肥満犬のダイエットを行う際には、消費カロリーを増やすために運動量を増やしたいところですが、あまりに肥満体質ですと足腰への負担の増加も心配になってしまいます。かと言ってそのままダイエットせずにいても、足腰への負担は変わりませんので、じきに足腰へのダメージが加わってしまってもおかしくはありません。
そこでおすすめなのが犬の水泳です。ドッグプールのほか、自宅内でも十分に水泳を行うことができますので、今回はそのポイントについて解説していきたいと思います。
犬のダイエットは運動と食事の管理が大切
犬のダイエットを行う際には、ドッグフードの給餌量を減らし、摂取カロリーを抑えていく方法が最も簡単なダイエット方法と言えますが、食事だけのダイエットではどうしても体重を落とすことが難しい場合があります。
そのため、最も理想的なのは食事のダイエットに加えて運動を交えたダイエットを行うことです。適度に運動量を増やして消費カロリーをふやしつつ、食事のダイエットを行うことで摂取カロリーを抑えられれば、より健康的にダイエットを行うことが出来るのです。
そこでポイントとなるのが適度な運動量とはどのくらい?という点です。最も簡単に運動量を増やすには、いつもの散歩の時間をプラス5分〜10分伸ばしてみたり、いつもよりも少し眺めに散歩してみると言った方法です。
ダイエットよりも健康管理
散歩量を増やすことが出来れば、いつもよりも消費カロリーを増やすこともできますし、愛犬の健康維持やストレスの解消にも繋がるでしょう。ただし、運動量を増やす際に気をつけなければならないのが、愛犬の肥満度のレベルです。
愛犬の肥満度が高ければ、簡単に運動量を増やすと言っても愛犬の負担は大きなものとなるでしょう。ただでさえ重たい体なのに、さらに運動量が増えてしまっては、愛犬の気持ちは嬉しくても体が悲鳴をあげかねません。
あまりに重たい太った状態で運動量を増やしてしまうと、足腰への負担は増加してしまい、犬種によっては背骨などへのダメージも加わってしまうでしょう。こうした状態が続いてしまうと椎間板ヘルニアなど、病気やケガをしてしまうことに繋がってしまいます。
ケガをしてしまってはダイエットどころではなくなってしまいますので、まずは愛犬の肥満度をしっかりと把握する必要があります。
愛犬の肥満度を把握
愛犬の肥満度を図る際に参考にしたいのが「ボディーコンディションスコア(BCS)」と呼ばれる指標です。
ボディーコンディションスコアは5段階に分けられており、通常が「BCS3」、痩せすぎが「BCS1」、肥満が「BCS5」と表され、愛犬がどのくらい肥満なのかを図ることができます。
愛犬を横から見た際に、お腹からお尻にかけて肉が垂れ下がっているようであればBCS5、肉が真っ直ぐであればBCS4、お腹からお尻にかけて吊り上がっていればBCS3と判断することができます。
また、愛犬を上から見たときに腰のくびれが膨らんでいればBCS5、真っ直ぐであればBCS4、腰がしっかりくびれていればBCS3となります。
愛犬がBCS5の肥満状態と判断出来るのであれば、無理な運動は避けるべきかもしれません。せめてBCS4(やや肥満)までは極端な運動は避け、足腰への負担を考えるようにしながらダイエットを行う必要があります。
水泳はダイエットにも最適な方法
ではBCS5であった場合には食事制限によるダイエットしか方法は無いのでしょうか。太り過ぎの状態で運動を行うと体への負担が増加してしまいますので、思うようにカロリー消費をすることができませんが、そんな肥満の犬に運動をさせる際におすすめなのが「水泳」です。
プールなどで泳がせることで、足腰にも負担を掛けることなくカロリーを消費することが出来るので、肥満犬には特におすすめなダイエット法、運動方法となります。
「愛犬を泳がせたことがない」「ちゃんと泳げるか心配」「溺れてしまわないか心配」といった考えもありますが、何の問題もありません。プールではライフジャケットを装着することもできますので、何の心配もなく運動させることができます。
