。
この3種類のドッグフードはそれぞれに特徴や用途なども違い、それぞれにメリットもあれば、デメリットもあります。3種の大きな違いとしては、フード自体の水分量の違いがありますが、犬にとってより良いドッグフードはどのタイプのドッグフードなのでしょうか。
ドッグフードに含まれる水分量について
一般的なドライフードは水分量がおおよそ5%〜10%ほど。それに対し半生タイプのフードの水分含有量はおおよそ30%前後といったところです。一方、ウェットフードは70%〜80%もの水分量を保持しています。
通常、愛犬にドッグフードを与える際にはコストの面などからもドライフードを選択することがほとんどだと思いますが、ドライフードは水分量が少ないため、食後は水分を十分に取る必要があります。
ウェットフードに関しては、ドライフードよりも栄養が破壊されること無く、ほぼ素材そのままの状態で配合されているため、栄養も豊富で水分量も豊富です。主に食の細い犬や顎や歯の弱ってしまった老齢犬に与えることが多いですが、難点としてはコストの高さになるでしょう。
半生タイプは長期的に与えるのを避けましょう
その中間が半生タイプのドッグフードという感じではあり、食欲のない犬や老齢犬にも与えやすいタイプのドッグフードではありますが、ほぼおやつのようなドッグフードでもありますので、長期的に与えることは考えないほうが良いかもしれません。
また、子犬のうちから半生フードを多用するのも避けたいところ。ドライフードは「歯固め」の効果もありますので、半生ばかり食べさせていると顎の弱い犬になってしまい、高齢期をむかえる頃には顎も歯も弱ってしまっている可能性が高いでしょう。
そして、おやつに近いようなフードではありますので、味気の少ないドライフードを嫌がる可能性も否めません。わざわざ固くて味の薄いようなドライフードを食べるよりも、味も美味しい半生タイプを好むのも当然の事なのです。
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半生タイプに使用される合成添加物
また、半生タイプのドッグフードを長期的にに与えないほうがよいというのも、半生タイプのドッグフードの多くは、その原材料に問題があるためです。
もちろん、中には「無添加」の半生タイプもあるにはあるのですが、ほとんどの半生タイプには「合成添加物」が使用されている事が多いのです。
【国産メーカー 半生タイプフード 全成長段階用(ビーフ・緑黄色野菜・小魚・チーズ入り】
穀類(トウモロコシ、小麦粉等)、肉類(チキンミール、ビーフミール等)、豆類(脱脂大豆等)、糖類(ブドウ糖果糖液糖、ショ糖、オリゴ糖)、動物性油脂、ビール酵母、ハーブ、野菜類(ニンジンパウダー、カボチャパウダー、ホウレンソウパウダー)、魚介類(乾燥小魚)、チーズパウダー、プロピレングリコール、ミネラル類(カルシウム、塩素、銅、ヨウ素、ナトリウム、リン、亜鉛)、グリセリン、乳化剤、保存料(ソルビン酸K)、pH調整剤(リンゴ酸、クエン酸)、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、D、E、K、コリン、パントテン酸)、着色料(二酸化チタン、赤色106号、黄色4号、黄色5号、青色1号)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ハーブエキス)
見た目を良くするための着色料
例として国内産の半生タイプのドッグフードの原材料を参考にしましたが、こちらの商品に限らず、半生フードには合成添加物が多く使用されています。
国内のフードは特にそうですが、こうして合成添加物が使用される理由には、半生の状態を維持するためや、フード自体の「見た目」を良くするためだけに使用されます。加工されたドッグフードは茶色かったりと、あまり良い色とはいえない状態ですので、少しでも良い見た目にしようと、着色料が用いられるわけです。
半生のドッグフードに限らず、赤色や緑色が付けられているドッグフードは、こうした着色料が用いられています。赤色は「肉」を、緑色は「野菜」を連想させるための色でしょうが、あくまでも犬にとっては何ら関係のない「色」であることは確かです。
アレルギー症状を引き起こす場合も
