「イーペット少額短期保険」は、補償割合50%と70%の2つのプランから選ぶペット保険。そのうち70%プランでは初回のケガに限り全額補償という特典が付帯している珍しいペット保険です。ケガをする可能性の多い猫には心強いペット保険かもしれません。
そこで今回は、イーペット少額短期保険の補償内容について解説していきたいと思います。
イーペット少額短期保険とは?
イーペット少額短期保険株式会社は、2013年に設立された、比較的まだ新しいペット保険会社です。ここ数年、数多くのペット保険会社が登場していますが、ペット保険会社は「損害保険」と「少額短期保険」の2種類に分けられます。
損害保険で有名なのは、ペット保険会社の中でもトップと言える「アニコム損保」が代表的なペット保険会社。一方、今回ご紹介するイーペットは「少額短期保険」となります。一般的には少額短期保険の方が保険料も安いという事が挙げられますが、大きな違いの特徴となるのが補償額の限度額の違いです。
少額短期保険は損害保険よりも最大補償額が1,000万円までと定められているのですが、実際のところペットの治療費で1,000万円が必要かと言うと、そこまで必要とはしないでしょう。
イーペットの年間最大補償額は60万円
損害保険と少額短期保険には更に多くの違いもありますが、ポイントとしたいのは前述の通り、最大補償額の違いとなります。猫の治療費としては1,000万円もの治療費が必要となるケースは異例と言えます。
犬や猫の補償額はそこまで多くの金額を必要とはしておらず、多くとも100万円ほどの補償額で十分と言えます。補償額の多さよりも、出来る限り保険料を安く収めたいという需要の方が圧倒的に多いため、近年では少額短期保険のペット保険参入が相次いでいるのです。
イーペット少額短期保険に関しても、年間に支払われる最大補償額は60万円まで。補償額としては少し足りないかなと感じるかもしれませんが、そんな事はありません。ペット保険の場合、補償額よりも重視しておきたいポイントは保険の利用回数や利用金額なのです。
利用回数と利用額は必ずチェック
ペット保険で重視しておきたい「利用回数」と「利用金額」。一部のペット保険会社では、この利用回数が「1日2回まで」と言ったように制限を設けている保険や、「1日2万円まで」と、年間の補償額は多くとも、1日あたりの補償額に制限を設けているペット保険も数多く存在します。
年間の補償額だけで判断するべきではないというのがこうした点で、愛猫が仮にケガや病気になった際、その多くは「入院」ではなく「通院」による治療が多いのです。通院治療になると、2〜3回通院するのが一般的で、場合によっては数ヶ月に渡って通院する必要がある場合も。
これで利用回数や利用限度額が設定されていては、思うようにペット保険を利用することができないのです。
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イーペット少額短期保険は「回数無制限&金額無制限」
前述の通り、猫の保険を選ぶ際には年間最大補償額よりも、1日の利用回数や限度額にポイントを充てるべきと説明しましたが、イーペット少額短期保険は1日の利用回数が無制限、1日の補償額の制限なし(年間の最大補償額60万円以内)という内容です。
このように、利用回数や金額も無制限でなければ、思った時に動物病院に行けなかったり、異変に気がついても先延ばしにしてしまう可能性も出てきます。それよりも、日頃からすぐに利用しやすいようなペット保険を選択するべきです。
人間にも猫にも同じことが言えますが、病気は早期発見・早期治療が大事です。ちょっと元気がないなと感じた時に保険が利用できなければ、ペット保険に加入している意味もなくなってしまいます。
イーペット少額短期保険のプランと補償割合
では具体的にイーペット少額短期保険の補償内容やプランについて見てみましょう。
イーペット少額短期保険の保険プランは2種類。一つは補償割合70%の「e-ペット70」、もう一つが補償割合50%の「e-ペット50」です。
e-ペット70は補償割合が70%ですので、自己負担額となるのは治療費の30%分です。e-ペット50は補償割合が50%ですので、自己負担額は補償割合と同額という事になります。
例えば、300,000円の治療費が発生した場合、e-ペット70は210,000円が補償され、自己負担分は90,000円と言うことに。e-ペット50であれば150,000円が補償され、自己負担分も同じく150,000円になります。