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犬用プールでダイエット
近年はたくさんの犬用プールが登場してきています。こうした施設ではただプールで泳がせて遊ばせること以外にも、病後のリハビリやダイエットと言った目的で愛犬を通わせている飼い主さんも少なくありません。
硬いアスファルトの上で運動させるよりも足腰への負担がなく、あまり動かない犬でもしっかりと運動してくれるので、まさに肥満犬にとって最適な運動方法なのです。
といっても、犬も様々な性格がいますので、無邪気にプールに飛び込もうとする犬もいれば、顔に水がかかるだけで怯えてしまうという犬も必ずいます。大体の犬は怖がりますので、愛犬が臆病なので無理かなと思っている方も心配ありません。まずは愛犬が少しでも「水」になれるところから始めてみましょう。
嫌がる犬を水になれさせるために
ドッグプールを備えている施設でも、はじめからすぐに泳がせるということはしないでしょう。犬が水に対してトラウマを抱えてしまってはいけませんので、まずは浅瀬で遊ばせる程度のプールから初めて見るのが基本です。
浅瀬と言っても水たまり程度から、足がつかる程度の深さなど様々ですが、ここで愛犬に水になれさせるのと同時に、飼い主さんも愛犬をプールに導く「タイミング」や「方法」を見つけることが大事です。
バシャバシャと遊んでくれる犬であれば心配ありませんが、なかなか躊躇してしまう犬であれば、どうしたら水に少しでも浸かってくれるか、どうしたら水を怖がらないかを考えてみましょう。
どんな犬でもはじめての挑戦は怖がるものです。いかに愛犬に楽しんでもらうかが鍵となるでしょう。
おもちゃを使ってみる方法
水になれさせるためにおもちゃを利用してみるのも一つの方法でしょう。基本的に犬は水に浸かるという考えは持っていませんので、どうしたら水を怖がらないかを追求することが大事です。
また、わざわざドッグプール付きの施設に通わなくても、自宅内でプールを作ることも可能です。市販で販売されている簡易プールでも十分ですし、浴槽に水を貯めて入れてみるのもひとつです。
はじめから水を貯めた浴槽では怖がりますので、予め愛犬を浴槽に入れ、シャワーなどで徐々に水を足していってみても良いでしょう。
この際、水は「冷水」ではなく「ぬるま湯」もしくは「お湯」にしましょう。温度は35℃〜37℃ほどがよいでしょう。季節によって温度は調節する必要がありますが、熱すぎず冷たすぎずを基本にしましょう。
まずは水中を「歩く」ことを目指しましょう
ライフジャケットを装着しても、はじめから「泳がせる」ことに意識しないで、まずは水中で「歩かせる」事を目指してみましょう。突然、プールに放り込んでしまってはプール自体にトラウマを感じてしまいますので、徐々に水中に居ても心配ないという意識にしていかなければなりません。
水中で歩けるようになれば、時期にプールで泳がせることも出来るようになるでしょう。こうしてプールに泳がせようとしている間に、愛犬の体重も徐々に減らしていけているのではないでしょうか。
まとめ
水泳と並行して食事の管理もしっかり行わなくてはなりません。プールで泳げるように慣れれば消化カロリーも増えますが、食事管理では単にカロリー減を目指すだけでなく、しっかりとタンパク質を増やしてあげなければなりません。
タンパク質は運動を行う際にも重要な栄養素となります。カロリー減だけに集中していると栄養不足になりかねませんので、運動量が増えれば高タンパク・低カロリーなドッグフードを与えるのがポイントとなります。
しっかりと食事管理を行い、水泳などで適度な運動を行うことでスムーズなダイエットを行うことが出来るでしょう。まずは愛犬に水になれさせることから挑戦し、ダイエットに励んでみましょう!
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