フェレットを飼育していくにあたり、いくつかのポイントに注意する必要があります。今回はその中でも大事な注意点についてまとめてみましたので、これから飼う方も、飼っている方も確認を兼ねて、確認してみましょう。

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フェレットには何でもおもちゃに見えています


はじめてフェレットを飼う時には、フェレットのその天真爛漫な性格ゆえに、色々と振り回されることもあるでしょう。

例えば、食べてはいけないものを食べてみたり、噛じってはいけない電源コードを噛んだりなど、フェレットの標的となる「おもちゃ」は家の中にたくさんあるのです。しかし、こうしたいたずらがフェレット自身には遊びの延長でも、時に非常に危険な場合だったりもするわけです。

先ほども挙げた、電気のコードを噛んで感電することも考えられたり、紙幣や硬貨を置いておいて食べてしまって、手術が必要になる場合も考えられるのです。正直な所、そんなところに置いたりしている飼い主が一番悪いのですが、フェレット自身にも何が悪くて、何が危険かを覚えさせる必要もあるのです。

予め「飼い方」を予習しておく事が大事

フェレットを飼育する前のポイントとしては、フェレットが危険な目に合わないような飼育スペースを確保できるか、飼育スペースは最適な状態かを判断し、準備ができているかという点です。

はじめてフェレットを飼うという方は、何が良くて、何が危険なのかがわからないかも知れませんが、事前にフェレットにとっての危険を把握しておく必要はあります。そのため、フェレット自身の躾も大事ですが、まずは飼い主さんの心構えや知識を増やすということは、非常に大事な飼い主の勤めでもあるのです。

フェレットを安全に飼育するためには躾をする必要があり、また、躾はフェレットとの信頼関係を築いていくのに必要なやりとりでもあります。非常に大変ですが、根気強く、頑張って躾に挑戦していきましょう。

噛み癖は早めに対策をしましょう

ファームにもよりますが、フェレットによっては噛み癖が強い子供も多いです。この噛み癖を放おっておくと、フェレットが大人になった時に、より強い力で噛むようになってしまします。こうした事態を防ぐためにも、子供の頃から積極的に噛み癖を直すことに重点を置くようにしましょう。

だいたいのフェレットは半年過ぎ位には噛み癖も収まっていき、色々な事も理解出来るようになりますので、噛まれるのは非常に痛いですが、根気強く躾けていくようにしましょう。
また、こうした噛み癖を直すためにも保定は必要になります。基本的には「噛むと良くないことが起きる」という体験を積み重ねていく事で、噛み癖を減らしていくという方法です。

具体的には「大きな音をたてる」といった方法や、フェレットの嫌がる臭いがやってくるといったように、フェレットにとって「嫌な」事を起こします。
こうすることで、フェレットが驚いたり逃げたりするので、また噛むと「アレ」がやってくるといった感じを植え付けていきます。

爪の伸びすぎに注意しましょう

フェレットの爪の伸びすぎには注意しましょう。色々な物が引っかかってしまい、特に渋滞んやハンモックといった、普段からフェレットが利用するようなものに爪が引っかかり、ケガをする恐れがあります。また、飼い主が抱き上げた時にも刺さるようになりますので、1〜2週間に1回程度の間隔で爪のチェックを行うようにしましょう。

爪を切り落とした後は、軽くこするように爪やすりで角を落とす事も忘れずに。少し丸める程度で良いので、綺麗に仕上げてあげるようにしましょう。

気をつけて爪切りを行っていても、慣れてくると血管を一度は切ってしまうものです。しかし、うっかり血管を切って血が出てきても、慌てないようにしましょう。飼い主さんが慌てると、フェレットにも感情が伝わって、ただでさえ痛いのにパニックになってしまいます。

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爪切りで血が出てしまった場合には?