こうしてドッグフードの見た目を良くするために、犬の健康にも害のある「着色料」が多用されますが、着色料のひとつである「赤色106」を例にとっても、発がん性やアレルギーを引き起こす可能性がある事が指摘されています。
他にも「黄色4号」はぜんそくやじんましんなどの副作用、アレルギー症状を引き起こすと言うことも判明している添加物、「二酸化チタン」に関しては、原料を白くさせるための着色料として使用されますが、こちらも発がん性やアルツハイマーなどを引き起こすとして指摘されるものです。
このように、犬にとって着色料は何ら必要のないせいぶんでありますので、出来る限り避けたいところです。また、着色料はヨーロッパ圏ではすでにドッグフードには使用されていない添加物です。
ソルビン酸K(カリウム)について
保存料に使用される「ソルビン酸K(カリウム)」に関しては、ラットによる動物実験で体重1kg:4.2gの量で投与したところ、約半分のラットが死亡するなどの結果が出た成分。
半生フードは水分量も多いため「カビ」が発生しやすいのですが、このカビの発生を抑えるために使用される添加物がソルビン酸カリウムです。ソルビン酸カリウムはドッグフードに含まれている他、人間用の化粧品などにも用いられている添加物です。
微量といえど、こうした添加物が使用されているのは、健康被害にあってもおかしくはないと考えてしまいます。また、「亜硝酸ナトリウム」と呼ばれる成分が加わると、発ガン性物質を発生させてしまうという報告もあり、あまり食用としては与えたくない成分と言えるでしょう。
プロピレングリコールについて
上記のドッグフードに含まれる「プロピレングリコール」も、愛犬にとってあまり良い成分とは言えない添加物です。
プロピレングリコールがドッグフードに使われるのは、主に半生フードである場合で、ソルビン酸カリウムと同じく、カビを防ぐ効果や保湿剤としての効果を持つ成分です。
しかし、プロピレングリコールは今回紹介した中でも、特に与えたくない添加物の一つと言えるでしょう。毒性としてはやや強く、摂取量もかなり微量でなければなりません。アレルギーを引き起こす場合や、腸閉塞といった病気を引き起こす要因にもなりますので、できれば避けていきたい成分です。
残念ながら、このように犬にとって害のあるような成分も普通に含まれているのが現状なのです。
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「認可」されている成分
正直なところ、半生フードの問題点は添加物だけにとどまりませんが、原材料に関しての問題としては、国産ドライフードにも共通して言える事ですので、詳しくは別記事で紹介していきたいと思います。
今回は半生フードの危険なポイントについて解説していきましたが、実はこうした危険と思われる添加物は、日本でも認可されているものなのです(ソルビン酸Kなどは、人間用のソーセージ等にも使用されています)。
認可されているとはいえ、正直な所、こうした事実を知ってしまうと愛犬に与えたいかと言うと、与えたくはないと考えてしまいませんか?いくら美味しそうに食べていても、実は中身を覗いてみると不健康な原材料ばかりで、本当に愛犬の健康を維持できるのかと疑問を抱いてしまいます。
まとめ
すべての半生タイプのドッグフードが危険なわけではありませんが、最も大事になるのは、飼い主さんがある程度原材料についての知識を持ち、ドッグフードの原材料を確認して問題ないかを判断できるようになることです。
ドッグフードの質の良さは、販売価格に反映されてはいますので、高ければ高いほど、原材料や製法はより良いものという認識で間違いは無いかもしれません。
しかし、なかには高級そうなドッグフードや、日本でもたくさん売れているような海外産フードメーカーのドッグフードであっても、あまり好ましくない添加物を含むドッグフードもあります。
知識を持つのは難しいことですが、まずは現在、愛犬に与えているドッグフードの原材料をチェックしてみることから始めてみましょう。
※内容は2017年2月時点での情報になります。原材料、商品名等の内容は変更している場合があります。
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