高齢犬のダイエットはリスクが伴うものですが、肥満傾向の体のままでいることの方が、より病気や骨折などのリスクが高くなると言えます。高齢犬であっても少しずつダイエットを行い、ベスト体重にすることが大事なのです。
そこで今回は高齢犬のダイエットと、肥満になることのリスクについて解説していきたいと思います。
高齢犬のダイエット
本来であれば愛犬のベスト体重は成犬の時に調節しておきたいもの。とはいえ、実は犬も高齢になれば新陳代謝も低下してしまうため、肥満になる傾向にあります。
また、こうした状態を助長させてしまうのが運動量の減少によるもの。犬も適度な運動を行わなければカロリーを摂取できず、肥満を引き起こしてしまう可能性が高くなってしまうのです。
高齢犬が肥満傾向ですと、病気を引き起こす要因になってしまったり、足腰にも負担がかかってしまいますので、何も良いことはありません。出来る限り愛犬のベスト体重にしておかなければ、様々な悪影響を及ぼす可能性が高くなるため、日頃から高齢犬の体重管理には気を配る必要があるのです。
そこでポイントにしたいのが、愛犬の食生活です。
食事の回数にも注意しましょう
毎日の食事の時間ですが、1日何回の食事に分けているでしょうか。これが1日1回の食事である場合、少し注意が必要です。
1度にたくさんの食事を与えてしまうと、どうしても消化するのに負担がかかってしまい、同時に体への負担も増加してしまいます。そこでポイントにしたいのが、1日に最低でも2回に分けることです。
1日量を複数回に分けることで、消化するための体の負担も軽減されるばかりか、身体にも脂肪がつきにくいサイクルにすることが可能になります。1日2回程度が最低ライン、1日3回〜4回と小分けに与えても問題はありません。
高齢になると消化機能も低下してしまいますので、少量ずつを複数回に分けたほうが、身体への負担減に繋がります。
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消化能力も低下する高齢犬
高齢犬は消化能力も低下していってしまいます。また、消化不良の状態は肥満を引き起こす要因にもなりかねません。
高齢犬をダイエットさせるには、極端なカロリー制限ではなく、より消化のしやすい食生活を心がけ、腸内環境を常に良い状態にしておくことが大切です。
腸内環境を整えることは、病気の予防にも繋がるものです。腸内環境は第2の脳とも呼ばれるとおり、健康な体をいじるすのにも欠かせないものなのです。
高齢犬に無理なダイエットは禁物です。ただし、適切な体重でなければ病気を引き起こす可能性も高くなりますので、腸内環境を整えてくれる食材を中心にし、少しずつ体重をコントロールしていくようにしましょう。
高齢犬とタンパク質
愛犬のドッグフードの原材料や成分値を確認してみましょう。タンパク質の多い食事を与えていないでしょうか。犬にとってタンパク質は必要不可欠な栄養でもあり、健康な体を維持するのには欠かせないものです。
ただし、高齢になるにつれて必要とするタンパク質の量も少なくなっていきます。これが成犬時のままのタンパク質を摂取していては、腎臓にも大きな負担が発生してしまいます。
そして、出来る限り良質な動物性タンパク源にこだわりたいところでもあります。犬は動物性タンパク源が最も消化のしやすい食材であり、穀物類などは消化が苦手な食材となります。
穀物の含有量が多いドッグフードは腹持ちが良い半面、消化に時間がかかっていることとなり、結果として消化するために身体への負担が生じているのです。また、穀物類に含まれる炭水化物は肥満を引き起こすものでもあります。
出来る限り動物性タンパク源にこだわり、適度なタンパク質を摂取することが、高齢犬のダイエットにも繋がっていきます。
野菜を取り入れたヘルシーな食事
腸内環境を良くするために野菜は欠かせません。といっても大量の野菜を与えてしまってはお腹を壊してしまいますので、あくまでも適量を守る必要があります。
前述の通り、犬は肉を消化することが得意ですが、穀物や野菜を消化するのには慣れていません。そのため、大量に野菜を与えてしまっては消化不良を引き起こすこともあります。
ただし、適量の野菜は犬にも良い効果を与える食材となります。いつものドッグフードに野菜をトッピングしてあげるだけでも、腸内環境の改善だけでなく、嗜好性が高くなったり、水分の補給にもなります。
また、野菜に含まれるプラスαの栄養素は、高齢犬にも良い効果を与えるものばかりです。特に抗酸化作用やがん予防にも良い効果を与える野菜は多いので、ドッグフードを若干減らし、置き換えダイエットとして野菜を少量プラスしてあげても良いでしょう。
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体重維持には運動も大切
高齢犬になると運動量も落ちますが、肥満体質になることでも運動量は減ってしまいます。こうした生活を続けていると、必要な筋肉も衰えてしまい、高齢になる頃には自分の体重を支えることも難しくなることでしょう。
また、すでに高齢犬で肥満体質、運動量も少ない場合には要注意です。少しずつダイエットをし、毎日運動する習慣をつけるようにしましょう。足腰の衰えは日に日に進行していってしまいます。少しずつ体重を落とし、少しずつ体力もつけられるよう、毎日の運動は行いましょう。
また、運動と言っても激しい運動は必要ありません。まずは1日数分の散歩からはじめ、ゆくゆくは小型犬であれば30分程度の散歩も問題ないようにしたいところ。体が軽くなり、体力もついてこれば愛犬も走りたい気持ちになるはずです。
無理な運動は避けたほうが良いですが、適度な運動は高齢になった犬にも重要な要素であり、ダイエットを行う上でも欠かせないポイントとなります。
プロ目線から見た高齢犬のダイエット
高齢犬の無理なダイエットは禁物と説明しましたが、それには高齢犬の無理な体重管理だけでなく、栄養不足になる可能性も考えなければなりません。
安易にドッグフードの量を減らしてしまっては、1日に必要とする栄養素を摂取出来ない場合も考えられます。置き換えダイエットとして別の栄養素を摂取させることで解消は出来ますが、単に給餌量を減らすことは高齢犬のダイエットには繋がりません。
犬の1kgは人間に例えれば、おおよそ10kgほどと考えることができます。高齢の方が10kgも減量してしまっては、かえって不健康になることは容易ですよね。犬にも同じことが言えますので、高齢犬のダイエットを行う場合には、ゆっくりなペースで、しっかりと栄養と体力をつけながら進めていくことが大事になります。
愛犬の健康状態を日頃からしっかりと観察しつつ、便の状態にも気を使い、愛犬のペースに合わせてダイエットを進めるようにしましょう。
まとめ
高齢犬の犬は免疫力、体力、消化能力と様々なものが低下していってしまいます。高齢になることで必ず通らなければならない道になりますが、飼い主さんとしては出来る限り低下を遅らせ、丈夫で健康な体を維持することが大切になります。
そのためには肥満体質は改善するようにしなければなりません。適正体重の犬と、肥満体質の犬とでは病気の進行具合や病気を発症するリスクも大きく変わってくるでしょう。
肥満傾向の体をキープしていても何も良いことはありません。また、愛犬が動き回っているうちが勝負となります。高齢になっても遅すぎと考えず、できるだけ適正な体重にすることを考えてあげましょう。
無理なダイエットは禁物ですが、上手に置き換えダイエットや適切な運動を毎日の生活に組み込み、ベスト体重を維持させることを目指してみましょう。
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