爪切りで血が出てきてしまった場合には、まずは飼い主さんが落ち着くようにし、清潔なタオルなどで止血を行いましょう。この時、思ったよりも血は出てきてしまいますので、まずは止血を優先的に行なうことが大事です。

次に「止血剤」で消毒と止血を行います。5分〜10分程度たっても止まらない場合には、すぐに病院に行って止血をしてもらうようにしましょう。こうした万が一の事態に備えて、止血剤などを用意しておくと良いでしょう。

止血剤はペットショップ等で販売されている犬猫用の止血剤を利用することが出来ます。「クイックストップ」という商品が最も有名ですが、止血剤であれば何でも良いでしょう。おおよそ2,000円ほどで販売されています。

耳の中も定期的にチェックしましょう

フェレットの耳は、比較的すぐ耳垢がたまりますので、小まめに耳掃除をして上げる必要があります。耳掃除を行う際には、綿棒が乾燥した状態ですと、フェレットの耳の中を傷つけてしまう可能性もありますので、イヤークリーナーを綿棒に垂らして、十分に染み込ませてから耳掃除を行います。

また、あまり力をいれてゴシゴシするのではなく、綿棒をくるくる回すようなイメージで、やさしく行いましょう。目で見える範囲を綺麗に行うことでも、十分効果はあります。特に耳のひだの部分などにも、耳垢がこびりついているので、忘れないようにしっかりと行いましょう。

耳ダニのチェックも

フェレットが耳を痒がってたり、耳掃除をして、2〜3日経つとすぐにまた黒っぽい耳垢が溜まっていないでしょうか。こうした状態が見られる時は「耳ダニ」の疑いがあります。

耳ダニとは、犬や猫にも同じく発症する「耳ダニ感染症」の原因となる「ヒゼンダニ」というダニによる感染症で、耳ダニ感染症を発症することで、耳には激しいかゆみが起こり、やがて黒い耳垢が頻繁に溜まったり、耳の中が臭くなるといった症状が出てきます。

この黒い耳垢というのは、耳垢の他にも寄生しているダニの排泄物が含まれています。耳ダニは、耳の中に寄生し、犬の耳垢や血液、耳の中で傷ついた際のかさぶた等を栄養源として食べ、その場で排泄しているのです。耳垢だと思っているものは、ダニの排泄物なのです。

多頭飼いの時には特に注意


耳ダニ感染症になると、耳の穴は黒い耳垢で埋め尽くされるようになり、また、強い痒みを生じる為に、頻繁に耳をかいたり、壁にこすりつけたりといった行動が見られるようになります。さらに症状が悪化してくると、外耳炎や耳血腫といった症状も併発してきますので、油断はできません。

耳ダニ感染症が疑われる時は、病院へ連れていき、駆虫薬を処方してもらいます。また、こまめに耳掃除を行う必要があります。あまりに不潔にしていると、こうした感染症を引き起こしてしまいますので、日頃からのケアが非常に大切になるのです。

フェレットを多頭飼育している場合には、他のフェレットにも耳ダニ感染症が伝染っていると考えてたほうが良いでしょう。再発を防ぐためにも、症状が軽くとも、同じ治療を施す必要があります。

フェレットにとって猛毒となる食べ物

普段、お茶の間で登場しそうな食材にも、フェレットにとってはたくさんの危険が潜んでいます。居間で遊ばせる場合には、こうした食べ物に注意して、片付けてから遊ばせるようにしましょう。

【チョコレート】
詳しくはチョコレートに含まれる「カカオ」「ココア」といった成分が危険です。また、コーヒーに含まれる「カフェイン」も同様です。これらを摂取してしまうと、嘔吐や下痢といった中毒症状を引き起こし、命を落とす危険もあります。

【ネギ類】
普段、私達の生活環境でも身近な食材である「ニラ」や「たまねぎ」「にんにく」に代表されるネギ類も、フェレットにとっては猛毒となります。摂取することで「ネギ中毒」と呼ばれる中毒症状を引き起こし、血液中の赤血球が破壊され、貧血・肝臓病を引き起こし、命の危険にさらされる結果となります。

