肥満を放って置くと様々な病気の要因にもなりかねません。それが特に老犬になると運動を交えたダイエットも難しくなりますので、食事でのダイエットを行うしか無くなります。そこで今回は老犬に最適なダイエットとドッグフードの選び方について解説していきたいと思います。

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老犬は肥満になりやすい?


犬も老犬になると油断するとすぐに肥満体質に近づいてしまいがち。老犬になると運動量も低下するだけでなく、消化能力も成犬の頃と比べて低下してきますので、食事の管理をしっかり行わなくてはなりません。

成犬のときであれば高カロリーなフードを与えても、運動量も多いために1日の消費カロリーも高く、高カロリーなドッグフードでも十分にカロリーを消費することが出来ていましたが、老犬にもなると思うようにカロリー消費ができず、余分なカロリーが脂肪へと蓄えられていってしまうことに。

こうした結果として肥満体質を引き起こしてしまうわけですが、老犬にも適切なカロリー量というのは存在します。適切な栄養、適切な食事、適切な運動量を守れば、老犬でも肥満にならず、しっかりとダイエットを行うことも可能と言えるでしょう。

1日に必要なカロリーを把握する方法

老犬に限らず、犬の年齢やサイズに応じて適切なカロリー量を知っておくことは大事なことです。そして、このカロリーは飼い主さんが計算することも可能です。

ポイントとなるのが「愛犬の状態」と「安静時のエネルギー必要量」です。

「愛犬の状態」とはつまり年齢や、愛犬の飼育状態を指します。飼育状態とは、家庭内で飼育しているのか、それともドッグスポーツや使徒犬として活動しているのかという違いです。当然ながら家庭内で飼育されている犬と、使徒犬として活動している犬では消費カロリーも大きく変わってきます。

続いて「安静時のエネルギー必要量」とは、愛犬の通常時のエネルギー量を指しますが、このエネルギー量は下記の通り、愛犬の体重から導き出すことが出来ます。

【安静時エネルギー必要量の計算方法】
1.愛犬の体重の3乗を計算
2.その数値の平方根(√)の平方根を求めます。
3.その数値に70を掛ける。

ダイエットが必要な犬の係数をチェック

上記の計算方法で例を挙げてみましょう。
現在、10歳のトイ・プードルで、体重は5kg、体型は肥満体型という設定で見てみましょう。

体重が5kgですので、上記の計算方法でいくと「5 × 5 × 5 √ √ × 70 = 234.1…」と計算することが出来ます。こうして例に上げたトイ・プードルの安静時のエネルギー必要量が「234.1」と導き出すことが出来ました。

続いてこの数値に「愛犬の状態」で示された係数を掛ける事で、この犬の必要なカロリー量を把握することが出来ます。下記が愛犬の状態別の係数となります。

【愛犬の状態の係数】
・幼犬(〜4ヶ月):3.0
・幼犬(4ヶ月〜):2.0
・成犬(避妊・去勢済み):1.6
・成犬(避妊・去勢未実施)1.8
・老犬、肥満傾向の犬:1.2〜1.4
・作業犬、ドッグスポーツ等を行なう犬:2.0〜8.0

上記の係数から、10歳の老犬で肥満体型ですので、係数は1.2ほどであることがわかります。

カロリー量を計算


では導き出した数値をかけていきましょう。

234.1×1.2=280.9

この犬の場合ですと、1日に必要なエネルギー量(カロリー)がおおよそ280.9Kcalということがわかりました。あくまでもこれは目安となるカロリー量ですが、愛犬が肥満状態で老犬であった場合と、通常の体型で老犬であった場合のカロリー量の差を把握しておくと、ダイエットを行う必要がある「差」も見えてくるでしょう。

ドッグフードには100gあたりのカロリーが記載されているのが一般的ですので、まずは1gあたりのカロリーを計算し、愛犬の給餌量に掛けて計算してみましょう。性格ではありませんが、おおよそのカロリーは計算出来ますので、参考として把握しておくことをおすすめします。

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ドッグフードによって異なるカロリー

では、市販で販売されているドッグフードのカロリーを見てみましょう。先程から続いて「10歳のトイ・プードル(5kg、肥満)」という設定で迫ってみましょう。

まずはロイヤルカナンの「プードル 中・高齢犬用」を見てみましょう。
カロリーは100gあたり409kcal、例に上げたトイ・プードルですと給餌量は1日77gほどですので、カロリーは約377kcal程度という計算になります。

同様にロイヤルカナンの肥満傾向の小型犬用である「ミニ ライト ウェイトケア」のカロリーは100gあたり336kcal、給餌量は80gですのでカロリーはおおよそ268.8kcalとなります。

通常のトイ・プードル用フードではだいぶカロリー超過になる計算ですが、肥満用フードであればカロリーも範囲内となりますので、徐々に体重を減らしながらトイ・プードル用フードに移行していくという方法も可能です。

ニュートロのカロリーをチェック

続いてニュートロのフードで見てみましょう。

小型犬の高齢犬用である「小型犬用 エイジングケア チキン&玄米」では、100gあたりのカロリーが355kcal、5kgの給餌量ですと90gですので、1日量のカロリーは319.5kcalほど。

続いて減量用の「超小型犬用〜小型犬用 成犬用 チキン&玄米」の100gあたりのカロリーは295Kcal、5kgの犬の給餌量ですと1日90g、1日量のカロリーはおおよそ265.5Kcalとなります。

このようにして、ドッグフードごとのカロリーを把握しておくことは大事です。フードブランドによっても考え方が異なりますので、必ずしも低カロリーではない場合もありますが、目安となるカロリーの280.9Kcalを元にダイエット用のドッグフードを探してみることが大事です。

老犬はタンパク質の含有量にも注意


多くのドッグフードがありますが、老犬でダイエットが必要なのであれば、まずはカロリーをチェックする必要がありますので、このようにしてフードのカロリーを見てみましょう。

また、老犬になると肝臓の働きも若い頃よりも弱まりますので、あまり高タンパクなドッグフードは避けたほうが良いでしょう。タンパク質の高いフードですと、肝臓への負担が大きくなりますので、肥満による悪影響以外にも身体を壊してしまいかねません。

極端にタンパク質が低い、極端にタンパク質が高いなど、極端な栄養価は健康バランスの維持もしにくいです。できるだけ極端な成分量ではないドッグフードをえらぶようにし、できるだけ低タンパク質な、低カロリーなドッグフードが一番オススメとなります。

まとめ

老犬になると肥満を回避・ダイエットを行うことも大事ですが、何より大事なのはしっかりと栄養を摂取出来ているかどうかという点です。

カロリーばかりに気を取られて、タンパク質や脂質、その他の栄養素がおろそかにならないように気をつけなければなりません。また、低カロリーなドッグフードを与えているからと言って、おやつを与えすぎているようであれば意味はありません。

ダイエットはスムーズに終わらせ、飼い主さんがしっかりとカロリーについて把握するようにし、計算を行った上でおやつを与えるようにしましょう。いつまでもダイエットフードを与え続けるような食生活はおすすめできません。ダイエットは早めに終わらせ、通常の状態に早く戻せるように心がけましょう。

カロリー内ぴったりに収めるのが理想的ではありますが、まずはそこまで神経質にならず、愛犬の体重の増減をしっかり把握しながら食事の管理を行うようにしましょう。

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