チキンベースのフードが多い中、最近では主原料に「鴨肉(ダック)」を使用したキャットフードも多く見かけるようになりました。チキンよりもヘルシーで、低アレルゲンな食材として注目を集めます。今回はダックに関して調べてみました。

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多種多様になった主原料


食物アレルギーを持つ猫が増え始め、近年では様々な原材料を使用したキャットフードが登場してきています。

一昔前までは「チキン」がベースとなっているキャットフードがほぼ占めていましたが(安価なキャットフードでは穀物ベースが多いですが)、フィッシュベースのキャットフードや、チキン以外の肉をベースとしたキャットフードも多く見られるようになりました。

その中でも「鴨肉(ダック)」を使用したキャットフードも人気を集めています。ダックは、チキンよりもアレルギーを引き起こしにくい低アレルゲンの原料として注目をあつめており、チキンアレルギーを持つ猫はもちろん、チキン以外のキャットフードを与えてみたいと考えている飼い主さんにも、取り入れやすい原料になっています。

ダックの栄養素

人間の食事でも「鴨鍋」等が人気を集めていますが、鴨肉は高タンパク低脂肪の食材として、ダイエット食材としても最適と言われています。チキンが100gあたり200kcalなのに対し、ダックは100gあたり128kcal。大きな差がありますね。

【チキン(100gあたり)】
カロリー:200kcal
タンパク質:64.8kcal
脂質:126kcal
炭水化物:0kcal

【ダック(100gあたり)】
カロリー:128kcal
タンパク質:94.4kcal
脂質:27kcal
炭水化物:0.4kcal

気になる栄養分に関しては、特に注目したいのが豊富な「ビタミンB12」と「ナイアシン」の含有量。ビタミンB12は、レバーなどにも含まれるビタミンで、赤血球を合成し貧血予防などにも効果があります。また、食欲不振気味の時にもビタミンB12は良いと言われています。また、ナイアシンは皮膚や粘膜を健康に維持し、体内で糖質や脂質の代謝を促進させる働きがあります。

ナチュラルバランスのダックを使用したキャットフード

アメリカに本社を置く「ナチュラルバランス」社。ナチュラルバランスのペットフードの特徴としては、動物園で飼育されるネコ科動物のご飯に使われるなど、ペットフードとしての実績を認められ、かつ栄養バランスの取れたフードを開発しているフードメーカーとして有名な会社です。

ナチュラルバランスのキャットフード「ウルトラプレミアム グリーンピース&ダックフォーミュラ」では第一主原料に「グリーンピース」、第2主原料に「ダックミール」が配合されたキャットフードです。

ダックはわかるけど、グリーンピース?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、グリーンピースは良質な炭水化物として配合されています。では、具体的に原材料をチェックしてみましょう。

ダックフォーミュラの原材料をチェック

【ナチュラルバランス ウルトラプレミアム グリーンピース&ダックフォーミュラ】
グリーンピース、ダックミール(乾燥肉)、新鮮なダック肉、キャノーラオイル、フラックスシード、自然風味、メチオニン、塩化コリン、タウリン、天然混合トコフェロール、亜鉛蛋白、ビタミンE、ナイアシン、マンガン蛋白、銅蛋白、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、硫酸銅、一硝酸チアミン(ビタミンB1)、ビタミンA、ビオチン、ヨウ化カリウム、D-カルシウムパントテン酸塩、リボフラビン(ビタミンB2)ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)、ビタミンB12、二酸化マンガン、ビタミンD3、葉酸(ビタミンB)

チキンもですが、ダックに関しても炭水化物は少なめなので、多くの炭水化物を摂取させるため、かつダックミートは動物性タンパク源として配合されており、両原材料ともにバランスの取られた配合となっています。

また、アレルゲンとして知られる穀物類も含まないキャットフードなので、食物アレルギーを持つ猫にも与えやすいキャットフードです。

他のキャットフードでは見られないような独特な原材料、配合がナチュラルバランスの特徴の一つでもありますが、食物アレルギーを持つ猫にとってはキャットフードの選択肢も少ないため、こうしたキャットフードが非常に助かるのです。

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チキンにアレルギーが無ければ、ニュートロという選択肢も


ちょっとお手頃にダックを試してみたいという飼い主さんにもオススメなのが、ニュートロの「スペシャルケア 穀物フリー アダルト ダック」です。

その名の通り、穀物不使用のグレインフリーフードになっているので、食物アレルギーや穀物アレルギーの猫にも与えやすいキャットフードです。第一主原料には「ダック生肉」は配合されているので、良質な動物性タンパクが摂取できます。

ニュートロのラインナップには他にも、「サーモン」を主原料としたグレインフリーフードがあったり、「ワイルドレシピ」シリーズではグレインフリーで動物性タンパク源にこだわったラインナップがあるなど、選択肢もどんどん増えていますので、穀物アレルギーを持つ猫は要チェックです。