【アボカド】
数年前からメジャーな食材として扱われるようになったアボカドも、非常に危険な食材となります。アボカドに含まれる「ペルシン」と呼ばれる成分が猛毒となり、摂取してしまうことで消化器障害や呼吸困難、最悪の場合は命を落とす結果となります。

この他にも、過剰摂取を避けたほうがよい食べ物に「ブドウ」や「レーズン」、「マカダミアナッツ」、ドッグフードも過剰に与えることは避けましょう。

部屋の観葉植物にも注意が必要です

何気なく置いている観葉植物にも、注意が必要な場合があります。問題ない植物も多いですが、中には毒素となる植物もありますので、これらの植物が部屋にある場合には、場所を変えるなどして、フェレットの手の届かない場所に移動するようにしてください。

中でも注意が必要なのが「ユリ科」の植物。昔はネギ類もユリ科に属していましたが、現在では「ネギ科・ユリ科」で区別されているようです。このユリ科の植物も、前述のとおり、ネギ中毒を引き起こす要因となります。

また、フェレットは好奇心旺盛な子が多いので、観葉植物も探検の一部として探るでしょう。間違って食べてしまうという場合もありますが、鉢を倒した事で予期せぬ出来事に見舞われる場合もあります。観葉植物は、フェレットの手の届かない場所に移動するか、観葉植物がある部屋には、遊ばせないなどの工夫が必要になるでしょう。

散歩中にも注意が必要

最近ではフェレットを外で散歩させる方も増えてきています。散歩中は部屋以上に特に注意が必要となります。

前述の通り、フェレットが口にすると危険な食べ物や植物はたくさんあります。散歩中に落ちているゴミが、フェレットにとって毒であるものでも、フェレットが間違って口にしてしまう可能性も十分に考えられます。

また、散歩中に通る道の脇に花壇がある場合、ユリ科の植物が植えられている場合もあります。当然ながら、フェレットをこうした花壇に近づけさせるのも危険な行動です。

可能であれば、フェレットを散歩する前に散歩コースを下見してみるとよいでしょう。また、散歩させている時にはフェレットから目を離さないようにし、拾い食いなどを未然に防げるようにしましょう。

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インフルエンザに注意しましょう

人間の風邪でおなじみの「インフルエンザ」。じつはこのインフルエンザ、フェレットにも移ってしまう事があるのです。

ズーノーシス(人畜共通感染症)となるインフルエンザですが、フェレットがインフルエンザに感染してしまうと、人間と同じような症状が現れます。また、免疫力が低下してしまっている場合には、最悪の場合、命を落とすこともあります。

インフルエンザにかかっている場合には、部屋を移動し、また1人で飼育している場合には、誰か他の人に世話をしてもらう必要があります。万が一、フェレットにインフルエンザの兆候が見られた場合には、すぐに病院に連れていきましょう。

飼育環境を整えることが大事

フェレットを飼育する上では、様々な事に気を付けていかなければなりません。これはフェレットに限らず、犬や猫にも同じことが言えますが、安全と思っている家の中にも、フェレットにとっては危険なものもたくさんあるのです。

フェレットを飼育する際には、まずは飼育環境を整えていくことが大事です。散らかっているような部屋で放し飼いをするのはもってのほか。どんなゴミや異物が落ちているかわかりません。前述しましたが、誤飲することで命を落とすことも少なくありません。

また、万が一一命を取り留めても多額な治療費が発生することでしょう。開腹手術となれば10万円は余裕で発生してきます。そんな事態になる前に、飼育環境をしっかりと整えてあげることが大事なのです。

まとめ


上記に挙げた以外にも、フェレットを飼育する際に気をつけなければいけないことはたくさんあります。あくまでも今回挙げたのは一例にすぎず、飼育していくと実に様々な問題に直面することでしょう。

しかし、こうした問題をフェレットと共に歩んでいくことで、フェレットとの信頼関係も築けるようになり、お互いに手放せない仲になっていくのです。注意しなければいけないことも多いですが、フェレットの行動をしっかりと確認するようにし、しつけを行っていくようにしましょう。

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