ドッグフードの中で「プレミアムフード」と呼ばれる犬の主食があり、様々な種類の中でなぜプレミアムフードと呼ばれているのでしょうか?今回はそのプレミアムフードの選び方や考え方についてお話します。
プレミアムフードとは?
たくさんの種類のドッグフードが販売されていますが、ドッグフードの中には、
- プレミアムフード
- グレインフリーフード
- 種類別
- ステージ別
といった表現でくくられたドッグフードがあります。これらのフードの特徴をよく理解することで、愛犬にとってよりよいフードを選択することができます。
この中でも、プレミアムフードと呼ばれるドッグフードは、その名の通り「プレミアム」なドッグフードということですが、このプレミアムとは何を基準として考えられているものなのでしょうか。
プレミアムフードの「定義」とは?
実際のところプレミアムフードに明確な「定義」が存在するわけではありません。良い食材を使用すればプレミアムフードであるかどうかといえば、そうではありません。いくら良い食材を使っていても、栄養バランスが悪ければ、犬にとってプレミアムなフードとは言えないからです。
また、犬によっても必要としている栄養は微妙に違ってきます。プレミアムとは、その犬によっても異なってくるものです。
一般的には価格によってプレミアムフードかどうかという判断になってきていますが、実際にプレミアムフードに求められるのは「良い食材」、そして「高品質」で「栄養をしっかり摂取できる」というポイントになってくるでしょう。
高品質で栄養をしっかり摂取できる食材となると、当然、価格も高くなるため、プレミアムフードの価格は比較的高価になってくるわけです。
原材料はプレミアム食材を使用
ドッグフードを選ぶ時には、まずは「成分表示」「原材料名」を意識的に確認するようにしましょう。
これは、ドッグフードを作る上で使用した材料の名前と、計測した成分を表した表示で、これらの記載は法律で定められたものです。
プレミアムな食材とは、材料に使用している肉等の素材が「人が食べる部位」や「人用の食材と同等の肉」をドッグフードの食材に利用しているものがほとんどです。
また、食材に利用される穀物類も同様に、人間の料理で利用する穀物を食材として利用している事が挙げられます。
そのため、粗雑なドッグフードに比べ、価格は約3倍近くになる場合がほとんどですが、全く栄養価の無い粗雑なフードを与え続ける事で、将来的に病気になる可能性や、体調を崩す可能性が高いと言えます。
人間も、ジャンクフードばかりを食べ続けることで、様々な悪影響が体に及ぶという事と同じ考えです。
プレミアムフードの中での違い
このように、ヒューマンレベルの食材を使用するプレミアムフードですが、どのプレミアムフードもレベルが同じという訳ではありません。
メーカーや会社によって犬の栄養学・健康についての考え方が様々あり、中には、人間が食べるものよりも良い肉を使用したものや、ドッグフードを作るまでの工程にこだわりを持ったドッグフードなど、その内容も多種多様です。
しかし、いずれのドッグフードも犬の健康を考えての物ではありますが、どの種類のプレミアムフードを与えても、全ての犬が健康になるという訳ではありません。
犬の体調や好み等もあるので、一概にどのフードも飼い犬に「合う」とは言い切れないのです。
一つの基準となる「AAFCO」とは
プレミアムフードを選択する際に、一つの基準となる「AAFCO」のマーク。このAAFCOのマークは「米国飼料検査官協会(Association of American Feed Control Official)」の略で、ペットフードの栄養基準をクリアした製品にはこのAAFCOのマークが付けられています。
AAFCOでは常に犬や猫、小動物から家禽まで動物の栄養バランス、「どの成分を摂取するのが最適でどれくらいの量を必要としている」と言った非常に重要な成分値について研究が続けられており、より適性な成分値を「数値化」している機関とも言えます。
このAAFCOの栄養基準値は数年おきに変わる場合もあり、常に最適なバランスが研究されて、情報もアップデートされていっていますので、フードメーカーもAAFCOの情報は常にリサーチしている形になります。
成分の基準値を示すAAFCO
上記の通り、ドッグフードの栄養成分はAAFCOの基準を参考に作られているわけですが、このマークは「AAFCOが検査した」と言う意味ではありません。
AAFCOはあくまでも研究結果を公開している機関であり、認可を与えている機関ではありません。ですので、AAFCOマークが付けられているドッグフードは、AAFCOが定める「栄養基準をクリアしている」という意味のものなので、あくまでも「AAFCOの最低基準値をクリアしている良質なフードなんだな」という解釈で捉えたほうが良いです。
海外産(国産でも一部の)ドッグフードはこのAAFCOの基準を遵守していることが当たり前となっていますので、ひとつのフードを選択する上で、参考程度に覚えておくとよいかもしれません。
比例している価格と内容
1kgで1,000円程度の物から、3〜4,000円の物まであるプレミアムフード。ドッグフードのこの価格差ですが、価格とフードの内容は比例しているかもしれません。