免責金額もありません
イーペット少額短期保険の補償範囲は、フルカバー補償となる「通院・入院・手術」ですので、「手術だけ」「通院だけ」という心配もありません。また、いずれの場合にも前述の通り、利用回数や1回の利用額に制限はありません。
多くのペット保険では「免責金額」と呼ばれるものが設定されています。この免責金額とは、実際にペット保険を利用した場合に、契約者が自己負担分として支払わなくてはならない金額で、保険会社によって5,000円や10,000円ほどの免責金額が設定されていることが多いです。
免責金額が設定されていると、例えば5,000円程度の治療費が発生した場合に免責金額が5,000円ですと、保険を利用することはできません。イーペット少額短期保険に関しては免責金額が発生しませんので、金額に関係なく補償を受けることができます。
「e-ペット70」のみ全額補償の特典
イーペット少額短期保険の珍しい特典として、e-ペット70の加入に限り、初回のケガの治療費を全額補償してもらえるという特典があります。
「ケガ」なので骨折を始めとしたケガとなりますが、骨折と言っても油断はできません。場合によっては30万円を超える治療費が発生することもありますし、何より猫は自宅内で遊んでいる最中に骨折してしまったというケースも十分に考えられます。
猫の場合には家の外でケガをすると言うよりかは、自宅内で飼育されている方が多いですが、自宅内でも十分に危険な場所はあります。高い所が好きな猫や、やんちゃ盛りの猫であれば、何かしらのタイミングで骨折してしまう可能性もあります。
全額補償は猫のケガが完治するまでしっかり補償されますので、加入後は安心ですね。この特典はe-ペット50では付帯しておりませんので注意しましょう。
イーペット少額短期保険のペット保険の保険料
イーペット少額短期保険の保険料について見てみましょう。例として、1歳の猫と、新規加入年齢の制限である10歳の猫の保険料を見比べてみましょう。
【e-ペット70】
1歳:月払 1,890円(年払 21,570円)
10歳:月払 3,380円 (年払 38,640円)
【e-ペット50】
1歳:月払 1,530円(年払 17,460円)
10歳:月払 2,660円(年払 30,440円)
補償割合が低い分、e-ペット50の方が保険料は安く抑えられています。
しかし、他のペット保険と比較すると、同様の補償内容でもっと保険料の安いペット保険は存在しますので、イーペット少額短期保険の保険料はそこまで安いとは言えません。また、この保険料の差であればe-ペット70に加入したほうが安心かと思います。
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プロ目線から見たイーペット少額短期保険のペット保険
イーペット少額短期保険は「待機期間」が15日に設定されているので注意が必要です。と言っても、他のペット保険では30日や60日の待機期間を設けている保険会社もありますので、イーペット少額短期保険の15日というのはそこまで長い待機期間ではありません。
たとえ保険契約を済ませても、契約日(契約日翌日の場合も)から待機期間日数は保証の対象とはならないため、注意が必要なのです。保険契約が完了したからと言ってすぐに保険を利用できるわけではありません。
前述の通り、保険会社によって待機期間の日数は様々ですが、15日間は少ない方と言えます。他のペット保険を検討する際には、こうした待機期間も確認しておくようにしましょう。
まとめ
猫のペット保険として見るのであれば、イーペット少額短期保険はまずまずの評価といったところ。もっと保険料も安く、補償内容も同等レベルであるペット保険も存在していますので、イーペット少額短期保険が必ずおすすめとは言えません。
他のペット保険では「手術のみ」で保険料が安かったり、「補償額」をグッと下げて保険料も安くしている保険会社がありますが、フルカバー補償で保険料を安くするのは難しいところです。
また、10歳以内に新規加入すると終身まで保険契約は出来るものの、年齢が上がる度に保険料は上がり続けるため、10歳以降の保険料も気になるところです。とはいえ、e-ペット70の初回全額補償は面白い特典ですので、怪我が多いような猫にはおすすめの保険と言えるでしょう。
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