なにかと苦労の多いイメージがある「しつけ」。フェレットは好奇心旺盛な動物なので、うさぎなどに比べても、やや手がかかるかもしれません。今回はフェレットのしつけと、しつけ方や方法について解説していきます。
フェレットのしつけについて
フェレットは遊ぶことが大好きな、陽気な性格の動物です。ペットとして飼育する際には、見ていて飽きないほどに遊び、また疲れたら死んだように寝るような、天真爛漫な生き物で、フェレットのこうした部分がかわいいと、ペットの代表格のひとつとして人気の高い動物です。
はじめてフェレットを飼う時には、フェレットのその天真爛漫な性格ゆえに、色々と振り回されることもあるでしょう。例えば、食べてはいけないものを食べてみたり、噛じってはいけない電源コードを噛んだりなど、フェレットの標的となる「おもちゃ」は家の中にたくさんあるのです。
しかし、こうしたいたずらがフェレット自身には遊びの延長でも、時に非常に危険な場合だったりもするわけです。先ほども挙げた、電気のコードを噛んで感電することも考えられたり、紙幣や硬貨を置いておいて食べてしまって、手術が必要になる場合も考えられるのです。
正直な所、そんなところに置いたりしている飼い主が一番悪いのですが、フェレット自身にも何が悪くて、何が危険かを覚えさせる必要もあるのです。そのために躾をする必要があり、また、フェレットとの信頼関係を築いていくのに必要なやりとりでもあります。非常に大変ですが、根気強く、頑張って躾に挑戦していきましょう。
最初の関門「トイレトレーニング」
初めてフェレットを飼った際に、躾の最初の関門となるのが「トイレトレーニング」ではないでしょうか。まずはじめにお伝えしたいのは、フェレットにとって「トイレ」という認識はないという事です。そのため、はじめて連れてきたフェレットがいたるところに排泄してしまう理由には、ここがトイレという認識が無いためなのです。また、自分の臭いをあちこちに付けているという事も理由にあります。
では実際にどのようにしてトイレを覚えさせるのでしょうか。方法としては簡単なものです。それは、トイレにフェレット自身の排泄した「糞」の臭いを染み付けさせる事です。方法は意外と簡単で、フェレットが排泄した糞を、トイレの角に置いておくのです。
また、トイレトレーニングを初めたら、フェレットが失敗した部分は、出来る限り早く掃除・撤去するようにしましょう。トイレに臭いを置いても、あちこちに失敗した後があると、どこがトイレか認識出来ない上に、フェレットが他の臭いのする場所の方が落ち着くという事もありますので、早めに掃除をするようにしましょう。
フェレットのケアに必要な「保定」
フェレットの首の皮を捕まえて持ち上げている様子を見たことがないでしょうか。一見すると叱りつけているような、はたまた虐待していそうにも見える「保定(ほてい)」。しかし、この保定、フェレットを飼育するには必ずと言っていいほど必要になる「フェレットの持ち方」のひとつなんです。
見た目が少し悪いかもしれませんが、母犬やオオカミなどが子供の首の皮を加えて移動させている光景、見たことがありませんか?
フェレットの保定もこれと同じで、実はフェレット自身は痛くはない持ち方です。この保定を身に着けなければ、爪を切ることや、歯を磨くこと、耳掃除といったように、フェレットに対するケアを行う際に、必要不可欠な持ち方なのです。
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コツさえ掴めば難しくありません
保定ですが、実はちょっとコツがあって、はじめから上手に出来るわけではありません。また、フェレットの被毛は少し油分があるために、掴んでいる指も滑ってきたりもします。
持ち方に決まりはありませんが、「つまむ」イメージよりかは「つかむ」方に近いかもしれませんね。ちょうど、指を鳴らす時のような状態で、フェレットの首の皮を掴みます。
男性のフルパワーでギューっと掴むのは危険ですが、ある程度力を入れてもフェレット自身はそこまで痛さは感じていません。なぜなら、フェレットの皮膚はやや余裕があり、引っ張ると伸びるためです。特に首の皮はよく伸び、保定するのに最も適した場所です。
フェレットは保定されると全身脱力状態になり、体がダラーッと伸び切ります。この状態で耳掃除や色々なケアを施すのです。また、しつけを行う際にも保定は重要です。何か悪いことをしたら、極端な体罰はよくありませんが、よく保定をして鼻先を軽くデコピンしたりします。あまりにこうして躾をしてしまうと、保定事態を嫌がるようになってしまいますが、要所要所でこうした躾を行うことも必要になりますので、何を行うにも保定は必要になるのです。
噛み癖を直す
ファームにもよりますが、フェレットによっては噛み癖が強い子供も多いです。こうした噛み癖を直すためにも保定は必要になります。基本的には「噛むと良くないことが起きる」という体験を積み重ねていく事で、噛み癖を減らしていくという方法です。
ここで注意したいのは、噛み始めて興奮している時に保定して、前述のように鼻先にデコピンすることです。フェレットが興奮している時には、攻撃されていると思うだけで、あまり硬貨は期待できません。ですので、ここでは「大きな音をたてる」といった方法や、フェレットの嫌がる臭いがやってくるといったように、フェレットにとって「嫌な」事を起こします。
こうすることで、フェレットが驚いたり逃げたりするので、また噛むと「アレ」がやってくるといった感じを植え付けていきます。かわいそうに感じるかもしれませんが、野放しにしてゆくゆく手に負えなくなるのは飼い主で、何もできずにほったらかされてしまう事の方が遥かにかわいそうな結末となります。
だいたいのフェレットは半年過ぎ位には噛み癖も収まっていき、色々な事も理解出来るようになりますので、噛まれるのは非常に痛いですが、根気強く躾けていくようにしましょう。
まとめ
フェレットは人間が思っているよりも、頭の良い動物です。ケージを開ける方法を見ていて、自分で開けることだってできますし、自分の名前も認識することだって出来るんです。かわいいフェレットですが、子供時代の躾方によっては、大人になった時の性格や飼育の仕方も大きく変わってくることでしょう。
まずは半年、根気強くフェレットと格闘しながら、色々な事をお互いに覚えていきましょう。そして、こうした苦労はゆくゆく、お互いの思い出にもなり、意思疎通を取るのにかかせない体験となるのです。苦労を乗り越えると、本当にこちらの気持ちを読み取るような子に育ちますので、頑張って1歩1歩進んでいきましょう。
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