価格が高ければ高いほど、原材料や製法など、中身の質にこだわったフードとも言えます。
例えば、先に挙げた「肉」の質に関しても、プレミアムフードでは多くのこだわりがあります。
良質な牧草や良質な穀物を食べて育った鶏や牛の肉を使用していたり、人間用の食材レベルの原材料を使用していること、鶏や牛の飼料の段階から「ペットフード」に適した飼料を使用している等、メーカーのアイデンティティーが込められた物も存在します。
また製法に関しても、栄養を壊さない製法で焼き上げたフードや、特殊な「粒=キブル」を採用したフードなどがあります。
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国産フードよりも海外産はコストがかかる
ドッグフードの価格を左右しているのが品質以外にも、普通のペットフードでは入れることのないプラスαの原材料が含まれていることなども価格差に反映される場合があります。
関節ケアにも最適なコンドロイチン・グルコサミンが多く配合されているドッグフードや、穀物等を入れずに肉だけで構成されたグレインフリーと呼ばれるドッグフードなど、価格相応の内容のプレミアムフードが近年では多く見られます。
こうした製品は海外のメーカーが多いですが、国内で販売される場合には輸入コスト等で更に価格が上がっているため、原産国よりも価格が高くなっているのが一般的です。
通常の価格差に加え、様々なコストも生じているために、プレミアムフードと呼ばれる製品は価格もかなり高騰してしまうケースも少なくありません。
給餌量にも注目
一見すると高価にも見えるプレミアムフードの価格ですが、1日の給餌量にも注目してみて下さい。粗雑なドッグフードの給餌量は、1日の給餌量が比較的多い傾向にあります。これは中身が穀物類等で構成されているためです。
プレミアムフードに関しては、1日の給餌量が比較的少なく、よりハイカロリーである場合が多いです。中には多めの給餌量のものもあるので一概には言えませんが、構成されている素材が肉などで締められているため、1日の給餌量が少なくて済むのです。
中には、お湯で浸すとレトルトフードのように溶けるドッグフードの製法を採用しているものなどもあり、各社とも「給餌量」や「1日あたりの食費」という部分でも研究されているドッグフードが多いです。
おすすめのポイントは主原料を確認すること
合う・合わないはあるものの、よっぽどでなければ粗悪品に出会う確率が低いのが「プレミアムフード」でもあります。
袋に記載されている内容以外にも、パンフレット等があれば良く読んでみて、メーカーの考え方をしっかりと理解した上で、ドッグフードを選択してみることをお奨めします。
ドッグフードの良し悪しは「食いつき」や「見た目の可愛らしさ(例えば粒など)」ではありません。また、「◯◯推奨」という言葉にも踊らされないほうが良いでしょう。
プレミアムフードの基本となるのは「原材料」です。特に犬は肉が好物であり、肉から摂取できる栄養素は高品質なものばかりです。残念ながら穀物だらけのドッグフードでは、同じような栄養を摂取することが難しいと考えたほうが良いでしょう。
ポイントとなるのは「動物性タンパク質」なのか、「植物性タンパク質」なのかという点でもあります。
ランキングにも躍らされないように
ドッグフードランキングやプレミアムフードランキングといったように、フードをランキングで紹介するものもありますが、多くの情報は当てになりません。
おそらく売れ行きだけでみると、国産メーカーやロイヤルカナン、ニュートロといったフードメーカーが挙げられるかと思いますが、前述の通り、愛犬に最もあったフードはそれぞれ違います。
実際、ロイヤルカナンに関しても主原料は動物性タンパク質ではありませんし、国産メーカーの多くも合成添加物や穀物類を多様しているようなフードがたくさんあります。
これらのフードはプレミアムフードではありますが、必ずしも愛犬にとってプレミアムかどうかはまた別問題。また、価格が高くとも愛犬に合ったフードかと言うと、成分によってはそうではない場合も多いです。
いちばん大切なのは愛犬の体調を見極めることであり、それに見合った栄養を摂取できるドッグフードが「プレミアム」なフードであるということです。
ドッグフードのプレミアムフードとは!【基準や価格と質は?】のまとめ
これだけの種類があるドッグフードですが、1頭1頭が好みや体調が違うため、これだけの種類のドッグフードが存在しているわけです。
どのプレミアムフードを選択したらいいか悩んでしまいますが、「好み」や「食いつき」に関しては、残念ながら一度試してみるしか方法はありません。
しかし、現在に至っては数多くのメーカーも存在しているので、自分の考え方や納得する内容のペットフードに出会える確率も高くなっています。こうしたメーカーの「犬」や「ペットフード」に対する考え方に納得する部分があるのならば、一度は試してみるのも良いかもしれませんよ。
何を選んだら良いかわからないという方も、この機会にドッグフードを見直してみては!?
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