ニュートロの原材料をチェック

【ニュートロ スペシャルケア 穀物フリー アダルト ダック】
ダック生肉、乾燥チキン、エンドウタンパク、鶏脂*、乾燥ポテト、ポテトスターチ、エンドウマメ、乾燥ダック、アルファルファミール、ビートパルプ、ポテトタンパク、タンパク加水分解物、大豆油*、ユッカ抽出物、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、コリン、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸)、ミネラル類(カリウム、クロライド、セレン、ナトリウム、マンガン、ヨウ素、亜鉛、鉄、銅)、アミノ酸類(タウリン、メチオニン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物)、緑茶抽出物、スペアミント抽出物

残念なのが、せっかくのダックでミートファースト、グレインフリーのキャットフードであるのに、「乾燥チキン」が配合されているので、チキンアレルギーを持つ猫には与えることができません。ダックベースと言うよりかは、鶏肉類ベースのキャットフードと考えたほうが良いかもしれません。

とは言え、ミートファーストの良質なキャットフードではありますので、ぜひ試してみる価値はありのフードでもあります。

合成添加物も使用されていませんので、安心して愛猫にも与えることができるでしょう。ニュートロの価格帯だと、合成添加物を使用しているキャットフードもありますので、こういった点も選択肢の一つとして考えてみたほうが良いかもしれませんよ?

ロイヤルカナンの療法食にも

一般のペットショップでは販売されていないはずですが、ロイヤルカナンの療法食でもダックを配合したキャットフードが販売されています。療法食ではありますので、基本的にはペットショップではなく、動物病院で販売されているラインナップとなります。

「セレクトプロテイン(ダック&ライス)」と言う商品ですが、主原料には「米」、次いで「ダック」が配合されています。

【ニュートロ スペシャルケア 穀物フリー アダルト ダック】
米、ダック、植物性繊維、加水分解タンパク(鶏、七面鳥)、動物性油脂、魚油、大豆油、マリーゴールドエキス(ルテイン源)、アミノ酸類(DL-メチオニン、L-リジン、タウリン)、ミネラル類(Cl、K、Ca、Na、P、Zn、Mn、Fe、Cu、I、Se)、ビタミン類(A、コリン、D3、E、ナイアシン、C、パントテン酸カルシウム、B6、B2、B1、葉酸、ビオチン、B12)、酸化防止剤(BHA、没食子酸プロピル)

米はアレルゲンになりにくいと言われてはいますが、グレインフリーの商品ではありませんので、穀物アレルギーを持つ猫に与えるのは避けたほうが良いかもしれません。また、酸化防止剤にも合成添加物が使用されています。上記で紹介したナチュラルバランスやニュートロと比較すると、あまり高品質とは言えないかもしれません。

基本的に療法食ですので、特に目的が無いのであれば別のキャットフードを選びましょう。

合成添加物について


合成添加物について触れましたが、キャットフードに含まれる合成添加物には「保存料」や「酸化防止剤」「着色料」などが挙げられます。

キャットフードは空気に触れることで酸化してしまい、酸化してしまったキャットフードを与え続けると健康に悪影響を及ぼしてしまうため、酸化防止剤が使用されます。

特にキャットフードに含まれるのは、ダックを始めとした「肉」です。加工の段階で加熱されたり乾燥していますので長期保存できるようにはなっていますが、どうしても食品である以上、品質は低下していってしまいます。

しかし、この酸化を防止するための酸化防止剤にも、ある研究では発がん性が疑われたりと、摂取量によっては健康に悪影響を与えてしまうということが指摘されるようになりました。

自然由来の添加物

これは酸化防止剤だけではなく、着色料や保存料にも同様のことが言えます。

しかし、酸化防止剤や保存料ならまだしも、着色料については猫にとっては全く意味のない添加物であるため、着色料を使用しているようなキャットフードは即刻切り替えたほうが良いでしょう。

近年では酸化防止剤に合成添加物を使用せず、自然由来の保存料を使用(ビタミンEなど)する方向性が一般的になりつつあります。自然由来の添加物であれば、猫の体にもリスクを与えること無く、安心してキャットフードを与えることができるでしょう。

あくまでも摂取量の問題であり、少々の量では問題はないはずですが、やはり飼い主さんの気持ちとしては、可能な限り安全な食事を与えたいと考えるものではないでしょうか。

まとめ

最近、チキンベースのキャットフードの食いつきが悪い・・とお悩みの場合にも、ダックベースのキャットフードを試す価値はあるかもしれません。今回ご紹介したキャットフード以外にも、ダックベースのキャットフードはたくさんありますので、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

そんなに癖もなく、チキンを食べていた猫ならばスムーズに移行出来ると思います。ヘルシーながらしっかりと栄養も摂取できるダック。おすすめです。

※内容は2017年2月時点での情報になります。原材料、商品名等の内容は変更している場合があります。

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