猫がウィルスによって感染する「猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)」。猫の命にも関わる恐ろしい病気として知られる猫免疫不全ウイルス感染症ですが、この病気を発症してしまった場合、ペット保険に加入することは出来るのでしょうか。
今回は猫免疫不全ウイルス感染症とペット保険に加入できるかどうかについて解説していきたいと思います。
猫のペット保険は必要?
近年では色々なペット保険が登場してきており、いまや猫もペット保険に加入するのが当たり前になりつつある時代になってきました。
猫は犬よりも散歩に出たりしないですし、自宅内で飼育しているからペット保険は不要と考える方もまだまだ少なくありません。しかしながら、猫も犬と同様に様々な病気になる可能性はあり、自宅内でも「骨折」や「誤飲」等の事故が起きてしまう可能性だってあるのです。
そんな時、ペット保険に加入していなければ、当然治療費も全額負担という形になりますが、病気や怪我の治療費には10万円以上が発生する場合も珍しくありません。例えば、骨折などでも症状によっては軽く10万以上かかる場合もありますし、通院治療となれば、その都度1万円近い治療費が発生する場合もあるのです。
猫のペット保険は通院補償が大事
そんな時に活用できるのが、ペット保険です。ペット保険にも様々な種類、様々な補償内容がありますので、飼い主さんが利用しやすいペット保険、プランを選択する必要がありますが、猫のペット保険の場合には通院補償もついている保険がおすすめと言えます。
猫に発症しやすい病気というものはありますので、できるだけ発症する確率の高い病気に備える必要がありますが、中には補償の対象外となる病気もあります。それが今回ご紹介する猫免疫不全ウイルス感染症などの病気です。
猫免疫不全ウイルス感染症は通称「猫エイズ」とも呼ばれる猫の感染症の一つで、場合によっては命を落としてしまう可能性がある、怖い病気です。こうした病気に備えるためペット保険の加入は大事なものとなるのです。
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「猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)」とは
人間の病気でも知られる「エイズ」。実は猫にも猫エイズと呼ばれている病気があり、「猫免疫不全ウイルス感染症」と呼ばれる病気の事を、通称「猫エイズ」とよんでいます。また、猫免疫不全ウイルス感染症は「FIV(Feline Immunodeficiency Virus)」と略されます。
この猫免疫不全ウイルス感染症は、「猫免疫不全ウイルス」に感染することで発症する病気ですが、その原因はすでに猫免疫不全ウイルスに感染している感染猫への接触が原因となります。
その接触の主な原因が猫同士のケンカであったり、感染猫に攻撃されてしまったりといった感染経路となり、その際に出来た傷口から猫免疫不全ウイルスが感染することで感染が拡がります。
猫免疫不全ウイルス感染症の症状とは
人間のエイズも、エイズウィルスに感染してから長い時間、その症状を表さず、数年後に病気を発症すると言われていますが、この点においても猫免疫不全ウイルス感染症は同じです。
猫免疫不全ウイルス感染症の場合には、おおよそ1ヶ月ほどで「風邪」に似たような症状が見られ始めることが多いです。他にも下痢やリンパが腫れるといった症状が見られるようになりますが、その後は一旦、無症状となるのです。長い場合ですと、この風邪のような症状が1年近くも続く場合があります。
上記の期間に猫免疫不全ウイルスは体内へと散らばり、やがて無症状の状態に移行していきます。この時期を「キャリア期」と呼び、猫免疫不全ウイルス保持猫となってしまいます。
一度発症した風邪のような症状が落ち着くため、ちょっとした風邪だったんだと油断してしまうのがこのキャリアの時期です。しかし、この間にも猫免疫不全ウイルスは体内に潜伏し、4〜5年以上もの期間を無症状のままで過ごすこととなるのです。
様々な病気を引き起こす猫免疫不全ウイルス感染症
キャリア期を経たのち、いよいよ猫免疫不全ウイルス感染症の症状が本格的に見られ始めるようになります。その症状の多くは口腔内に疾患が見られるようになり、口臭やヨダレが多い、歯肉炎や口内炎などの症状が見られるようになります。
そして、再び風邪のような症状も見られ始め、下痢や嘔吐、体重の減少といった症状が見られるようになります。他にも、皮膚炎や脱水症状、元気の喪失や食欲の減退といった症状が見られるようになります。
猫免疫不全ウイルス感染症は猫の免疫力を弱らせ、多くの病気を引き起こさせます。そして更に猫の体を弱らせ、やがては死に至らしめる恐ろしい病気です。
猫免疫不全ウイルス感染症によって引き起こされる病気には、「肺炎」や「悪性腫瘍」、「胸膜炎」など様々です。
加入前から感染している場合は補償の対象外に
前述の通り、猫免疫不全ウイルス感染症は非常に恐ろしい病気ですが、この病気に対してペット保険は保証の対象となるのでしょうか。
先ず根本的に言えるのは、「すでに猫免疫不全ウイルス感染症に感染している」「猫免疫不全ウイルス感染症の症状が見られる」場合、残念ながらペット保険に加入することは出来ないでしょう。
ペット保険に加入する際に必ず確認しておく必要があるのが、ペット保険の加入条件です。この条件の中に該当する病気や怪我があれば、ペット保険に加入することは出来ません。
そして、多くのペット保険の加入条件の中に入っているのが猫免疫不全ウイルス感染症なのです。猫免疫不全ウイルス感染症は前述の通り、猫免疫不全ウイルス感染症そのもの以外にも、他の病気を引き起こさせる要因ともなる病気です。
そのため、保険会社としてもより多くの病気を補償することとなってしまうため、その根本原因である猫免疫不全ウイルス感染症を、補償の対象外としているのです。
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保険会社によって異なる補償対応
では、ペット保険の加入後に猫免疫不全ウイルス感染症に感染した場合はどうでしょうか。この場合には、保証の対象となりますが、猫免疫不全ウイルス感染症によって引き起こされている病気へは補償がきくと思われますが、猫免疫不全ウイルス感染症そのものの治療に関しては、ペット保険会社によっても考えが分かれるところです。
例えば、16歳まで新規加入ができる「ペッツベスト」を見てみると、保険期間中の猫免疫不全ウイルス感染症に対しては保険金の限度額が別で設定されるという注釈が付けられています。
また、ペット保険の中でもシェアNo.1である「アニコム」に関しては、審査の基準について開示することはありませんとの注釈がありますので、やはりペット保険会社によっても対応は分かれるようです。
猫免疫不全ウイルス感染症に限らず、病気や怪我をする前にペット保険に加入したのであれば、できるだけ一度は健康診断を兼ねて動物病院で検査を行うのがベストかも知れません。こうすることで、病気の発生が無かった事実も作れますし、そもそも愛猫の病気が発覚した際には、早期発見にも繋がることが出来るのです。
まとめ
愛猫の様子が健康そうな時には、ペット保険に加入することなど考えもしないかもしれませんね。しかし、前述の通り病気を発症・感染してしまってからペット保険に加入しても、その病気や怪我に対して補償されることはありませんので、加入するには遅すぎるのです。
そのため、ペット保険に加入するには出来る限り健康な状態の時に加入し、健康診断も兼ねて動物病院で健康診断を行なうことが大事です。
特に、潜伏期間のあるような猫免疫不全ウイルス感染症を始めとした病気は、飼い主さんが知らぬ間にキャリアになっている可能性も高い病気です。早期発見・早期治療をするためにも、まめに健康診断が行える通院補償の付いたペット保険に加入することをおすすめします。
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